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お手伝い

今回は晃平達のお話です

好夜達が生徒会の活動で忙しくしていた頃、晃平は新しい野球部の練習をしていた

(う〜ん・・・やっぱりみんなの練習を手伝っていると俺の練習が少なくなってしまうか・・・

 どうにかして監督もしくはコーチを探した方がいいかもしれないな・・・)

自分だけではどうあっても野球部を強くする事は出来ないと考えた晃平は

出来るだけ早めに監督かコーチを見つけなければならないと考えていた

「・・・改めて龍間部長がどれだけ凄かったのか思い知らされるな・・・」

自分がこれだけ悩んでいる事を龍間はやっていたのだからかなり凄い事なのだろう

晃平は改めてあの人がどれだけ凄かったのかを実感しながら

監督やコーチ探しをどうするか考えていると

「あの〜・・・晃平くん・・・今少し時間いいですか?」

フェンスの向こうにいつの間にか明希音の姿があり晃平の事を読んでいた

晃平は一体何があったのだろうと思いながらみんなに自主練を任せて話を聞きに向かう

「実はですね・・・商店街の人で息子さんが野球部の監督をしてくれるかもしれないんです」

どうやら明希音の話とは晃平が探していた監督をしてくれる人の情報だったようだ

「本当か?!そりゃあありがたいけど・・・そのかもっていうのはどういう事なんだ?」

晃平はそれを聞いてとても喜んでいたが同時に明希音の複雑そうな顔を疑問に思った

「実はですね・・・ここだけの話、その息子さんって

 元々はプロの野球選手だったらしいんですけど・・・

 有名になる前に事故で足を怪我してしまって・・・それで引退しなければならなかったとか・・・」

明希音の話ではその息子は野球選手で怪我により引退してしまい

今では野球の事について一切触れたりなどしていないそうなのだ

「なるほどな・・・つまり監督を引き受けてくれるかどうかは俺の説得次第というわけか・・・」

自分の説得次第になると聞いて晃平は難しい顔をしていた

というもの彼はこう言った説得にはあまり向いていないのだ

それこそ下手をすれば相手に怒られてしまうかもしれない事を平然とやってしまうほどに

(ここで考えていても仕方ないか・・・とにかくまずは会ってみないとな・・・)



放課後になり晃平は明希音の案内でその息子さんがいるというお店まで連れて行ってもらった

(ここに監督になってくれそうな人がいるのか・・・

 しかし・・・どうやって説得すればいいんだ?)

目的のお店まで来た晃平だったが未だにどんな風に説得をすればいいのか思いついてはいなかった

「どうやら息子さん出前に出ているらしいので少しだけ家の中で待ていてほしいとの事です」

そこへお店の人と話をしていた明希音が帰ってきて

まだ息子さんは帰ってきていないから家で待っていてほしいと教えてくれた

「そうか・・・ならお言葉に甘えて少しだけ待たせてもらおう・・・」

晃平はそれを聞いてまだ説得する言葉を考える時間があると思い急いで色々と考える事にした

しかしあまりいい考えは思いつかずやはりここは成り行きに任せようと考えていると

「お待たせして申し訳ない・・・君達が俺に会いたいっていう二人だね?」

明希音が話していた元野球選手をしていた息子がやってきた

「はい・・・この度はウチの野球部で監督をしてもらえないかとお願いをしに来ました」

それを聞いて息子は嫌な顔をしているというよりもやっていいのかと迷っている顔をしていた

「・・・その話をするという事は君も聞いているとは思うが・・・

 俺は昔の事故で足を怪我してしまった・・・日常生活を送るのには問題ないが・・・

 残念ながらもう野球を出来るような体ではないんだ・・・」

どうやらこの人は野球を嫌っているのではなく大好きな野球をこんな体でする事を迷っているようだ

しかしそれならば今の晃平にとってはとても説得しやすいという事でもあった

「はい・・・お話はすでに聞かせてもらいました・・・

 でもそれはあなたが野球に関わらない理由にはなりません・・・!

 その野球が大好きな気持ちと知識を俺達にも教えてもらいたいんです・・・

 もう一度お願いします・・・俺達の監督をお願いします・・・!」

晃平はもう一度だけ自分の好きな野球を教えてもらえないかと頭を下げてお願いする

それを見て息子は迷いが吹っ切れたような顔をして晃平の肩に手を置いた

「わかった・・・こんな怪我人でも必要としてくれているのなら・・・力を貸そう・・・!」



「良かったですね?説得できて・・・」

明希音は帰り際、晃平に説得がうまくいって良かったと話していた

「正直な話・・・あの人に関しては別に説得は必要なかったと思うがな・・・

 野球を嫌いになったわけではなく野球を出来ない自分の体を嫌っていたんだからな・・・

 そんな人なら野球に関わらないわけがないと思っただけさ・・・」

最初に彼の顔を見た時に嫌そうな顔ではなく迷っている顔をしていた

それだけで彼には十分すぎるほどの野球への愛がある事が理解できた

だからこそ後は少しだけ背中を押せばいいだけなのだと晃平は思っていたのだ

そして結果は見ての通り見事に野球部の監督を引き受けてくれたというわけだ

「これでどうにか部員達の負担を減らす事が出来たな・・・おかげで自分の練習にも集中できる」

監督が出来たおかげで晃平は自分の練習も出来ると喜んでいた

そしてそれを見ていた明希音もまた自分の事のように嬉しく思っていると

「ありがとう・・・これも全部、明希音のおかげだ・・・」

晃平が明希音の方へと向き直り改めてお礼を述べる

「そっそれはとっ当然の事をしただけですよ!ほら!早く帰りましょう!!」

それを聞いてしまった明希音は早足で晃平の横を通り過ぎていった

自分の真っ赤になってしまった顔を隠す為に

(やれやれ・・・こっちもこっちで素直じゃないな・・・)

