『小説家になろう』のアンケートが突っ込みどころ塗れだったので分析してみた
区隅憲です。
今日は時間があって、たまたま『小説家になろう』でアンケートを募集してたのでやってみました。
長ったらしい質問をだらだら答えてやったわけだが、まぁひどすぎる(苦笑)
何がひどいかっていうと、そのアンケートからにじみ出る徹底的な金儲け主義が臭ってくる必死なデータ収集。
まず全体的に質問事項を眺めて感じたのが、ユーザーが普段から何に金を掛けてるのか根掘り葉掘りしすぎ。
普段ラノベとか漫画をどれくらい買ってるとか、毎月どれくらい書籍に金を使ってるとか。
果ては普段どれくらいアニメを見てるのかって、小説投稿サイトとは直接関係ないことまで聞いてくる。
アニメ関連のグッズに金をどれだけ使ってるのか、今期のアニメを試聴してる本数は何本なのか。
いかにも昨今『小説家になろう』発のなろうアニメが爆増してるから、それに便乗して新しい金脈を作りたいって思惑が見え見えって感じ。
で、それを踏まえて今のヒナプロジェクト(小説家になろう運営)の主な収益化方法をこれから説明していく。
まずヒナプロジェクトのビジネスモデルは『小説家になろう』にアクセスされたことで発生する広告収入が主である。
つまり『小説家になろう』をユーザーから閲覧された回数が増えれば増えるほど儲かるシステムということだ。
一方でヒナプロジェクトは従業員数が実は30人ほどしかいない中小企業なので、それ以外の収益化方法はほとんど見受けられない。
だからヒナプロジェクトとしては会社の利益を出すために広告収入に頼らざるを得ない状況にある。
結果として『小説家になろう』のアクセス数を増やすことに躍起になってPV至上主義の経営方針を取っている。
だからヒナプロジェクトにとって自社が運営するサイトの世間からの好感度とかどうでもいい。
どれだけ嫌われようがジャンルが偏ってようが、数字を取れる小説こそが正義なのである。
けれどそうした殿様商売を長年続けた結果、近年になってからはずっとサイトのアクセス数が減少傾向にある。
Similarwebってサイトを使えばわかるけど、『小説家になろう』のPV数はどんどん右肩下がり。
最近になって頻繁にサイトリニューアルを繰り返しているが、恐らくヒナプロジェクト側も危機を感じているのだろう。
で、アンケートの話に戻すわけだが、そのアンケートページの前文でヒナプロジェクトは「新規サービス開発をしている」と宣言している。
上記の通りアンケートで露骨な金儲けに走った質問をしまくってるところを見るに、どうやらヒナプロジェクトは広告収入以外のビジネスモデルを作りだそうとしているようだ。
で、私がアンケートの傾向を鑑みるに、その新たなビジネスモデルとはファンビジネスのことだと推測している。
『小説家になろう』発のアニメとか漫画とかのファンに、グッズなどを売り捌いて稼ごうといった魂胆だろう。
キャラクターのフィギュアとか作家の講演会のチケットとか、そういったものを他社と提携して売り出していく感じだ。
『小説家になろう』は日本で一番規模の大きい小説投稿サイトでサイト運営の経歴も長い。ユーザーの定着数もかなりのものだ。
だからそういう『小説家になろう』に住み着いているユーザーを利用して、サイト発のアニメや漫画の関連商品を売って養分にしてやろうと画策しているのだろう。
だが私としては、もしヒナプロジェクトが本当にこんなファンビジネスを展開しても、上手く軌道に乗せられるかは甚だ疑問に思う。
端的に言って、今までユーザーをさんざん蔑ろにした経営をしてきたのに、今更『小説家になろう』のファンなんているわけがないからだ。
現在の『小説家になろう』の方針としては異世界ファンタジー、特にその中でも異世界恋愛ジャンルを格別に優遇する措置を取っており、それ以外のジャンルはほとんど切り捨てられる状態にある。
いわば『不人気ジャンルお断り』という姿勢を貫いており、現に異世界ファンタジージャンル以外の小説のメディアミックスなど全く眼中にない。
そんな差別主義的で偏った理念の小説投稿サイトなどに、どうして愛着など持てようか。
先ほど述べたアンケートを見ても、いかにヒナプロジェクトがユーザーを蔑ろにしているのかがよくわかる。
何故なら会社の売上の大部分がユーザーの動向によって左右されるビジネスモデルであるにも関わらず、サイト利用者の満足度調査をした質問が全くなかったからだ。
『小説家になろう』に直接関連する質問をした項目なんて、せいぜい『小説家になろう』で普段読んでるジャンルは何かっていう、当たり障りのない質問だけだ。
頻繁にインターフェースを変更しているのにも関わらず、「あなたはこのサイトが使いやすいと思いますか?」なんて質問は一つもない。
ユーザーがヒナプロジェクトに求めているのはサイトの利便性の向上であるにも関わらず、ヒナプロジェクトはまるでユーザーの本音など見向きもしてないのだ。
さんざん批判の的になって度々SNSでも炎上する『小説家になろう』だが、これほど大勢のアンチを生んでるのは、結局ヒナプロジェクトがユーザーのことを金儲けの数字としか見ていないことに起因する。
PV稼げりゃユーザーの気持ちなんてどうでもいい。ユーザーが不満だろうが不便だろうが数字を稼げる経営が全て。
そんな思い上がった態度が透けて見えるから、近年になって大量の離脱者が生まれた。
今となっては他に小説投稿サイトなんていくらでもあるし、『小説家になろう』しか選べないわけでもない。
今までユーザーを舐め腐った経営をしてきたくせに、今さら『小説家になろう』のファンを獲得して金儲けしようなんて笑止千万。
過去には一応世間で名の知れたコンテンツが『小説家になろう』から生まれたのは事実だが、直近で『小説家になろう』で生まれた作品で、世間に名の知れた作品が一体どれだけあるのか胸に手を当てて考えてみるがいい。
粗製乱造のコピペが当たり前となっており、キャラクターなんかに魅力なんてものがない。
読者が買い支えたくなるような愛されるキャラや作品もないし、応援したくなるような作家もいない。
こんな状況でファンビジネスなんて展開しても、失敗の未来しか見えない。
けっきょくこの金脈作りに失敗したら、また粗製乱造を繰り返しPV数を稼ぐビジネスモデルに戻るだけだろう。
ヒナプロジェクト自体も、こんな露骨な金儲け主義のアンケートを取ってるってことはよっぽど焦っている。
だが今までのユーザー軽視のビジネス体質はまるで変わっておらず、例えこんな状況でファンビジネスを展開しても、都合よく金を払ってくれる信者なんて全くできないだろう。
もし本気で経営を立て直したいなら、まずはユーザーの声を聞け。作品やジャンルを差別するな。ファンを作りたいならユーザーのことをもっと考えてインターフェースを作り直せ。
今のヒナプロジェクトは金のことしか頭にない。金しか考えない奴に金なんて払いたくない。
ヒナプロジェクトが企業態度を改めなければ、『小説家になろう』は衰退の一途を辿るだろう。
アンケート実施のページリンク
https://blog.syosetu.com/article/view/article_id/4679/