それぞれの部活動
後半にそれぞれの部活動の活躍が出てきます
いよいよ部活勧誘期間が終わり
今日の放課後から本格的に部活が始まることになった
「いよいよ今日からか〜・・・さすがに緊張するな〜・・・」
朝の登校の時から好夜は久しぶりの部活動にドキドキしていた
「そうだな・・・俺もあの部長の下でうまくやっていけるか不安だ・・・」
晃平も野球部の龍間と仲良くやれるか不安に思っていた
確かにあの部長と晃平の性格は真逆なので
うまくやっていけるかの不安はあった
「でも一応勧誘されたんだから大丈夫だろ」
好夜はあの時のあれは部員を手に入れるために
大げさにやっていたのだと思い込むことにし
晃平を不安にさせないようにフォローした
「お〜い!二人とも〜!!」
すると後ろから慶太が嬉しそうな顔をしながらこっちに走って向かってきた
「・・・随分と嬉しそうだな?」
二人とは全く真逆の顔に晃平はどうしたのか聞く
「いやぁ!今日から俺のモテ期が到来するのかと思うと
今朝から興奮しっぱなしでさぁ〜!!」
どうやら慶太が浮かれていたのは今日から部活を始めて
女の子からモテ始める妄想をしていたからだったが
「・・・普通に考えてお前より部長の方がモテるんじゃね?」
好夜は慶太がモテるよりも先に真島に取られるのが先だと思っていた
「・・・一番の敵は身内だったか・・・!」
それを聞いて納得してしまったのか慶太は真島に対して
言い知れぬ怒りをぶつけるのだった
「あんたら朝っぱらから何の話をしてるのよ・・・」
するとそこへ明希音と命を引き連れた敬子が現れた
「安心しろ・・・いつものことだ・・・」
それに対して晃平はいつも通りだと答える
「うるせぇ!男はいつでもモテたいと思うのが普通だろうが!!」
慶太はそう言って抗議するが
「「いや普通に一人が好きになってくれればいい」」
男二人にはその言葉は届くことはなかった
「チクショォォォォォ!お前らなんか大嫌いだぁぁぁぁぁ!!」
全然気持ちが伝わらなかった慶太は涙を流しながら
学校に向かって走って去って行ってしまった
「・・・そういえば気になってたんだけど・・・あいつってモテるの?」
すると慶太が消えた瞬間、好夜は実際に彼がモテるのかを確認した
「う〜ん・・・モテているのかどうかはわかりませんけど・・・
結構人気はありますよ?」
明希音の話ではモテているかはわからないが
クラスではそれなりに男女関係なく人気があるらしい
「でも恋愛には発展しないのよね〜・・・なんでかしら?」
敬子はそんなに人気があるのに
全く異性としては意識されないことに疑問を持っていた
((そりゃあお前がいるからな・・・))
しかし好夜と晃平はその理由についてはなんとなくわかっていた
おそらくだが慶太と敬子はクラスにいても
あの夫婦漫才のような事をやっているはず
それを見てしまったら絶対にこの二人は付き合っていると思うはずである
これがおそらく恋愛に発展しない理由だろう
((((むしろなんで付き合ってないんだ・・・この二人・・・))))
「そういえば敬子は中学と同じバレー部って言ってたよな?
どんな風だったんだ?」
好夜は先ほどまでの部活話を思い出し
敬子が中学の時と同じバレーをすると言っていたので
中学時代はどんな感じだったのか明希音と命に聞く
「えっえっと・・・格好良くて・・・女の子にモテてたよ?」
命の話ではどうやらかなりカッコよかったらしく
同性からすごいモテていたらしい
「「・・・・・」」
それを聞いた男子二人は白い目で敬子を見つめる
「わっ私だって別にモテたくてやってたわけじゃないわよ!!」
その視線を送られた張本人は必死で弁解する
(そりゃあ慶太があんなにモテようとするのも頷けるわな・・・)
そして好夜はなんで慶太がモテることに執着するのか理由がわかった
自分と同じ性格でしかも女子に負けたとあっては
男としては恥ずかしいものがあるだろう
おまけにその相手は幼馴染の敬子ならば尚更だ
だからこそ負けじとモテる為に必死で努力をしていたんだろう
(まぁ・・・その本人はお前にぞっこんなんだけどな・・・)
しかしそのモテている当の本人は別に女子にモテるよりも
慶太といつもいれることの方が嬉しいと思っているはずだと好夜は考えていた
「二人は手芸部だけど中学も同じだったのか?」
好夜は話題を逸らし今度は明希音と命の部活について聞く
「違うよ?私達は中学の時は調理部だったんだけど
そこでそれなりに料理は覚えたから次は手芸にしてみたんだ」
どうやら中学では別の部活だったらしいが
そこではもうやることがなくなったらしく
それで新しい部活をすることにしたようだ
「・・・なんか花嫁修業みたいだな?」
((ぎくっ!!))
好夜にそう言われて二人は思わずビクッとなってしまう
何故なら好夜の言った通り二人がやっているのは花嫁修業だったのだ
中学の時の調理部は料理を学んで好きな人に食べてもらう為であり
今回の手芸部は自分で作った物を相手に身に付けてもらう為だからだ
((でも言えない・・・その相手が目の前にいるなんて・・・!))
