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課金ゲーで推しを育てるより、隣の社畜を「腸活」でイケメンにする方がコスパいい件  作者: 東雲みどり
第6章: 『第2部(続編):最強の遺伝子育成論』

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第72話:一ノ瀬の「パパ友」作り

 一方、蓮もまた、保育園での戦いに挑んでいた。

 朝の送迎は蓮の担当だ。

 保育園の玄関。

 ママ同士は「あ、〇〇ちゃんママ〜! 昨日はどうも〜」と華やかに情報交換をしている。

 しかし、パパたちは違う。

 互いに目も合わせず、黙々と子供の靴を履かせ、逃げるように去っていく。

 **「パパ見知り」**の世界だ。

(……これではいけない。情報戦において不利になる)

 蓮はエンジニアの血が騒いだ。

 孤立はリスクだ。感染症の流行状況、行事の裏情報、そして「妻の機嫌の取り方」を共有できる同盟が必要だ。

 ある朝、蓮は隣で子供の準備に手こずっているパパに、意を決して話しかけた。

 ただし、天気の話などはしない。男が食いつくのは「スペック」の話だ。

「……その抱っこ紐、エルゴのオムニブリーズですよね? 通気性どうですか?」

 相手のパパが、ハッと顔を上げた。

「あ、はい! メッシュ素材なんで夏場はいいんですけど、腰のバックルがちょっと……」

「わかります。腰への荷重分散なら、ベビービョルンの方が設計が優秀かもしれませんね」

「やっぱり! 僕もカタログスペック見て迷ったんですよ!」

 氷が解けた。

 そこからは早かった。

 「ベビーカーの走行性」「電動自転車のバッテリー容量」「週末のワンオペ攻略法」。

 共通言語(ガジェットと効率化)を見つけたパパたちは、水を得た魚のように語り合った。

 数週間後。

 蓮はLINEグループ**「〇〇保育園・パパ防衛軍」**の管理者になっていた。

『業務連絡:うさぎ組でアデノウイルス発生。潜伏期間は五日。各自警戒せよ』

『質問:妻が「美容院に行きたい」と言い出しました。日曜の完全ワンオペ、最適解求む』

『回答:午前中にデパートの屋上で疲れさせて昼寝させるプランBを推奨。帰りに妻へのスイーツ(コンビニ不可)を忘れるな』

 帰宅した蓮は、得意げに私に言った。

「美玲、来月の運動会、場所取りの最適ルート情報を入手したよ」

「すごいじゃない。誰から?」

「パパ友ネットワークから。……男の井戸端会議も、悪くないもんだよ」

 頼もしい。

 いつの間にか、夫は家庭内だけでなく、地域社会にも根を張り始めていた。

 パパたちの静かなる連帯が、私たちの育児を支えてくれている。

(続く)

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