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2.アセトアミノフェン-その2-『痛い』という感覚について

 お、やっと帰ってきたか。

どうだ?考えはまとまったのか?

わかりやすく説明できる自信はあるんだろうな?


 ん?お前も知恵を貸せって?同業なんだからって?

まぁ、貸さんでやらないこともない。

よし、お前が下手なことを言い出したら、俺が訂正してやる。

そうと決まったら、早速始めてくれや。


 なんで『痛い』と感じるか。

例えば左手親指を切ったとする。そうすっと損傷をしたところから出るんだよ、

「うぎゃ-!切られたぁ!やられたぁ!しむーしむー!!」

と、叫びながら出てくる奴が。そいつが末梢神経(指の先とかに神経通ってるでしょ?)の侵害受容器(やられたときに大脳皮質の知覚野(親分)に知らせるための伝令小屋としておこうか)ってとこに飛び込むと、

「なになに、切られたの?やられたの?侵害されたの?そりゃ大変だぁぁぁぁ!親分にお知らせしないとっ!」

と、次の脊髄の神経ニューロンに知らせる。すると、また次の神経が、

「なになになになに!やられたの!?かちこみなの?おやぶーーーん!」

と、騒ぎながら次の神経に知らせて、やっと親分の所に伝言が届き、

「なんだと!親指の先切られただとっ!?あっ、そう言えば痛いような気がしてきた。いてぇ!いてぇ!」

と、なるわけです。

・・・おい、こんな説明でいいのかよ・・?


 文字で説明すると、すごくゆっくりに感じますが、実際は皆様がご存じのように一瞬です。

 このルート以外にも『痛み』を知らせる新幹線並みの伝達ルートもあるようです。


 そもそも、なんで『痛い』という感覚が必要なのかと言うと、理由は唯一つ、生命を守るためです。

 骨折したり、やけどをしたりしても、『痛い』と感じなければ、そのまま放置してしまい、症状を悪化させてしまいます。重大な病気があっても、痛みを感じなければ、気付くことなく重症化してしまい、死に至る場合もでてきます。


 ここで、痛いとか、熱いとか冷たいを感じない先天性の病、『先天性無痛無汗症』という疾患があります。難病に指定されてます。ここでは、詳しいお話はしませんが、お知りになりたい方は、厚生労働省のホームページなどでお調べ下さい。

 この病の患者さんは、痛いという感覚がない、または鈍い、ため、骨折、脱臼を何度も繰り返し・・大人になって、気に掛けて自分の体を点検できるなら、まだ『何度も』にはならないだろうと俺は思うけど、子供の頃は、やっぱりそういうことがわからなくて、足をこう、強くぶつけたら骨折するとか、そういう加減もわからないから、何度も骨折とか脱臼とかするんだろうと思う。

 それを繰り返すと、骨折が上手く治らなかったり、関節が変形してしまうこともあるそうです。

 だから、『痛い』って生きていく上では、とても大事な感覚なんです。痛いから、傷付けられるのが怖いってあるもんな。心も、傷つけられると痛いしな。


 え?ガラじゃないって?うるせぇ!他人のこと言えんのか、お前!

 あ、喧嘩してる場合じゃねぇぞ!先に進むぞ。


 さて、気を取り直して。

 親分(大脳)が『痛い』と感じ「いてぇ!いてぇ!」と騒ぎ捲っているのを、アセトアミノフェンさんはどうやって宥めるのでしょうか。


 そういえばさ、刺激を末梢から大脳に伝える通路を『上行性伝導路』っていうんだけどさ、『求心性伝導路』とも言うんだよね。

 俺が学生の頃、教授が、こうやって覚えなさいと教えてくれた例えが、すごく面白かったんだよね。教授曰く、

「末梢神経は大学の寮に住んでいる子供だとします(この辺は下宿してるだったかもしれないけど)。大脳は故郷に住んでいる親です。子供が親に電話をします。『金がない~金がない~金送れ~』と求めるので、『求心性』です。」

なるほどと思ったね。周りみんな笑ってたしね。


 アセトアミノフェンさん、ぽんと痛がる親分の肩を一つ叩いて、

「あなたは全ての子分を束ねる頂点でしょう?これくらいのことで『痛い』と騒がれるのですか。子分の手前もあります。これくらいの事でそう騒がれては、親分の名が廃りますよ。」

と、言いました。

 すると、親分は怒り、

「いてぇもんはいてぇんだよ!しょうがねぇだろう!」

と、叫んでアセトアミノフェンをばっさり、とはならず、気まずそうに

「あ、ああ、そうだな。これくらいの痛みで騒いだら、子分に示しがつかないな。」

と、大人しくなりました。


 う、うん、そう言われてみれば、そうか。

 でも、これだけだと「なんのこっちゃ」って思う人も出てくると思うぞ。だから、俺の方で少し付け足しておく。


 大脳皮質に伝えられた『痛み』の強さが50だったとするね。その情報を受け取った大脳は、即「いてぇ」って感じる。そこで、アセトアミノフェンを服用すると、アセトアミノフェンは大脳の所に行って、大脳が50で「痛い」と感じていた数値を70、これは例えなので、細かい数値は気にしないで。ともかく、50より大きくなればいいので。に替えてしまう。そうすると、大脳は、

「あれ?今まで痛かったのに、痛み無くなった?(もしくはあまり痛くなくなった)」

と、なるわけです。


 うんうん、わかったわかった。そんなにほめるなって。何もでねぇぞ。出ても埃くらいだな。

で?

炎症作用がないっていう理由までいくのか?他のNSAIDsに比べて胃腸障害や腎障害がでにくいけど、肝障害が出やすいってーのは?

・・・はいはい、わかりました。そこまでまとめてないのね。


 はい!今日の講義はここまで!

次回までに、上記のことをわかりやすく説明できるようにしておいてください。

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