全国大会
今回は全国大会編です
好夜達は今、島を離れて本州にまで来ていた
その理由は夏の最後を盛り上げる全国大会が開催されるからである
「そしてそれに参加する生徒会長の応援と記録の為に来ているのでした」
なにやら好夜がメタい発言をしているようだが気にせずに話を続けよう
他にもバレー部が全国大会に出ているので敬子もこの本州に来ていた
しかし会場が離れているので泊まっている場所なども違い会えてはいない
なのでバレー部の様子が今、どうなっているのかは分からないのだ
「まぁそっちに関しては晃平や明希音がボランティアで行ってくれてるから大丈夫か・・・」
本当は慶太も一緒に行っているのだがそっちはあてにできないので外してある
「それにしても・・・なんかみんなそんなにやる気があるように見えないですね?」
全国大会なはずなのに出ている選手のほとんどはまるで戦う前から負けているような雰囲気だった
「そりゃあ簡単よ・・・去年の全国大会で優勝した人と準優勝した人の二人が出てるのよ?
こんな中でやる気を出しなさいという方が無理に決まっているでしょ?」
どうしてなのだろうと思っていると後ろから香野が現れて事情を説明してくれた
確かに自分も同じような状況ならばやる気を出せるような自信はなかった
「なんかそれを聞くともう決勝の相手は完全にあの二人って事になりませんか?」
好夜の言う通り同じ場所の予選に出ていた二人なので全国大会では
別々の枠に入れられて決勝戦まで戦う事は出来ないのだが
この二人ならば間違いなく決勝戦まで突き進む事は間違いなかった
「まぁ・・・ありきたりな事を言えばその通りね・・・
おかげで大会に参加してる人達のほとんどは残っている表彰台の1枠を狙っているってわけよ」
どうやら香野の話では本来ならば3枠もあるはずの表彰台なのだが
2枠はもう決まっているようなものなので残りの1枠にみんなは全力を尽くすつもりのようだ
「・・・なんか・・・志が低いとは言えないですね・・・あの二人の試合を見た後だと・・・」
予選の二人を見た好夜からしてみるとあの二人はすでに次元の違う強さを持っていた
そんな二人と戦って勝とうなど生半可な気持ちではとても言えないだろう
「それよりも如月・・・お前は向こうの団体戦を見てこい」
するとそこへ会長が現れて好夜に一年生の団体戦を見てくるようにと告げる
「えっ?どうしてですか?確かにここの人手は足りてますけど・・・」
好夜はどうして会長がそんな事を言うのだろうと思っていると
「お前には来年もその先もあるからな・・・
その時に向けてライバルの試合は見ておいた方がいいだろ?」
確かに会長の言う通り他の試合を記録したりなどしていたので一年生の試合は見ていなかった
(宮園とは本当は試合するはずだったもんな〜・・・車もどんなプレーをするのか見たいし・・・
会長の厚意に甘えて見学に行こうかな〜・・・でも先輩達の試合も見たいし〜・・・)
将来のライバルを見るかそれとも尊敬する先輩を見るか悩む好夜
すると一緒にいた命が好夜の袖を引っ張って何かを伝えようとしていた
「いっ行ってきてください・・・!わっ私もちゃんとがっ頑張りますから・・・!」
どうやら命なりに精一杯、好夜の事を考えてくれていたようで背中を押してくれた
「・・・そっか・・・わかった・・・命の言う通りに見てくるよ」
好夜は命の頭を撫でながら感謝を言って団体戦の方を見に向かった
するとそこではすでに車の学校が試合を始めようとしている真っ最中だった
「おや?君もこちらの試合を見に来たのですか?」
後ろから声を掛けられて振り返るとそこには宮園の姿があった
「ああ・・・会長からのご厚意でな・・・ちょうどよかったよ
あいつの試合は俺もまだ見た事なかったし・・・」
好夜は素直に車の試合を見られてよかったと宮園に告げると
「確かに見ておいた方がいいかもね・・・彼は僕とは全く正反対のプレースタイルだからね・・・」
どうやら宮園はこの試合は好夜にとってとても印象的なものになるだろうと話していた
それを聞いてやはり来てよかったと好夜が思っているとどうやら車の番が来たようだ
「さてと・・・それじゃあ面白い試合を見せてもらいましょうか・・・!」
好夜はそんな風に楽しく試合を見られたのは最初の方だけだった
「・・・いやまぁ・・・確かに面白い試合だったよ・・・ラケットが派手に吹っ飛んで・・・」
そう言って好夜は試合を終えたコートの方を見ていた
内容は正直に言うのならば車がまさしく圧倒的な力の差を見せつけて勝利した
宮園が正確無慈悲な打球を放つのならば車の打球はまっすぐにしか飛ばないが
その分、力の込められたボールを打ち返すのはかなり至難の技だろう
現に先ほどの試合は面白いように相手のラケットが飛ばされていた
(来年・・・俺もあいつの相手をしなくちゃいけないのか・・・逃げたい・・・)
最初は対戦相手に同情していたが来年は自分も相手をしなくてはいけないのかと思って
何やら寒気のようなものを感じていた
