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課金ゲーで推しを育てるより、隣の社畜を「腸活」でイケメンにする方がコスパいい件  作者: 東雲みどり
第5章:契約終了と、新しい関係の始まり

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第44話:逆転のプロデュース

「……プロデュース、ですって?」

 私が目を丸くすると、一ノ瀬はポケットから一枚のカードを取り出し、テーブルに置いた。

 都内でも予約困難とされる、高級レストランのショップカードだ。

「ここ、予約しました。土曜日の夜一八時」

「ここって……『発酵フレンチ』の有名店じゃない。化学調味料不使用、全メニューグルテンフリーの……」

 私は絶句した。

 この店は、私が「いつか行きたい」とチェックリストに入れていた場所だ。食への意識が高い富裕層しか相手にしない、超一流店。

「どうして私の好みが?」

「この一ヶ月、九条さんに叩き込まれましたから。九条さんが何を良しとし、何を嫌うか。あなたの思考回路アルゴリズムは、僕の中にインストールされています」

 一ノ瀬はニッと笑った。

 その笑顔は、かつての頼りない彼のものではなく、自信に満ちた捕食者のようだった。

「今まで僕は、あなたに管理される側でした。でも、最後くらいカッコつけさせてください。初任給……じゃなくて、生まれ変わった僕の最初の投資先は、あなたであってほしいんです」

「投資先……」

 その言葉の選び方に、私の胸がキュンと鳴った。

 彼は私の言葉を覚えている。美容も健康も、そして人間関係も「投資」だと。

「……高いわよ、私の合格ラインは」

 私は震える声で精一杯の強がりを言った。

「中途半端なエスコートをしたら、減点方式で即帰宅するわよ」

「望むところです。最高評価(Sランク)を取りに行きます」

 彼は私の目を見て断言した。

 ……ダメだ。

 テストステロン全開の彼に、私の自律神経が乱されっぱなしだ。

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