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課金ゲーで推しを育てるより、隣の社畜を「腸活」でイケメンにする方がコスパいい件  作者: 東雲みどり
第6章: 『第2部(続編):最強の遺伝子育成論』

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第78話:3歳の誕生日と、サプライズ

 そして迎えた、三歳の誕生日。

 「魔の二歳児」と言われたイヤイヤ期も、最近は少し落ち着いてきた。

 言葉でのコミュニケーションが成立するようになり、理不尽な癇癪も減った。

 今夜のパーティーメニューは、私の自信作だ。

 「砂糖不使用・米粉と豆乳クリームのバースデーケーキ」。

 イチゴをふんだんに使い、見た目は豪華だが、中身は超ヘルシー。

「ハッピバースデートゥーユー♪」

 ロウソクの火を、エマが「ふーっ」と吹き消す。

 三本。たった三本だけど、私たちにとっては激動の三年間だった。

「エマちゃん、おめでとう。生まれてきてくれてありがとう」

「パパもママも、エマが大好きだよ」

 私たちがプレゼント(木製の知育パズル)を渡すと、エマはもじもじしながら、後ろに隠していた画用紙を取り出した。

「……パパ、ママ、どーぞ」

 それは、エマが描いた似顔絵だった。

 大きな丸が二つ。ぐしゃぐしゃの線だけど、ちゃんと口が笑っている。

 そして、蓮が書いたであろう文字をなぞって、こう書いてあった。

 『パパ、ママ、ありがとう』

「……っ!」

 蓮が号泣した。もう、滝のような涙だ。

 私も、視界が滲んでケーキが見えない。

「いつの間に……」

「昨日、保育園で一生懸命描いてたんだよ」

 蓮が鼻をすすりながら言った。

 三年前、泣くことしかできなかった小さな命が、今、感謝を伝えてくれている。

 与えているつもりだった。育てているつもりだった。

 でも、一番多くのものをもらっていたのは、私たちの方だったんだ。

「……美味しいね、ケーキ」

「うん、しょっぱい味がするけどね」

 涙混じりのケーキを食べながら、私たちは確信した。

 育児は大変だ。コスパなんて計算できないほどコストがかかる。

 でも、この瞬間のプライスレスな感情だけで、全ての元は取れるのだと。

 エマ、三歳。

 最強の遺伝子は、心も順調に育っている。

 

 ……さて。

 一難去ってまた一難。

 そろそろ次のステージ、**「幼稚園受験・お受験戦争」**の足音が近づいていることに、私たちはまだ気づいていなかった。

(続く)

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