表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
課金ゲーで推しを育てるより、隣の社畜を「腸活」でイケメンにする方がコスパいい件  作者: 東雲みどり
第4章:バグ発生と、独占欲の暴走

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/102

第33話:マドンナの宣戦布告

翌日の昼休み。

 僕は会議室の隅で、九条さんが持たせてくれた「特製弁当」を広げていた。

 メニューは、鶏ムネ肉の照り焼き(砂糖不使用、ハチミツ使用)、ブロッコリーとゆで卵のサラダ、そしてキノコのマリネ。

 地味だが、最強のPFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物)だ。

「……やっぱり、九条さんの飯が一番うまい」

 一口食べるごとに、身体の細胞が喜ぶのがわかる。

 幸せに浸っていると、会議室のドアが開いた。

「あ、一ノ瀬さん。ここでしたか」

 高橋さんだ。

 手にはコンビニのパスタと、甘そうなカフェラテを持っている。

「隣、いいですか?」

「あ、はい。どうぞ」

 断る理由もなく、相席になる。

 高橋さんは僕の弁当を覗き込み、目を丸くした。

「えっ、すごい! 一ノ瀬さん、お弁当男子だったんですか? 彩りも綺麗だし、栄養バランスよさそう……」

「あ、いや、これは……」

 「自分で作りました」と言えば丸く収まる。

 だが、嘘をつくのは九条さんの努力を横取りするようで気が引けた。

 一瞬の躊躇。

 それを、勘の鋭い高橋さんは見逃さなかった。

「……もしかして、彼女さんの手作りですか?」

 空気が凍る。

 高橋さんの目が笑っていない。

「えっと、彼女というか……管理栄養士の知り合いがいて、体質改善の指導を受けてるんです。その一環で」

「へぇ~……管理栄養士の、知り合い……」

 高橋さんはストローを回しながら、値踏みするように僕を見た。

「ふーん。よっぽど親しいんですね。毎日お弁当作ってくれるなんて」

「まあ、隣に住んでるんで……」

 あっ。言っちゃった。

 高橋さんの眉がピクリと跳ねた。

「隣に住んでる、管理栄養士の女性……。なるほどぉ」

 彼女はニッコリと笑ったが、その笑顔は明らかに戦闘モードだった。

「私、負けませんから」

「え?」

「一ノ瀬さんを健康にしたのがその人なら、一ノ瀬さんを甘やかすのは私の役目ってことで」

 高橋さんは、カバンから昨日とは違う、高級チョコレートの箱を取り出した。

「これ、すごく美味しいんです。疲れた時に食べてくださいね。……絶対ですよ?」

 マドンナからの宣戦布告。

 僕は弁当箱を抱きしめながら、背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。

 九条さん……なんだか大変なことになってきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