漫才・時代劇
二人「はい、ど〜も〜〜」
ボケ「左です」
ツッコミ「右です」
二人「二人合わせてGEININです」
左「いやあ、最近はパッとしない日が多いですね」
右「そうだね、天気もそんな感じの日が続きますね」
左「そんな中、パッとするといえばあれですよ」
右「お? なんです?」
左「時代劇です、僕好きなんですよ」
右「ああ、勧善懲悪って流れがしっかりしていますから終わり方も明快でパッとしていますね」
左「そうそう。”お代官様、本日こちらをお納めください、越後屋お主も悪よのぅ”みたいな」
右「はいはい、そこにお殿様みたいな偉い人が乗り込んで悪事を暴いて”そこまでだ!”みたいなね」
左「だから、僕も見習ってみようと思いまして先日やって来たんですよ」
右「お? 本当ですか? ちなみにどんなことを?」
左「聞きたい?」
左「聞きたい?」
左「聞きたい?」
右「いいから早く言えよ! 何もったいぶんてんだよ」
左「そんな短気だとお殿様に依頼されるシーンでも全然写んないね」
右「どうでもいいよ! 今は時代劇やってるわけなじゃないから関係ないわ!」
左「それで僕はですね、この前ちょっとスピード違反しちゃって捕まったんですよ」
右「お前が悪役かよ! 何しちゃってんの? お前悪いことしちゃってるじゃん。いや、たしかに悪役って立ち位置分かりやすいよ。パッとはしてる、パッとはしてるね」
左「捕まったらこれはまずいと思いまして」
右「思いましてじゃねえよ! 捕まる前に気をつけて運転しろよ! 今の時代、迷惑ドライバーには敏感なの!」
左「ですから、お代官様こちらをお納めくださいーってやったんですね」
右「やったんですねじゃないよ、堂々と賄賂渡しちゃってるよ」
左「そしたらお代官様も”お主も悪よのぅ”って言って受け取るものだから」
右「ちょっと待って、ちょっと待って! 悪いのはお前だから間違ってないけど、相手は本当に悪徳代官なの?」
左「そうだよ」
右「そうだよじゃねえよ! スピード違反取り締まる人に代官はいないの。まあいいや、続けて」
左「お代官様が受け取るものだから、勢い余ってやっちゃったね」
右「やっちゃった? 何を?」
左「それはもう、”お主の悪事成敗してくれる! せいやー”ってバッサリ切っちゃったね」
右「切っちゃったじゃねえよ! 本来切られてるのはお前だよ! 切符切られる違反はお前だ」
左「そしたらお代官様”うわっ、やられたあ”なんて言いつつ倒れるふりしながら罰金処理してくれましてね」
右「それただ遊んでただけじゃねえか! その相手の人もノリ良すぎだわ! 淡々と仕事しろよ」
左「堅苦しいところにもささやかなエンターテイメントをですね」
右「ささやかじゃねえから! テーマパークじゃないんだから、そこに遊び心はいらないの。罪に対する罰を行うところで反省させるのに遊びだしてどうすんだよ」
左「お互い意思疎通ができたんで目があったらこう(サムズアップのポーズ)しあいましたね」
右「意気投合してんじゃねえよ! 反省しろよ」
左「反省してますから、”悪の栄えたためしなし!”って言って帰ってきたんです」
右「罰せられてるお前が言ったら説得力だけはあるな! けどそれ単にスピード違反の罰金納めに行っただけの話だよね」
左「そんな褒められても罰金しか出さないよ」
右「当たり前だ! 褒めてもないし、そもそも違反しないようにしろ」
左「そんなこんなでパッとするような時もあると気持ちも晴れやかになりますね」
右「なってないから! 晴れやかになってないよ? グダグダだよ」
左「難しいこと考えないといけない時も多々あるでしょうが、こうやって分かりやすいことを見て聞いて気分転換することも大切です」
右「ちょっと人の話聞いてる? 勝手に締めようとしてない?」
左「こういう台本以外のこと言い出しちゃう人困りますね」
右「台本とか言うなしー! むしろスキャンダルかもな大事な話だから戻して!」
左「僕たち役者にとって台本は命ですから」
右「いや、違うよ? 僕ら芸人だからね。役者は時代劇の中の話だからね」
左「という実際に時代劇にあったらなって夢を見ましてね」
右「夢オチかよ! 時代劇どころか現代劇だし、全く勧善懲悪に向いてない話だよ」
左「僕としても夢オチってのはよくないですから」
右「夢オチでいいわ! 心臓に良くない」
左「なので、ちょっとこれから捕まるところからやってきます」
右「やめてーーーーーーー」