「どうだった?僕は彼の試合はまるでサーカスを見てるようで楽しいんだ」
逆に宮園の方は慣れているのかあれをサーカスのようだと面白そうに話していた
「・・・ちなみにだけど・・・宮園はあの打球を毎回返してるんだよな?」
好夜は恐る恐るあれと試合をした事のある宮園にあの打球を返せるのかと確認すると
「そりゃあ返せないとまともな試合なんて出来ないからね・・・最初はかなり苦労したけど・・・」
どうやら宮園も最初は苦労したようなのだが今は平気であれを打ち返せるそうだ
(・・・やっぱりこいつも怪物だな・・・)
それを聞いて好夜は改めて目の前にいる男も怪物なのだと実感していた
(まぁ・・・君も多分一試合もあれば彼の球に慣れるだろうけどね・・・)
逆に宮園の方は好夜もきっと化けるはずだろうと考えて将来を楽しみにしていた
「さてと・・・そろそろ僕の試合も始まりそうだし行くよ・・・それじゃあね」
そう言って宮園は自分の学校の方へと向かっていった
(次はあいつの試合なのか・・・一応は練習でラリーには付き合った事はあるが・・・
あの時はめちゃくちゃ正確に俺に返してきていたよな〜・・・なんか嫌な予感が・・・)
何やら見たくないような雰囲気もあるが絶対に見なければならない気もするので
とりあえずは残って次の宮園の試合を見ていく事にしたのだが
この後・・・彼はやはりこの試合を見なければよかったかもしれないと後悔するのだった
「・・・あはは・・・マジで意味わかんねぇ〜・・・なんなんだ?あれ・・・」
もはや言葉では完全に表現できなくなるくらいに好夜は試合の内容に驚いていた
それほどまでに完璧な試合で相手に思わず同情してしまうほどだった
いくら体勢を崩しても完璧に打ち返されて逆に体勢を崩されていく
そんな試合を繰り返していれば自ずと自分の方が疲れていってしまい
最終的にはもう心の方も折れてしまい試合を続けられるような状況ではなかった
(・・・なんか俺の世代・・・ズル過ぎませんかね?)
好夜はもう戦う前からすでに勝てるような感じがしなくなっていった
「相変わらず相手を寄せ付けもしない試合だったな!」
するとそこへ隣に誰かが現れてそっちを見るとそこには先ほど試合をしていた車の姿があった
「そっちも試合を見に来たのか?」
好夜は自分と同じように宮園の試合を見に来たのかと尋ねると
「まぁな・・・あいつは試合を経る度に進化していく天才だ・・・!
だからこそ!どれくらい強くなったのかとこの目で確認しなければならないのだ!」
どうやら車はライバルである宮園がどれほど強くなっているのかを確認する為に来たようだ
それほどまでに宮園という男は天才であり同時に倒したい相手らしい
「そうか・・・あいつの事、昔から知ってるんだな?」
好夜はその思いがそんなすぐに出来上がったものではないと思い
どれくらいの付き合いなのか聞いて見る事にした
「中学生からの付き合いだからな!毎度の如く大会であっては勝負していた!
まぁ基本的にはずっと俺が負けているのだがな!!」
何やら自慢げに自分の敗北の歴史を語っているがそれでいいのかと好夜は疑問に思っていたが
「俺はその時、自分の代ではもう強い奴はいないと思っていたからな・・・
あいつはそんな俺を壊してくれた生涯で最強のライバルだ!だからこそ勝ちたいのだ!!」
どうやら彼にとってはの強さに救われたらしくそしてその強さに対して諦めるつもりもないようだ
「それに・・・新しいライバルとも巡り会えたようだからな!!」
「いや・・・悪いけどお前らと比べたら俺なんてまだまだだから・・・あんまり期待しないで・・・」
しかし好夜からしてみれば自分は彼らとライバルを名乗るなど烏滸がましいと考えていた
それほどまでに力の差があると彼らの試合を見て感じていたのだ
「そんな事はない!お前は自分の事を過小評価しすぎだ!
まぁ・・・まともに大会で試合をしていなければそう思うけどな・・・
だが!あいつとまともにラリーができている時点ですでに凄い事なんだ!
そしてそんなお前だからこそ来年の大会を楽しみにしている!!」
車はそんな好夜に対して自分の実力を過小評価していると話していた
あの宮園が認めているという事はそれほどまでの力を好夜は持っているという事だ
しかし実際に試合を見たわけではないので本当のところは知らないが
むしろ車はその試合が見られるであろう来年をとても楽しみにしていると話していた
「まぁ・・・とりあえずはその期待を裏切らないように頑張るよ・・・」
好夜はその期待に対してとりあえずは頑張って応えると告げた
するとそこへ試合を終えた宮園がやってきた
「やぁ!車も居たんだね?それじゃあ一緒に行こうか?」
現れて早々に宮園はどこかへ行こうとしていた
「行くってどこに行くんだ?」
好夜は一体自分達をどこに連れて行こうとしているのか尋ねると
「決まっているだろ?もうそろそろ個人戦の初戦が始まるよ・・・あの二人のね?」
次回は会長がいよいよ決勝戦へと挑みます!




