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悪役はやっぱりこれがないとね!

今回は演劇衣装が完成!

こうしてクラスでの出し物の準備が終盤へと差し掛かった頃

好夜は演劇で使い衣装が完成したと聞いてすぐさま演劇部へと向かった

「待てたよ〜!これが三人が着る衣装だよ〜!」

そう言って香野は三人に衣装を着させてみんなに披露する事になった

「・・・なんか・・・だいぶチョイスが違いますね・・・」

三人の衣装はそれぞれチョイスが違っておりとても同じ舞台に出る人には思えなかった

まず始めに主役でもある会長はやはり東方から来たという事を意識してなのか

どこかの流浪人のようか格好をしているのだが

それでも十分にオシャレに見えるようにアレンジがされていた

次にそのライバルになる好夜なのだがその衣装はまさしく暗殺者と言えるものだった

派手な装飾は施されていないがだからこそカッコイイ悪役の姿と言えるだろう

「・・・で?俺のこれは一体どういう事なんですかね?」

そして一番の問題は最後である慶太の姿だった

なぜかパンクな格好をしておりしかも肩にはなぜか棘の付いた肩当がつけられており

もはや完全に世紀末の世界に出てきそうな雑魚キャラの衣装だった

((・・・でもなんでだろう・・・一番こだわられてないか?))

しかしそんな衣装の所為なのか三人の中では一番こだわって作ってもらった印象があった

「まぁこれで衣装はほとんど完成したし・・・あとは少しだけ直すだけかな?」

香野はこれで衣装は完成したと話していたがやはりそれに納得しないのは慶太だった

「これじゃあ明らかにやられるのが目に見えてるじゃないですか?!

 俺はこれ以外の衣装を用意して欲しいです!」

明らかに自分は雑魚役の衣装なのに対して相棒である好夜はカッコイイ衣装を着ており

これに対して文句を言わないわけもなく同じくらいにはして欲しいと慶太は告げる

しかしここまで作っておいて今から作り直す訳にもいかず香野はどうしようかと考えていると

「いや・・・むしろこれはこれでカッコいいんじゃないか?」

好夜がまるで香野をフォローするかのように慶太にその衣装はカッコイイと告げる



「だってさ?明らかに人とは違うんだぜ?

 それはつまりめちゃくちゃ舞台で目立つって事じゃないか!」

そう言われて慶太は確かにその通りだと何やら納得しこの衣装でいいと言ってくれた

(・・・本当に扱いがうまいわね・・・逆に不安になってくるわ・・・)

香野はその扱いの上手さから本当に大丈夫なのかと慶太の将来を不安に思うのだった

「さてと・・・それじゃあ小道具の武器とかも持って一応ポーズをとってみましょう!」

そして三人は何故か武器も一緒に持たされてポーズを取らされていた

「・・・これ・・・何のためのポーズなんですか?」

一応はポーズをとりながらも好夜は何の為にこんな事をやらされているのか確認する

「実は肝心のポスターをまだ作ってなかったみたいだから今から作ろうかと」

何と既に今月に迫っているのにまだ演劇のポスターが出来ていなかったようで

今まさにそれを作ろうと三人の写真を撮っていたらしい

「嘘でしょ?!学祭って今月ですよね!そんなんで間に合うんですか?!

