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レイナ、超効率的なレベリング手法を披露する

「とりあえずはミライちゃんのレベルを上げるとして――」


 私は、3人を連れて歩き始めた。



 そのまま入り口に戻り、転移ポータルに手をかざす。

 転移ポータルは、ダンジョン内にあるポータルへと瞬時に移動できる優れものだ。



「ど、どこに向かうつもりだ?」

「そうですね。ミライちゃんの安全を考えながらのトレーニングなので――」


 ホッと胸を撫で下ろす剛腕さん。


「――とりあえず下層に行こうかなと」

「「!?」」

「はいッス!」


 ギョッと目を見開く剛腕さんたち。

 一方、ミライは気合いよく返事した。



"安全 #とは"

"レイナちゃんの傍ならどこいても安全やな・・・"

"なになに? なにが始まるんだい?(英語)"

"イーグルスのおふたりは下層潜れる人なのかな?"


「お、俺だって剛腕の不死殺し(アンデッド・キラー)と呼ばれた探索者だ! この人数だって、下層ぐらい潜ってやらあ!」

「声震えてるッスよ?」


 武者震いする剛腕さんに、無邪気に突っ込むミライ。


「おまえは、なんでそんなに緊張感ないんだ?」

「だってレイナ様が一緒ッスから!」

「信頼が厚い!?」


 キラキラした視線が飛んできて、私は苦笑いするのだった。




※※※


 転移ポータルを出て、私たちはダンジョン下層に足を踏み入れる。



「着いたッス!」

「ほ、本当にこの人数で下層に潜るのか?」


"レイナちゃん配信に一般人が出てると安心するな・・・"

"そうだよなあ 下層って、散歩感覚で立ち入る場所じゃないよな?"

"¥3000:え? 下層って食材探すための食料庫ですよね?"

"レイナちゃんにとっては深層も食料庫だぞ"


「ご、ごめんなさい! 今日の料理はお休みです!」


 あくまで今日は、ミライの手伝いが最優先だからね。


"レイナちゃんが食べ物を諦めた・・・だと!?"

"そんな馬鹿な・・・"

"なになに? レイナちゃん、なんて言ったの?(英語)"

"《英検1級はクソゲー》今日の料理はお休みだって(英語)"

"レイナちゃんが食べるのを諦めるはずがないだろ、いい加減にしろ!(英語)"

"《英検1級はクソゲー》ぶわっ・・・(´;ω;`)"


 私は、あるものを探しながらダンジョン下層を彷徨い歩く。



 ボコッ!

 たまに出くわすモンスターは、拳で吹き飛ばして黙らせる。

 時は金なり。今は、雑魚に構っている暇はないのだ。


"この貫禄はまごうことなきレイナちゃんですわあ"

"まとってるオーラが違う"

"ミライちゃん目をキラキラさせてて可愛い"

"無感動にモンスター撲殺していくレイナちゃんとの対比が最高なのよ・・・"


 キョロキョロとあるものを探して歩く私と、戦々恐々と後を付いてくる剛腕さんたち。



(あ、あった!)


 しばらく歩き、私は目的のブツを発見する。

 それは足元に巧妙に設置されたボタンであった。


「おふたりは下層のモンスター相手なら、ミライちゃんを守りながら戦えますか?」

「へ? ……あ、ああ。もちろん! それぐらい、お安い御用――」

「分かりました! となれば、あれやりましょう!」

「「へ?」」


 私は、足元のそれを踏み抜いた。


 ダンジョン内に、警報音が鳴り響く。

 モンスターを呼び寄せるアラートだ。



 ――モンスターハウス。

 手っ取り早くモンスターを集められる罠である。


「「いやいやいやいや!?」」

「さすがレイナ様! その躊躇いのなさに痺れるッス!」


"ノータイムで草"

"たしかにレベリング効率は良さそうだけど"

"無茶に突き合わされてる剛腕さんたち可哀想"

"この状況に動じないミライちゃん大物すぎる・・・w"


 手っ取り早くモンスターを集めるにはこれが一番。


 やがてはモンスターの群れが、徒党を組んで現れた。

 初めて見るモンスターを見て、ミライは目を輝かせていた。

 なぜか剛腕さんたちは、真っ青な顔でぶるぶる震えていたけど――


「私が捕まえるから、ミライちゃんは私が抑えてるモンスターをぶん殴って」

「分かったッス!」

「剛腕さんたちは、ミライちゃんを攻撃しようとしてる奴の露払いをお願いします!」

「「!?!?」」


 そう言って私は、モンスターの群れに突っ込んだ。



 最初に、遠距離から攻撃を放ってくる危ないモンスターを処理するのだ。

 前の配信でしたように、私は闘気を放ってモンスターを倒していく。


(ふぅ、こんなもんかな――)


