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加減を知らないエアコン、その1
暑い夏_
強い日差し_
セミの鳴き声_
………そして、
寒いこの席。
夏なのに寒いな。
「なあなあ青山」
「何」
「小豆をこまめに洗う」
夏なのに寒いな。
「てか青山の席いいなぁ」
「何で」
「だって俺なんか日光直撃だぞ?
その代わり青山は冷房当たるじゃん」
「当たるけどクッソ寒いぞ」
「どのくらい寒い?」
「冬場に冷蔵庫の中手ぇ突っ込むくらい」
「さっむ」
「てか高田、いいのかよ」
「何が?」
「もうすぐでHR始まるぞ」
「あ、マジ?じゃあ俺席戻るわ」
そう言って高田は自分の席に戻った。
…高田にセーター借りればよかったな。
本当にこのエアコンは加減を知らない
いやまあ、教室全体を冷やさなければいけないから、
こんなに温度を下げなければいけないのは分かるけど
窓際は窓際で暑いしな。文句は言い難い。
ゴォー、ゴォーと、換気扇と冷房が同時に回っている音が真上からする。
…いやでも、やっぱ夏なのに寒いな。
そんな事を考えていたら、担任の短忍先生が入ってきて、HRが始まった。
夏はまだ始まったばっかりだ。
いつまでこの席にいる事になるか_