晃平はその姿を見ながら自分も同じようなものかと後をついていくのだった



そして時は遡りサッカー部の方では慶太が必死に練習をしている姿があった

「ハァ・・・ハァ・・・なんで俺だけ・・・こんな目に・・・!」

慶太には他の部員が行っているメニューの三倍の練習をさせられていた

どうしてなのかその理由は単純に二つあった

一つ目の理由はサッカー部の部長が彼にとても期待しているからである

彼ならばこれくらい練習は簡単にこなしてさらなる力を得るだろうと

そして問題はもう一つの理由についてだった

「当然だろ・・・お前・・・ナンパで部活に遅刻したんだからよ・・・」

実はもう一つの理由とは慶太が部活に遅刻しあまつさえその理由がナンパという事だった

さすがの部長もこれには激怒し練習量を三倍にするという罰まで与えた

「おまけに監視付きって・・・俺ってどこまで信用ねぇんだよ・・・」

さらには同じ学年の一年生を監視につけるという徹底ぶりまで見せていた

「そりゃあお前・・・この前も練習サボってまで女子のナンパにいったじゃねぇか・・・

 むしろどうしてそれで信用してもらってると思ってたんだよ・・・」

実を言うと慶太は別の日にも同じ事をやってこうした罰を受けた事があったのだ

それなのに信用してもらえるわけもなくむしろ疑われて当たり前だろう

「まぁ・・・俺としても前にもやっているのに同じ事を繰り返すお前が悪いと思うけどな」

そして見張りとしているその部員も悪い事を繰り返した慶太が全面的に悪いと告げる

「だけどよ〜・・・ぶっちゃけ女との出会いなんてそうそうないんだぞ?!

 それなのに俺達は朝から晩まで練習させられてその出会いすら削られてるんだ!

 だったら俺は逆にその練習時間を削ってでも出会いを求めてやる!!」

なにやら言っている事はカッコよく聴こえてくるが

実際はナンパの為に練習をサボると言っているだけの全く反省の色がない言葉だった

「そうか・・・そこまでして女との出会いが欲しいわけか・・・!」

そして運悪くもその言葉をいつの間にか背後に来ていた部長に聞かれてしまった

「そこまで言うのならいいだろう・・・女との出会いは俺がくれてやる・・・!」



「・・・で・・・私達バレー部のランニングに付き合わされてるってわけね・・・」

敬子は呆れたように自分達の後をついてくる慶太を睨んでいた

「俺だって本当ならお前と関わりたくなんてなかったんだよ・・・

 でも部長がこっちの練習に付き合えば

 もう切り上げていいっていうから楽かな〜って思って・・・」

どうやら慶太はバレー部の練習に付き合えば解放してもらえると聞いて

それならば確実にこっちの方が楽だと思い合流したらしいのだが

「まさかここまできついとは思ってなかった・・・!

 これじゃあさっきまで俺がやってた練習と同じじゃねぇか・・・!!」

残念ながらバレー部の練習は慶太の想像を超えるほど過酷なものだったようで

これでは先ほどまで行っていた練習と何も変わらないと思っていた

「まぁ・・・うちは全国まで行ったからね〜・・・来年も行こうって事で

 こんなに張り切ってるってわけなのよ・・・三年生の無念も晴らす為にね?」

どうやら敬子の話では来年こそは全国で優勝しようとみんなで誓ったそうで

その為にこうして今から猛練習をしているとの事だった

「マジかよ・・・あの部長・・・これがわかってたから練習に参加させたな・・・!」

慶太の顔からは完全に騙された怒りが露わになっていた

確かにここでは女の子との出会いはちゃんとあったのだが

その出会った女子は全員目に炎を灯しており完全に熱血しているような状態にあった

そんな女子をナンパできるわけもなく結局は練習に付き合うだけの結果となった

「ハァ・・・ハァ・・・チクショ〜・・・

 もう二度とあの部長の言う事は信じねぇ〜・・・!」

慶太は次からはもう部長の言う事は信用しないと言いながらも練習にはちゃんと付き合っていた

そして最後までバレー部の練習についていき夕方にくらいになって練習は終わりを迎えた

「ハァ・・・結局汗だくになるまで練習させられた・・・なんだってんだよ・・・」

慶太は文句を言いながらタオルで自分を汗を拭いていると



「ならもう二度とナンパはしない事ね・・・少なくとも部活のある時は・・・」



それを聞いて慶太は最もだと思いそれからは練習をサボる事は・・・

それなりに無くなったとの事だった

次回はクラス別で学校祭の出し物を決めるよ!

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