忙しい日々
今回は日常回です
全国大会も終わり時期的には秋に入ろうとしていた
この時期はさすがの生徒会でも疲れるほどに忙しい日々だった
「まぁ・・・来月には学校祭も控えているからな・・・文化部はさらに忙しいはずだ」
会長の言う通り文化部に所属している香野達は自分達の部の出し物を考えたりなどしていた
なのでその代わりを二人で何とかしているのだが正直な話かなり厳しいものがあった
「まぁ・・・会長は会長で多分忙しいですよね〜・・・主にあの二人の所為で・・・」
好夜が思い浮かべていたのは元野球部部長と元サッカー部部長の二人だった
おそらくあの二人は絶対に対抗してまともな会議になどなっていないだろう
そしてそのシワ寄せが別のクラスにいる会長にまで来てしまうというわけだ
「ああ・・・まだ一ヶ月近くは時間があるからいいが・・・
正直あそこのクラスはギリギリまで決まらなさそうだ・・・」
どうやら会長の話では全くと言っていいほど会議にすらなっておらず
おそらくは提出期限ギリギリならないと決まってくれないと判断していた
「そういえば生徒会は出し物はしないのは当たり前ですけど運動部は出し物はないんですか?」
すると好夜は自分達が作業をしている時に運動部の出し物はないのかと思っていた
そうでなければ自分達がこんな風に作業をしているなどありえないと思ったからだ
「いや・・・運動部自体の出し物はあるがなんというか・・・
いつも決まっているのを各部の部長がくじで決める事になってるんだ
だから準備期間に入るまでは練習に集中できるようになっている」
どうやら運動部も出し物はあるようなのだが別に自分達で決めるわけではなく
元々決まっている物をくじ引きで決めてそれをやる事になっているそうだ
だから運動部が動き出すのは準備期間になってからになるようだ
「それに俺達の所属するテニス部はそれなりに部員はいるからな・・・
俺達二人がいなくても準備は問題なく進むだろうからこっちを優先する」
それに会長は自分達がいなくてもテニス部ならどうにか出来ると思っているからこそ
自分達がいなくてはならない生徒会の方を優先しようと考えているみたいだ
「ただいま〜!いや〜案外早くに出し物が決まったわ〜!」
そこへ出し物の会議をしていた香野と命が帰ってきた
どうやら部活でやる出し物が決まったそうだ
「えらく早かったですね?一体何をやる事になったんですか?」
好夜はそのあまりに早すぎる決定に一体何が決まったのかを聞く
「やっぱり私達手芸部らしい出し物にしようと思ってね〜・・・
それで自分達の作った服やアクセサリーなんかを売る事にしたのよ!
まぁいわゆるバザーみたいなものかしら?」
どうやら手芸部がやるのば一種のバザーのような出し物をするらしい
「・・・それ・・・かなりレベルが高くないですか?」
しかし聞いている好夜としては何やらかなりレベルの高い事を言われている気がしていた
「そうでもないわよ?これまでに作ったものを売るわけだし
別にこれから大掛かりな何かを作るってわけでもないから準備も飾り付けだけだしね?」
どうやら今から急いで作るわけではなくこれまで作ってきた作品などを売るそうだ
確かにそれならばレベルは高くても元から作られているので問題はないだろう
「でもいいんですか?それって作品とかに提出してるものだから売ったりしたらまずいんじゃ・・・」
しかし同時に好夜はそんな作品を本当に売ってもいいのか疑問に思った
そこまで苦労したのならばとっておきたいと思うはずだからだ
「売るのは実際に入賞したものじゃなくて残り物とかだから別に問題はないわよ
みんなもそう言った作品を持ってくるって話してたし・・・問題があるとしたら値段の方かしら?」
どうやら香野の話では別に賞などをとった作品を売るわけではないのでそこは問題ないようなのだが
むしろ一番困っているのはその商品の値段をどうやって決めるかだそうだ
「あぁ〜・・・確かに材料費と手間賃を入れたらそれなりの値段になりますもんね〜・・・
さすがに高すぎると学校祭で売るには問題がありますし・・・」
バザーなどで出す時も大抵の場合はこの値段をどれくらいにするかで売れ方が決まる
香野達はどれくらいの値段に出来るかそこを迷っていたようだ
「まぁそこら辺に関してはこれから詰めていけばいいんじゃないか?
それよりも足立はまだ来ていないのか・・・確かあいつは演劇部だったか?」
会長はまだ来ていない足立は何をしているのかと思っていた
おそらくは部活での会議が長引いているのだろう
「みたいですね・・・やっぱり何を披露するかで揉めてるんじゃないですか?
