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課金ゲーで推しを育てるより、隣の社畜を「腸活」でイケメンにする方がコスパいい件  作者: 東雲みどり
第6章: 『第2部(続編):最強の遺伝子育成論』

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第77話:七五三の前撮り戦争

 秋。エマの三歳の七五三シーズンが到来した。

 私たちは「前撮り」のために、有名な写真スタジオを予約した。

 ミッションは一つ。

 「着物を着て、千歳飴を持ち、最高の笑顔で『奇跡の一枚』を撮ること」。

 だが、それはデスマーチ以上の難易度だった。

「イヤァァァ! キツイ! ヌグゥゥゥ!!」

 着付け室からの絶叫。

 普段、機能的な服しか着ていないエマにとって、締め付けられる着物は拘束具でしかない。

 感覚過敏センサリーへの不快感がMAXに達している。

「エマちゃん、頑張って! これ着たらプリンセスよ! エルサみたいよ!」

 私は必死に「アナ雪」理論で説得を試みるが、効果はいまひとつ。

 なんとか着付けを終え、スタジオへ。

 しかし、エマの顔は「無」だった。

 カメラマンがぬいぐるみを使おうが、変顔をしようが、能面のような表情で一点を見つめている。

「……ダメね。完全に心を閉ざしているわ」

 私は蓮に目配せをした。

 プランBの発動だ。

「エマちゃん! 見て見て! パパだよ〜!」

 蓮が、私のスカーフを頭に巻き、奇妙な踊りを始めた。

 普段クールなイケメン夫が、なりふり構わず道化ピエロになっている。

 

「パパ、変なおじさんになっちゃったぞ〜! ベロベロバァ〜!」

 スタジオのスタッフが引くレベルの全力変顔。

 それを見たエマの口元が、ピクリと動いた。

「……ふふっ」

「今です!!」

 私が叫ぶと同時に、カメラマンがシャッターを切った。

 パシャッ!

 出来上がった写真には、着物は少し着崩れているけれど、花が咲いたような最高の笑顔のエマと、その横で息を切らして変なポーズをしているパパが見切れて写っていた。

「……完璧な一枚じゃないけど、最高の一枚ね」

「うん。これが我が家の『リアル』だね」

 私たちはその写真をリビングの一番目立つ場所に飾ることにした。

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