表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
課金ゲーで推しを育てるより、隣の社畜を「腸活」でイケメンにする方がコスパいい件  作者: 東雲みどり
第2章:毒出しと再生の儀式

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/102

第19話:最初の称賛

三週間目。

 一ノ瀬が帰宅するなり、興奮気味に私の部屋のチャイムを鳴らした。

「九条さん! 九条さん!」

「何よ、騒々しい」

 ドアを開けると、彼はまるで甲子園から帰った球児のように目を輝かせていた。

「今日、会社の女性社員に……給湯室で、話しかけられたんです!」

「へえ。なんて?」

「『一ノ瀬さん、なんか最近雰囲気変わりました? 肌めっちゃ綺麗じゃないですか? どこの化粧水使ってるんですか?』って!」

 一ノ瀬は自分の頬をペタペタと触りながら、信じられないという顔をしている。

「僕、人生で初めてです。『肌が綺麗』なんて言われたの。今までは『顔色が悪い』か『寝てないの?』しか言われたことなかったのに!」

 私は腕を組み、満足げに頷いた。

 ついに、外部からの評価フィードバックが来たか。

「で、なんて答えたの?」

「あ、えっと……『隣の美女が作ってくれたスープ飲んでます』とは言えないんで……『水を飲んでます』って答えました」

 百点満点の回答だ。

 余計なことを言わなかった点も含めて評価できる。

「一ノ瀬さん。他人、特に女性からの評価は絶対的な指標よ」

「と、言いますと?」

「女性は本能的に、男性の肌質をチェックしているの。『肌が綺麗=健康状態が良い=優秀な遺伝子』と無意識に判断するプログラムが組み込まれているからね」

 私は彼に一歩近づいた。

「つまり、あなたは今、生物としてのランクが上がったのよ。オスとしての魅力フェロモンが出始めている証拠」

「オ、オスとしての……」

 一ノ瀬は照れくさそうに頬をかいた。耳まで赤くなっている。

 その仕草も、以前のような卑屈なものではなく、どこか余裕と自信が感じられた。

 外見の変化が、内面の自信マインドを作り変え始めている。

 

 自己肯定感の向上。これこそが、美容がもたらす最大の効能だ。

 そろそろ、仕上げの時だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