表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
課金ゲーで推しを育てるより、隣の社畜を「腸活」でイケメンにする方がコスパいい件  作者: 東雲みどり
第6章: 『第2部(続編):最強の遺伝子育成論』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/102

第83話:英語という名の壁

 エマが通うスクールは、原則として英語のみ(English Only)の環境だ。

 三歳児の適応能力アダプタビリティは凄まじい。

 通い始めて三ヶ月もしないうちに、エマの口から自然な英語が飛び出すようになった。

 ある休日の朝。

 蓮がコーヒーを飲んでいると、エマが近寄ってきた。

「Daddy, can I have some water?」

 蓮の手が止まった。

 あまりにも流暢な発音。

 「ウォーター」ではない。「ワーラァ」に近い、完璧なアメリカンアクセントだ。

「え? あ、ああ。ウォーターね。イエス、オフコース」

 蓮が慌てて水を渡す。

 しかし、エマは不満げだ。

「No, Daddy. Not just water. I want water with ice, please.」

「……あ、アイス? アイスクリーム?」

「No! Ice! Cold ice!」

 蓮が助けを求める目で私を見た。

 私は苦笑しながら通訳に入る。

「氷を入れてほしいって言ってるのよ。『With ice』が聞き取れなかったの?」

「……速すぎるんだよ! リエゾン(単語の連結)がかかりすぎてて、TOEIC八〇〇点の僕の耳でも拾えない!」

 蓮はショックを受けていた。

 自分の娘と会話が成立しない恐怖。

 父親の威厳に関わる大問題だ。

 その日の夜から、蓮の書斎からブツブツと怪しい声が聞こえるようになった。

「Water... Wa-ter... No, flap T sound... Wader...」

 彼はオンライン英会話に入会し、夜な夜な発音矯正フォニックスの特訓を始めたのだ。

 画面の向こうのフィリピン人講師に「More emotion!(もっと感情を込めて!)」と指導されている夫の姿を見て、私は思った。

 エマのおかげで、パパもまた成長アップデートさせられている、と。

 最強の遺伝子は、親のスペックさえも引き上げていくのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