 てかその前に俺達がメインじゃダメでしょ!!」

さすがの好夜もそんな事で本当に大丈夫なのか不安に思うと同時に

どうして主役とヒロインの二人じゃなくてこの三人でポスターを取る事になったのか聞く

「今回のメインは悔しいけどヒロインじゃなくてこの三人・・・てか二人だけど・・・

 だからポスターのメインもこの三人がやるのが当たり前でしょ?」

確かに香野の言う通り明らかに注目されているのは会長と好夜であり

その二人が一緒にポスターに映るのはある意味で当然といえば当然だろう

慶太に関しては本人を納得させるのと一応は好夜の相方を務めているので写しているだけである

「それにポスターの完成については既に専門家が動いているから大丈夫なはずよ!」

そしてポスターの完成に関しては何やらそう言った専門家がいるようで

その方に任せているとの事だった

三人はそのある方とは一体誰の事を言っているのだろうと思っていた時だった

「お待たせしました・・・写真の方は撮れましたか?」



「「・・・専門家ってお前かよ!!」」

二人が思わず叫んでしまったのは無理もない事だろう

何故ならばそこに現れたのは他でもない晃平だったのだ

「親の手伝いでこう言った映像の編集はやっているからな・・・

 出来るだけ早めに仕上げたいから手伝って欲しいと足立先輩にお願いされたんだ」

どうやら晃平は父の手伝いをしているからなのか映像の編集も出来るようで

それを見越していた足立が既にポスターを作る手伝いを頼んでいたのだ

「あれ?・・・そういえばその肝心の足立先輩はどこに?」

すると好夜はその肝心の足立の姿が見えない事に気付きどこにいるのか尋ねると

「足立なら今、体育館でエキストラの人のアクションシーンを指導しているはずよ

 これから私達も向かう予定だしなんだったらその衣装を着て行ってみる?」

足立は今、体育館でエキストラに指導をしているようで香野はその衣装を着ていく事を提案するが

もちろん二人は大事な衣装を傷つけるわけにもいかないので脱いでいくといい

慶太はその提案に乗り気でそのまま行こうとしたが二人に捕まり強制的に着替えさせられた

そして三人はそのままその足で体育館の方へと向かうと

エキストラの人達が座って足立の話を真剣に聞いていた

一通りの説明が終わるとその動きを見る為に実際に動いて演技を始める

どうやらすでにエキストラの人達も動きを覚えたようで指導の必要がないほど綺麗に動けていた

「お疲れ様!みんなどんな感じ?」

香野はそんな足立にエキストラの人達はどんな様子なのかを聞く

「お疲れ様です!みんないい感じに仕上がってきてますよ!

 後はこの結果を本番でも発揮できるかどうかですね!」

足立も既にいう事はないと感じており後はこれを実践できるかどうかと考えていた

「それについておそらくその心配もないだろう」

するとそんな足立に会長が本番でも不安はそこまでないはずだと告げる

二人はどうしてそんな事がはっきりと言えるのだろうと思っていると



「体育会系は頭ではなく体で覚えるからな・・・頭が混乱していても体が動いてくれる」



「「ああ〜・・・」」

それを聞いて二人はとある人物達を連想してしまい大いに納得してしまったのだった

「そういえば衣装完成したんですよ?!見せてもらってもいいですか!!」

そして足立は三人の衣装が今日完成した事を思い出し香野に先ほどの写真を見せてもらう

「おぉ〜・・・!!後でこれ現像して一枚もらってもいいですか?!」

すると感動した足立はその写真を現像したら一枚欲しいとお願いしていた

「・・・せめてそういう事は本人のいないところでやってもらってもいいですか?」

それを見ていた好夜はできれば自分のいない場所で

そう言った事をやってほしかったと思っていると

「会長!すいませんが相手役をお願いしてもいいですか?!」

エキストラの入っていた2年生が主役である会長に相手役をお願いする

「わかった・・・だが手加減は出来ないからそこは期待しないでくれ」

そう言われてその後輩達は自分達の言った事を後悔する事になるが

やる気になってしまった会長を止められるわけもなくここから地獄が始まるのだった

「そういえば会長は他にの演技の練習をしていたみたいですけどどんな感じだったんですか?」

後ろで聞こえてくる叫び声を無視して好夜は会長のアクション以外の演技について尋ねる

「最初はやっぱり表情を変えるってのがうまくいかなくてね〜・・・

 声とか仕草は完璧なんだけど顔だけはついてこない瞬間があって・・・

 まぁそれに関しては瑞樹くんよりも早く解決したからそこまで問題にならなかったけど」

どうやら会長も表情を変えるのにかなりの苦労をしたようなのだが

それでも慶太よりは早く解決する方法があったので問題は特になかったそうだ

(会長が顔を変える方法?・・・めっちゃ見たい・・・!)

今まで会長の表情が変わっている瞬間をあまり見た事のない好夜は

その瞬間を見てみたいと思っていたが自分も同じ舞台に上がるので

残念ながらその瞬間を見る事はないだろうと思っていると

「なんだったら実践して見せましょうか?」



「えっ?それ香野先輩がやるんですか?」

どうやらそれを実践していたのは香野のようで実際にそれを見せてくれると言ってくれた

そして香野は急いで会長の元へと向かい携帯で何かを会長に見せた

すると少しだけではあるが確かに口角が上がっているのが確認できた

「すごいですね!一体何を見せたんですか?!」

戻ってきた好夜に一体何を見せればあんな風に笑うのか香野に聞く

「えっ?体育祭の時に撮った私のチアリーダーをしている姿だけど?」

それを聞いて好夜は聞かなければよかったと思いながらむっつりスケベの会長を見るのだった

「まぁ・・・方法はどうであれこれで会長を笑顔にする事は出来ましたからね!

 おかげで演劇の本番もどうにかなりそうです!!」

今までになく燃えている足立に好夜は本当に学校祭が迫ってきたのだと改めて実感していた

「あっ・・・忘れてましたけど・・・本当に生徒会の仕事は大丈夫なんですよね?」

そして今更ながらに生徒会の仕事は本当に大丈夫なのか香野に確認する

「まぁ・・・正直始まる前は大変なのって先生達の方なのよね・・・

 私達が忙しくなるのはむしろその学校祭が終わった後の後片付けとかよ」

すると香野は去年の学校祭で忙しかったのは準備期間や当日ではなく

むしろ終わった後の後片付けなどの方がとても大変だったと思い出していた

「そうですね・・・あの時は書類も山積みで・・・会長がいなければ終わりませんでしたよ・・・」

そしてその時は新入生だった足立もその過去を思い出してしまったのか遠い目をしていた

(・・・それ・・・今年は俺らもやらなくちゃいけないのか・・・)

好夜は自身もそれを経験しなくてはいけないのかと思い

学校祭の楽しみと同時に終わった後の不安も残されるのだった

次回はいよいよ学校祭前日!

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