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奇妙な依頼者
「楠神さん本当にこの仕事請けるんですか?」
「あぁ請けようと思っている。」
「ですが、確かに経営的に厳しいですけど。この仕事はちょっと。」
「珍しいな、美柳君がそんなことを言うとは」
「だって、依頼者が・・・」
「依頼者がどうかしたのかね?」
「明らかにおかしかったじゃないですか。
「そうかね?私にはそうは見えなかったが。確かにちょっとアレだが、」
「そのアレが問題なんじゃないですか。」
その依頼は突然舞い込んできた。今日もいつものように朝の仕事である珈琲を淹れて、依頼を確認していたところに、一本の電話がかかってきた。
「はい。楠神探偵事務所です。」
「探偵さんにお願いしたいことがあります。」
電話口で突然そう告げられた。
「どのようなご依頼でしょうか?」
いつものように返すが、かえってきたのは
「簡単にいえば謎解きです。詳しくはそちらに伺って話したいと思います。」
というものだった。通常来ていただくというのはこちらから言うものであり、自分から行くからというのはあまりないことだったので少し面食らってしまった