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FREEDOM  作者: ホーリン・ホーク
fourth season
62/83

62.ベルザの決意

 ジャックが引き金を引く寸前、ヴォーンの背後にダグラスが現れ、発砲した。

 二発、三発、四発、背中に撃ち込まれる45口径。

 ヴォーンは床に崩れ倒れる。

 錯乱したジャックをダグラスは一瞬目で烈しく威圧し、倒れたヴォーンの髪を掴み顔を確かめた後、トミーの肩を引き寄せた。

 いったいどうしたんだとダグラスは縄を解く。

「大丈夫かトミー! 怪我は? なかったか?!」

 冷や汗と鼻汁で汚ないトミーは感極まってダグラスの足にすがりついた。

「おおおダグラス! ありがとぉおお、お前は命の恩人だあ! こ、こいつはナピスの殺し屋なんだあ!」

 ダグラスはトミーの背中をさすりながらジャックに目配せする。

 まだトミーの前では芝居を続けるという意味だ。


「おぅトミー、俺たちは兄弟だ当たりめぇよ! 銃は苦手だがお前を助けるためだ、やる時ゃやるぜ! ここは危険だ、出るぞ! ……あ? そこの兄ちゃん、てめえは誰だ?」とダグラスはジャックに声をかける。

 茫然としているジャックにトミーは飛びかかり、拳銃を奪った。

 そしてダグラスに説明した。

「こ、こいつはジャック・パインドって奴だ! お前のダチのジョン・キートンに化けていやがったあ!」

「ああ? どういうこった?」と話にのるダグラス。

 あたふたするジャックの腕を掴み上げるトミー。

「こいつをリガル・ナピスのところに突き出すんだ! こい、このクソガキ!」

 ダグラスのアイコンタクトでジャックはこの窮状を従った。

 今はここから脱しなければ。ダグラスが引き連れる。

「トミー、とにかくそいつを連れて車に乗るぞ! きっと直ぐに追手が来る。急ぐぞ、俺の隠れ家へ」



 ****



 ベルフィールドにいるベルザに、ハモンド州警のハリー・イーグルから電話が入った。

 それはリガル・ナピスの情報だった。

「潜入中のホークからの情報です。明後日午後四時、ブリンギングス〝ギングス・ファーム〟で開かれる三大ファミリーの会合にリガル・ナピスが現れる」

 マフィアのサンダース、エスタド、サディス・ファミリーとナピスとの商談があるという。


 ベルザは皆に言った。

「セリーナ、君は今一度ポール君の消息を。まだ諦めるな。リッチーはジミーのそばに。彼が完全に回復するまで、そしてここに残ってマルコ君家族のことも。皆を守ってくれ」

 リッチーはベルザに窓際へと勧めた。


「ベルザ。ダグラスから聞いた話だ。あんたはリガル・ナピスと兄弟だと」

「……ああ。我々ははるか昔キャプテン・キーティングに拾われ、仕えた側近だった。弟のカイザ=リガル・ナピスはキャプテンを殺した。奴は野心、私は復讐の情念で生き永らえた……」

 その目を見つめ、リッチーは頷いた。

「信じるさ。ヘイワース家の末裔として、俺も関わる運命だった」

「わかってくれるか。リッチー」


 二人の間を見計らったルカが近づき、リッチーの肩を叩くと、ベルザの手を掴んだ。

「わかってるさベルザ。俺しかいないだろ? あんたを乗せて行くのはスーパードライバーの俺しかいない」

「頼む。ルカ君。ギングス・ファームで決着をつける」

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