確か足立先輩って脚本を担当してるんでしょ?」
足立は演劇部で脚本を担当しているようで演目に関して揉めているのではないかと好夜は考えていた
「でっでも先ほどよっ様子を見に行った時にはとっ特に揉めている様子はなっなかったよ?」
しかし命の話では先ほどもこちらに来る時に様子を見たらしいのだが
その時は特に揉めている様子はなく順調に話し合いが進んでいたそうだ
「ならもうそろそろ来てもおかしくないと思うんだが・・・」
それを聞いて会長はこっちに向かっていてもおかしくはないと思っていると
「すいません!お待たせしました!」
会長の読み通りに足立は慌てながら生徒会室に入ってきた
「別にそこまで急いでくる必要はなかったんだが・・・そんなに会議が白熱したのか?」
勢いよく開けられた扉に会長は驚きながらも会議はもういいのか確認する
「はい・・・とりあえずのコンセプトは固めてきたので後は私が脚本を書くだけです」
どうやらすでに会議の中で色々と決めてきたようで後は脚本を完成させて練習するだけだそうだ
「・・・えっと・・・まだ一ヶ月以上もありますよね?学校祭って・・・」
好夜はあまりの進み具合に学校祭のある時期を間違えてないかと思っていた
「演劇部に関しては演じながら脚本を修正する事があるので早めに作っておくに限るんです」
しかし足立からしてみれば一ヶ月以上あってもむしろ足りないくらいだとも思っていた
「そっそれってすっすごくたっ大変ですね?」
命はそれを聞いて演劇部はかなり大変なのではないかと告げる
「まぁ・・・でもやっぱりいい演目にする為にはそれくらいはしないと・・・
あっ!手芸部にも衣装作りなんかを手伝ってもらいたいと思っているのでその時はお願いしますね?」
((ちゃっかりしてるな〜・・・まぁいいけど・・・))
「まぁ・・・学校祭の話はそれくらいにして今日の生徒会を始めたいと思う・・・
といってもやる事は俺と如月でほとんど終わらせたから後は書類の整理だけだがな」
会長はみんな揃ったので生徒会活動を始めようと告げるが
実を言うとすでに会長と好夜でほとんどの作業を終わらせてしまっていた
なので残っているのは先ほど片付けた書類を整理して各先生方に渡すだけだった
「おぉ〜!さすがに二人とも優秀だね〜!こりゃあ来年も安泰かな?」
それを聞いて香野はこれならば来年の生徒会も安心して任せられると話していた
「いや・・・悪いですけどお二人の穴をそう簡単に埋めるなんて出来ませんからね?」
特に会長の方はと思ったがさすがに口にすると危険な感じがしたので黙っておく好夜であった
こうして今日の生徒会活動は終わり早めに終わったので珍しく今日はそのまま解散する事になった
「う〜ん・・・早めに終わったのはいいが・・・逆に何をしていいか分からなくなったな」
早めに帰る事になった好夜だったが逆を言うと何もする事がなく完全に暇になってしまった
「そっそれならわっ私の買い物につっ付き合ってください・・・!」
すると一緒に帰っていた命が自分の買い物に付き合ってほしいとお願いする
「まぁ暇だしな・・・いいぜ?何を買いに行くんだ?」
特にやる事もないので好夜は快く付き合うと言い何を買いに行くのか尋ねる
「がっ学校祭で売るさっ作品の材料を・・・」
どうやら命は今から学校で売る作品を作るようでその材料の買い出しに付き合って欲しかったそうだ
「それは別にいいけど・・・今から作って間に合うのか?」
好夜はそんな命に対して本当にそれで学校祭当日に間に合うのかと思っていた
「だっ大丈夫です・・・!そっそこまでこっ凝ったものをつっ作るわけではないので」
命もそれに関してはちゃんとわかっているようで別に凝ったものを作るのではなく
簡単なアクセサリーなどを作ってそれを売ろうと思っているそうだ
「なるほどな・・・それじゃあ早速手芸屋に向かうか!」
それを聞いて好夜は納得したようで二人はそのまま手芸屋へと向かった
(・・・そういえば・・・うちの出し物の会議はまだしてなかったな〜・・・何になるんだろ?)
しばらく歩いて二人は目的の手芸屋へとやってきた
「どうだ?ここで目的の物は全部揃いそうか?」
好夜はじっくりと品物を見ている命に目的の物はあったのか尋ねる
「はっはい・・・!こっこれならいっ家にあるのと合わせてなっ何とかなりそうです・・・!」
どうやらギリギリではあるが目的の物はあったようでそれを買って二人は手芸屋を後にした
「目的の物も買ったしそれじゃあ帰るとしますか!」
好夜は買い物も終えたのでそのまま帰ろうかと思っていた時だった
「ん?あれは・・・たい焼きのお店か?」
路上にはたい焼き屋の車が来ておりそれを見ていた好夜のお腹が元気良く鳴った
「あ〜・・・一緒に食べるか?」
命にも少し笑われて好夜は誤魔化すようにたい焼きのお店に向かい二人分のたい焼きを買った
そして二人はそれを食べながら仲良く一緒に帰るのだった
(・・・たまにはこういう和やかなのもいいな・・・少しデートみたいだ)
次回は他の四人のお話を書いていきます




