役廻令嬢の目覚め
突然だが、私は今呆然としている。
何故かって?それは私の隣で明らかに裸で寝ている男を見てしまったからだ。
ハッとして私はブランケットの中を覗く。
「・・・・・・」
はぁ、と項垂れる頭を右手で支え、深いため息をつく。
これは・・・アウトだわ。
「ウソでしょ・・・何でこんなことに・・・」
目覚める前の記憶がどうしても思い出せない。私はいったい何をしていたの?
それに、この男性は誰なの?私が知っている人だろうか・・・
いろんな思考が頭の中を駆け巡る。だんだんと頭に血が上ってきたのかクラクラしてきた。
もう、これ以上考えるのはやめよう。勢いよくベッドに仰向けに倒れると風圧で隣の男の前髪が揺れる。
低い声で唸るような声が聞こえ、男は怪訝そうに目をうっすら開けた。
「ステラ・・・?」
その男はモゾモゾと動き、私の腰を引いて抱き寄せる。
とても慣れた手つき。抵抗しようと思ったが、あっという間に引き寄せられ、向こうのほうが一枚上手だったようだ。
すっぽりと収まってしまった私は思わず声を上げる。
「ちょっと・・・あな・・・」
た、と振り向きながら言いかけて口を噤んだ。ウェーブのかかったシルバーグレーの前髪の隙間から覗くブルーサファイヤの煌めきを秘めた瞳が私をじっと見つめていてる。
二人は暫く見つめ合い、そして男はこう言った。
「やっぱ、離したくない。俺と結婚して?」
「・・・・・・はい?」
何を言ってるんだ、この人は。