 私が、待たせていた3人の元に戻ると、


「うおおおぉぉぉ、こんなところで死んでたまるかぁぁぁぁ!?」

「おまえが、無駄に、強がるからぁぁぁああ!」

「俺だって、探索者としてのプライドってもんが、あったんだよぉぉお!?」


 おっさん2人は、猛々しい咆哮を上げながら戦っていた。

 ミライを守るため、気合い充分みたいだ。


「レイナ様、カッコ良すぎるッス!」

「ミライは、前出るな! 身を乗り出すな! そして目を輝かせるな!」


 ミライは相変わらずだった。



 3人の元に戻った私は――


 ベキッ バコッ ドガッ!

 3人の元に集まってしまったモンスターを殴り飛ばし、一瞬で葬り去る。

 


「返り血をぬぐうレイナ様、格好良い――」

「い、一瞬であの数を倒し切るとは…………」

「改めて実物はとんでもないな……」


 危険なモンスターを処理し、ある程度は数も減らした。 

 ここからが本番だ。



 私は、モンスターの群れを振り返る。

 ターゲットは、岩石に手足と眼が生えた風貌の不可思議なモンスターだ。


 ギョギョギョッ?

 奇妙な鳴き声とともに襲いかかってきたそいつを、


「ふんっ! ――はい、ミライちゃん!」

「分かったッス!」


 私は両手で鷲掴みにして、ミライに引き渡す。


「えいやっ!」

「おっけー。はいっ、次っ!」


 意図を汲んだミライが、モンスターに一撃を入れる。

 すぐさま私は拳を叩き込み、そのままモンスターを消し飛ばす。


 ――共闘相手との経験値共有。

 今までソロだったから馴染みはなかったけれど、パーティーを組むメリットの1つだと聞いたことがある。



"流れ作業で草w"

"こ、これがチェンジか・・・(困惑)"

"ついに連携を学んだレイナちゃん!"

"連携 #とは"


 何度かそんなことを繰り返していると……、


「……あれ?」


 1体とのモンスターと目があった。

 ――そのモンスターはクルッと方向転換して、逃亡を始めた!



「待って!? ミライちゃんの経験値~!?」


"草"

"あーあ。狩られる側であること、分かっちゃったね"

"モンスターハウスの奴らって、逃げることあるのか・・・"

"初めて見たw"

"圧倒的強者がいれば、こんなパワーレベリングも可能なのか。勉強になります(英語)"

"なお参考には……(英語)"



 結局、残るモンスターは取り逃してしまったが、


「ミライちゃん、どう? 強くなった感じする?」

「はいッス! 体がぽわぽわ暖かいッス!」


 それはレベルが上がったときの症状の1つ。


(やっぱり、これは効率良さそう!)



「目指せ、1日でレベル50!」

「はいッス! ギルドでレベル測定するのが楽しみッス! …………あれ? なにか視界の端に、変な輝く文字が見えるッス――」


 ええっと……。

 首を傾げながら、ミライは何やら文字を読み上げていく。


『スキル開花――「ジャイアントキラー」……格上相手に効果を発揮するスキルが手に入ったみたいッス!』

「嘘っ、本当に!? ミライちゃん凄い……、おめでとう!!」


"¥3000: あっさりスキル開花させてて草"

"そりゃ、こんな荒療治に巻き込まれれば……"

"普通は死ぬぞ。絶対に真似するなよ?"

"押すなよ? 押すなよ?"

"¥5000: 《鈴木千佳》この子たちは特殊な訓練を受けています。絶対に真似しないで下さい"

"マネちゃんw"


 ミライは、急激なレベルアップに「ふおぉぉぉお!」っと目を輝かせていた。



「目的は達したな。さてと、今日はここらで戻ることに――」


 剛腕さんが何やら言いかけたが……、


「じゃあ……、早速! 次のモンスターハウスを探しにいきましょう!」

「はいッス!」

「「待て待て待て待て!?」」 


 意気投合するミライと私。

 そんな私たちに「待った!」をかけるのは、げっそりやつれた剛腕さんたちであった。

お読みいただき、ありがとうございます。



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― 新着の感想 ―
[一言]  翻訳ニキ癒される。
[一言] もしかして、剛腕さんたちもレベルあがってるのでは?
[良い点] 剛腕さん達も開花しちゃいそう [一言] 英検1級はクソゲー氏に優しい外国勢はいないのたろうか?
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