異世界で本場の串カツを食べよう。
俺は今日も串を揚げる。豚、牛、かしわ、えび、しいたけ、まいたけ、チーズ、もち。客の注文に応じてただひたすら揚げる。
「大将、えび三本と酒をくれ」
「酒は何がいい」
「あの、シュワシュワなるやつ」
「ビールですね」
戦士にえび三本とビールだな。えびは俺が揚げるとして、ビールはアイリスに頼むか。
「おーい、アイリス、こちらの戦士にビールを頼む」
「はい、清。分かったわ。」
今日もアイリスはよく働いてくれるな。おっと。えびを揚げなくちゃ。ジュウ。あちち。
「へい、えびが揚がりました」
「うん。美味い。サクサク。プリプリだ」
美味しそうに食べる戦士だな。
「マスター、私にはしいたけをお願い」
「へい、何本ですが」
「えーと、二本」
「分かりました」
よし、しいたけのタネはまだあるな。ジュウ。
「へい、おまち。魔法使いの嬢ちゃん」
「うーん、このしいたけ。サクッとした後にジュワっと味がして美味しいわー」
やっぱり串カツを揚げるのは楽しいな。こうしてお客が一本一本に満足してくれる。
異世界に来て串カツ屋を開いて良かった。思えば、この世界に来たばかりの頃は色々あったな。あの時は…… 。