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課金ゲーで推しを育てるより、隣の社畜を「腸活」でイケメンにする方がコスパいい件  作者: 東雲みどり
第5章:契約終了と、新しい関係の始まり

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第47話:一生ものの契約書

一ノ瀬が内ポケットから取り出したのは、小さなベルベットの小箱だった。

 キャンドルの光を受けて、その箱が厳かに輝く。

「……期間は一生。報酬は、僕のすべてです」

 彼が箱をパカリと開ける。

 そこには、シンプルだが洗練されたプラチナのリングが鎮座していた。

 石はダイヤモンド。派手すぎない、けれど確かな輝きを放つ、最高品質(VVSクラス)の石だ。

「僕と、結婚してください」

 直球だった。

 小細工なしの、ド直球。

「九条さんは言いましたよね。美容も健康も、投資に対するリターンの追求だと」

「え、ええ……」

「僕は、あなたにとって最高のリターンを出し続ける自信があります。僕という資産を、一生かけて運用してくれませんか? 絶対に損はさせません」

 プロポーズの言葉まで、私の思考回路ロジックに寄せてきている。

 私は呆れた。そして、どうしようもなく愛おしくなった。

「……バカね。投資っていうのは、リスクがあるから面白いのよ」

 私は震える手でグラスを持ち上げ、一口飲んで喉を潤した。

 心拍数がレッドゾーンを振り切っている。

「あなたはまだ完成形じゃない。これから加齢もするし、病気になるリスクもある。メンテナンスコストだってバカにならないわ」

「はい。それでも、僕を選んでくれますか?」

 一ノ瀬の瞳が、真っ直ぐに私を射抜いている。

 その瞳は、一ヶ月前の淀んだ色とは違う。私が与えた栄養と、彼自身の意志で輝く、世界で一番綺麗な瞳だ。

 計算機を叩くまでもない。

 私の人生における、この投資案件の評価は――。

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