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束縛癖のある吸血鬼

「おいチャイニーズ、さっさと歩け!」

「はい...」

「この中に入れ、その女と仲良くしてろ。先に行っとくが脱獄しようなんて考えてんじぇねーぞ。平和ボケした島国の猿がよぉwww」

 俺はは野口穣のぐちゆたか、オカルトや超常現象を扱う出版社『アー』で働いていた元従業員の男が。今運悪く『民間軍事企業ファフニール』の連中捕まってしまい無機質なコンクリートの部屋の中にある黒い鉄格子の牢屋の中に謎の紫色のショートボブヘアの白人女性と共に閉じ込められてしまった。そしてその時にスマートフォンを没収されてしまった。

「貴方日本人でしょ?」

「そうですけど...何か?」

「お腹空いた、あなたの何か持ってない?」

「日本のお菓子ではないけど栄養補給剤ならありますよ」

「庶民の食べ物ね...」

「世界中のスポーツ選手も食べてますよ」

「...そうなの、ありがとう、これ半分こ」

「え?いいんですか?」

「これだけじゃあ栄養不足だけど貴方もお腹空いてるでしょ?」

「少しはね」

「ところで名前は?」

「野口穣です、日本人です。チャイニーズ(中国人)ではないです」

「あぁやっぱり足りない野口の血吸わせて良い?」

「吸うってあんた考えてんすか!?病気になりますよ!」

「いいから言う事聞きなさい」

「うわぁぁぁぁぁ!」

 右首筋に何か肉食獣の犬歯のような物が二つ注射針のように突き刺さった感覚と微かな痛みが脳神経に伝わった。もしかして伝説上の吸血鬼!?。そう、そのためにわざわざヨーロッパまで行きスマートフォンで撮影しまくっていたのだ。と同時に咽る(むせる)声も聞こえた。俺の血液型”D”型だからな。

「貴方の血まず!」

「しょっちゅう蚊には刺されるんデうけどねぇ」

「あんな下級吸血鬼の評価なんてそんなもんよ、血液型は?」

「Dっす。趣味はギャンブルで、仕事は働いたら負け何で」

「日本人ってまだ血液型占いやってるの?」

「そうっすね、そういうわけなんで遊びながら生きてるっす!」

「ミスター穣、私の所で働いてみない?」

「俺みてぇな勉強まともにやってこなかったぺーぺがですか?冗談でしょ」

「あんま迷信信じないで!それで苦しんだ奴もう、見たくないのよ」

「迷信ってそんな...」

「科学的にはA型でもだらしない奴もいるし、D型でもノーベル賞取れるの」

「じゃあ、今までの俺の人生何だったんだよぉぉぉ!騙しやがってぇぇぇぇぇ!」

 心の底から悔しかった、D型だと判明してからずっとそれらしく勉強もスポーツもせず遊びまくっていた。周りにもそういうもんだと馬鹿にされてきたけど。この吸血鬼のお陰で目が覚めてしまった。

 

「うるせぇぞ!ハチの巣にされてぇか!?」

 カラシニコフ(改良型AK-47)を持った筋肉質の白人の男と人種の違う複数の奴らの仲間ががさっきの声を聞きつけ地下室に来て、着くなり激高していた。俺が自衛隊隊員だったとしても勝てる気がしなかった。そういえばこいつらは何の目的でこの屋敷を占領したんだ?。新壁の開発?それとも財宝あの女、もしかして貴族...。何てことを思っていたら戻ろうとしていた。

「お目当てのお宝は見つかったかしら、醜い豚泥棒さん」

「おい、クソ尼死にてぇのか!?」

「死ぬのは貴様ら人間の方だ!」

「痛い痛い居止めてぇ助けてお父さん、お母さん!」

 目の前で数多の鍛え抜かれたはずの軍人が可愛そうなほどの悲鳴と泣き言を喚き散らしながら干からびて死んだ。それにおじけづいたそいつの仲間達は一目散に意思階段を駆け上がっていった。自分は目の前の出来事に困惑こんわくしていた。

「どうしたの?ここ出るわよ!」

「......出るってあいつら小銃持ってるも見てましたよね?」

「...いやならそこで野垂れ死んでなさい」

「それは嫌だ生きて日本に帰るんだ!こんなところで死んでたまるか!」

「よく言ったわ、面接合格よ。さぁ狩りの時間ね、待ってなさいクソ鼠共!、穣、私から慣れちゃ駄目よ」

 そこから先は悲惨だった。小銃弾が直撃しても平然としてるんだもん。これが本当の『化け物』...か。奴らもアサルトライフル連射するけど全然効果が無い。けど、服は破れてくれているんだなぁ。人間がチーズを着るよりも簡単に専断されていく。返り血を俺も何回か浴びてしまった。感染症とか大丈夫かな?

「軍人が情けないわねぇ、昔の兵士はもっと強かったわよ!」

「あいつら何のためにこの屋敷を襲撃したんですか?」

「この家の財宝と立地が目当てでね」

「立地?やっぱり戦争で使う最新兵器を...」

「ま、そんなところね」

「そういえばさっき面接合格って...」

「そのまんまの意味よようこそ株式会社ブリュンヒルデへ」

「ブリュンヒルデ...じゃあ貴方は」

「自己紹介してなかったわね、私は”Rumia Brunhilde”ルミア・ブリュンヒルデこの屋敷の主であり吸血鬼よ」

「あ、本当に居たんだ」

「私、ここの清掃終わったら帰りますね...」

 屋敷じゃなくて城のように広かった空間が広がっていた。天井や壁に張り付いた赤い鮮血を全て落とすのに二週間ほどかかってしまった。そしてその間と延長で一週間株式会社ブリュンヒルデの「いろは」を厳しくたたき込まれた。『株式会社葛城』(かつらぎグループ)とは絶賛ぜっさんライバル関係にある。帰国後部屋のに誰か入り口に誰かいる気配がした。けど見覚えのあるシルエットだった。

「おかえり、野口穣!」

「ルミア社長ここでなにしてんすか?」

「何って妻が夫の帰りを魔って何が悪いの?」

「どうしてここの住所知ってるんですか?」

「私世界中に人脈が有るの、貴方たち庶民と違ってね」

「いやいやそうだったとしても私はどこにでもいる普通の日本人ですよ」

「私が貴方の食事に自身の細胞も混入したの」

「それってつまり...」

「貴方も私と同じ吸血鬼になったの!ただし、従者としてね」

「嘘だろ...」

「宜しくねあ・な・た」

 そして数日後真昼に教会で結婚式を挙げた。吸血鬼は悪魔だからもしかしたら天井を貫通して神の雷か落ちてくるんじゃないかとヒヤヒヤしていた。さらに驚いたことにルミア社長はあぁ見えて熱心なクリスチャンだったのだ。十字架も太陽の光もも効かない(ただし、限度はある)吸血鬼夫婦がこの世界に誕生した。


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