しかし二人はその理由を言えなかった
それもそのはず二人の目の前にいる男子二人こそ
彼女達が頑張る為の理由なのだから
そんな人に直接言うわけにはいかず
とにかく話を逸らそうと考えていると
「花嫁修業じゃなくても二人は女子力高いでしょうが・・・
そんな二人が今更そんな事をすると思う?」
敬子がそんな事をしなくても二人は十分に高い女子力を持っているので
花嫁修業をするわけがないと言った
「まぁ・・・それもそうだな!」
好夜はそれを聞いて納得した
「はぁ・・・むしろ私が花嫁修業しなといけない気がしてきたわよ・・・」
すると敬子がむしろ自分が花嫁修業をしないと
いけないのではないかと思っていた
「ほう?それは一体誰の花嫁になるためなのかな?」
すると好夜は誰の花嫁になりたいのか詰め寄っていく
「べべべ別に誰かのお嫁さんになりたいから
やりたいを思ったわけじゃないわよ!!」
恥ずかしくなってしまった敬子は先ほどの慶太と同じく
走って学校に向かってしまった
「・・・さすがにやりすぎたか?」
好夜はさすがに言いすぎたかと不安に思っていると
「別にそんなんでもないだろ?
むしろあれくらい周りが言ってやらないとくっつく気配がしない」
晃平はあれぐらいが丁度良いのだと好夜をフォローした
そしていよいよ放課後になりそれぞれの部活が始まった
「オラァ!もっと腰を落とさないとボールは取れないぞ!!」
野球部では今、内野手の捕球練習をしていた
「よし!次!!」
そして次は晃平の番になった
「行くぞ!!」
龍間が合図をして勢い良く玉を打つ
それを晃平は必死で追いかけ一発でグローブの中に収めた
「どんどん行くぞ!!」
しかし龍間の手は休むことなく玉を打ち続ける
それを晃平は大きな体を生かして取り続けた
「そこまで!!」
そして全てを取り終えて次の番になり晃平は交代していった
「本当に野球したことなかったのか?めちゃくちゃうまいじゃねぇか」
するとそこへサッカー部で練習しているはずの慶太が晃平に話しかける
「どうしたんだ?今はサッカー部も練習してるんじゃないのか?」
晃平は練習はどうしたのか聞くと
「今は部長が紅白戦をやってるんだよ・・・
一年生の俺は外されたからこうして暇してるわけ」
どうやら上級生で紅白戦をしているらしく
それで暇だから話しかけてきたらしい
「そういえば好夜のテニス部ってどこにあるんだ?」
すると慶太は好夜のいるテニス部がどこにあるのかを聞く
「いや・・・そういえばどこにあるんだろうな?」
しかし晃平もどこにあるのかは知らず答えることができなかった
「う〜ん・・・後で先輩達に聞いてみるか・・・」
「別に聞かなくても普通に近くだよ」
「おおぅ?!いつから居たんだよ?!!」
いつの間にか二人の後ろに好夜がいて慶太は驚いて飛び退いてしまった
「それより近くでやってるってどこなんだ?」
そんな慶太を無視して晃平はどこにテニス部があるのか聞く
「ん?普通に体育館の裏だぞ?
野球やサッカーとは違って人が少ないからそこでできるんだよ」
どうやらテニス部が数が少ないようで
体育館裏の狭い空間でやっているらしい
「本当にそんな部に入ってよかったのか?
慶太はそれを聞いてそんな少数しかいない部に入ってよかったのか聞く
「確かに数は少ないけど別に成績は悪くないぞ?
部長はこの前の大会で準優勝してるし」
しかしテニス部は数が少ないだけで
野球やサッカー以上にいい成績を上げていた
「・・・初耳だわ・・・それ・・・」
もちろんその事は二人は全然知らなかったのですごく驚いていた
「てかそんな部活ならこんな所でサボってちゃダメなんじゃないのか?」
するとそんな強豪なのになんで好夜がここでサボっているのか疑問に思った
「実はさっきまで先輩と練習試合してたんだけどコートのネットが切れちゃってさ
替えはないから先輩達がネット買いに行って
今日のテニス部はお休みになっちまったんだよ」
どうやらテニス部でトラブルが起こってしまったらしく
今日の部活はこれで終わりになったようだ
「それじゃあ悪いんだが手芸部に行ってくれないか?」
すると晃平は暇なら手芸部に行ってくれと好夜にお願いする
「・・・いいけど・・・なんで?」
その理由は行ってすぐにわかった
「・・・確かに俺は身長低いですけど・・・
着せ替え人形ではないですよ?!」
手芸部にいった好夜を待っていたの色んな洋服を持った先輩達だった
「そこをなんとか!あなたしかこれを着れる人がいないの!!」
どうやら彼女達は間違って一回り小さいサイズで服を作ってしまったらしく
それを着れるのが背の小さい好夜しかいなかったから
ここへ来るようにお願いしていたようだ
「第一なんで俺が着なくちゃ・・・」
失敗したのなら作り直せばいいのではないかと思い
なんとか逃げようとする好夜の前に
好夜とペアルックの衣装を先に来ていた命の姿があった
「えっえっと・・・似合ってる?」
命は少し恥ずかしそうに似合っているどうかを聞く
しかし好夜は何も答えてはくれない
なぜなら命に見惚れてしまっているからだ
「・・・好夜くん・・・お願いしてもいいかな?」
その隙に先輩は好夜にお願いすると
何も聞いていない好夜は黙って頷いてしまった
そしてその後、命と一緒に何度も服を着せ替えされられ
写真を撮られまくるのだった
ちなみに今回の写真大会は二人をくっつける為だと彼らはまだ知らない
・・・敬子を書きそびれた・・・