幽霊屋敷も掃除が必要
みんなで楽しくお掃除!二回目です!
とある日の夜、珍しく好夜の携帯に連絡が入っていた
それは命からだったのだが珍しいのがその内容が蓮花からのお願いだった事だ
その内容は朝宮の家が保有している屋敷の一つを掃除してほしいとの事だった
ちなみにちゃんとしたバイトとして仕事を渡しているので給料も出るようだ
「しかし・・・蓮花さんからのお願いなんて珍しいな・・・
よっぽどその屋敷に何かあるのか?」
好夜はそんな事を思いながらとりえずはそのお仕事を受ける事にした
そして翌日になり好夜は早速、命の家に向かってみるとそこには何故か晃平達の姿があった
「あれ?みんなも蓮花さんに呼ばれて来たのか?」
どうやら他のみんなも蓮花に呼ばれたようで好夜は
それほどまでの大きな屋敷なのだと思っていると
「すっすいません!おっお待たせしました!」
そこへ準備をした命と蓮花そして実吉が現れた
「それではみなさん・・・どうぞこちらの方にお乗りください」
そう言われて好夜達は実吉が用意したバスの中へと乗り込む
中にはこれから屋敷の掃除で使うであろう掃除用具も乗せられていた
こうしてバスに乗る事一時間くらいで蓮花の言っていた屋敷に辿り着いたのだが・・・
「これは随分と・・・古いですね・・・」
そこを見た全員が思ったのは掃除をするよりも建て直した方が早いのではないかという思いだった
「ええ・・・ですがこれでも名のある屋敷なのでそんな簡単に建て直すわけにもいかないの・・・
それに・・・来週から海外のお客様がここで過ごしたいと申していてね・・・
本当はちゃんとした業者にお願いするのがいいと思うのだけど
どうも来週までには間に合わなくてね・・・それであなた達に頼む事になったのよ」
どうやら蓮花さんの話ではこの屋敷に泊まりたいという海外からのお客さんがいるようで
そのお泊りの為に好夜達にこの屋敷をしてほしいとアルバイトを頼んだのだ
「話は分かりましたけど・・・正直、俺達で大丈夫なんですか?自信はないですよ?」
「大丈夫ですよ・・・見た目さえよければ後は気にしませんから・・・」
そう言って蓮花は再び実吉が運転するバスへと乗り込んでどこかに行ってしまう
どうやらこの後にそのお客さんとの会合についての打ち合わせをするそうだ
「ハァ・・・なんか面倒な事に巻き込まれた気がするが・・・受けた以上はちゃんとやるか・・・」
こうして彼らによる幽霊屋敷の大掃除が始まったのだった
「しかし・・・入ってみると改めてそのヤバさがわかるな・・・」
屋敷の中に入って最初に待っていたのは色々な虫の巣と埃だらけになっている天井や床だった
「確かにこの大きさで掃除をするとなるとこれぐらいの人数は必要だな」
そう言いながら晃平は先ほど持たされた掃除道具を奥
「とりあえずは担当を分けましょう!私達は二階を担当するから
あんた達は一階を徹底的に掃除しなさい!」
敬子の提案で二手に分かれてそれぞれの場所を掃除する事になった
そんな中で何故かやたらと怯えている慶太の姿があった
「どうしたんだよ?そんなに怯えてたら掃除が進まねぇぞ?」
好夜は一体何にそんな怯えているのかと尋ねると
「だってよ〜・・・ここって何年も昔からある屋敷なんだろ?
だったらいわゆる例のアレとかがいてもおかしくないわけじゃん・・・!」
どうやら慶太はここにもしかしたら幽霊とかの類がいるのではないかと怯えているようだ
「まぁ・・・いる可能性としては十分に高いだろうな・・・」
好夜は肯定するわけでもなく否定するわけでもなかった
それを聞いて慶太は先ほど以上に怖がってしまいほとんど仕事が手につかなくなってしまう
(それにしても・・・思った以上に汚れてるな〜・・・埃はまだいいとしても
問題はこの染みになってしまっている汚れか・・・さすがに落ちないよな〜・・・)
好夜は消せない染みに関してどうしようと考えながらとりあえずは落とせる汚れを落としていく
そうして掃除を続けていたのだがここで一つの問題が出てきた
「・・・これは・・・さすがにひどいな・・・」
そう言っていた好夜達の前に現れたのはカビだらけになっている洗面所だった
「こっちのトイレも似たようなもんだな・・・これはきつそうだ・・・」
晃平が担当するトイレの方も予想以上に汚れているようで
二人は覚悟を決めて掃除しなければならないと思っていた
「うぅ・・・!さすがに手袋しててもネチョネチョして気持ち悪ぃ・・・!」
手が凄まじい不快感に襲われているがそれでも掃除をする手を止めない好夜
その甲斐もあってか洗面所の方は予想以上に捗っておりかなり綺麗になっていた
「ふぅ・・・だいぶ片付いてきたな〜・・・これなら今日中には終わりそうだ・・・!」
好夜は額の汗を拭いながら全体を見て今日で終われそうだと安心していると
「みなさ〜ん!ちょうどいい時間なのでお昼にしませんか〜?!」
居間の方から明希音の声が聞こえてきて好夜は掃除を止めて一度そちらに向かう事にした
「お昼つってもどこかに食べにいくのか?
さすがにここをそのままにするわけにはいかないだろ?」
慶太はお昼と言ってもどうするつもりなのかと明希音に尋ねる
「それなら先ほど実吉さんが出前を頼んでくれたようでもうそろそろ・・・」
そう言った瞬間に玄関の前に誰かが来た音が聞こえてきて晃平が出前を取りに向かう
「どうやらみんなの分のそばを頼んでおいてくれたみたいだな・・・
ちなみのお金はすでに支払ってくれていたらしい」
晃平はそう言いながら貰ってきたそばをみんなに渡していく
「それにしても・・・随分とここ汚れたわね・・・」
敬子はそばを食べながら先ほどまでの掃除についてを話していた
どうやら二階の方もこちらと同じくらいに汚れていたようだ
「おまけにトイレなんて最悪だったわよ・・・
これからそこを掃除しなくちゃいけないのかと思うと・・・憂鬱になるわ・・・」
二階の方はこれからトイレの掃除を始めるらしくそれを想像した敬子は憂鬱な顔をしていた
「とりあえずは夕方までには終わらせないとな・・・何か出るかもしれないし」
「・・・変な事、言うのやめてもらっていい?」
どうやら敬子も掃除をしている時にそんな事を考えていたようで震えていた
「なっ何ビビってんだよ?おっお前も随分とかっ可愛らしいとこあっあるんじゃねぇか・・・!」
それを見た慶太が威張るように敬子を挑発するが震えている体を隠せていない
(・・・午後の作業・・・こいつら大丈夫なのか?)
せめて夕方になる前に掃除を終わらせないと確実に使い物にならなくなると判断した好夜は
何としても早めに掃除を終わらせようと決心するのだった
「さて・・・そばも食べ終わったし・・・そろそろ掃除に戻るか・・・」
晃平の言葉でみんなはそばを片付けて再び掃除に戻っていく
好夜も先ほどまでやっていた掃除の続きを始める
しかし洗面所の掃除が終わってから一つの問題が出てきてしまった
「・・・もしかしてこれ・・・排水口とかもヤバいやつかな?」
そう・・・それは排水口などパイプの部分はどうなっているのかというものだった
実際に気になったので調べてみるとやはり変な匂いが漂ってきていた
「やっぱり排水口なんかも汚れてたか・・・パイプクリーナーとか持ってきてたかな?」
好夜は持ってきた掃除用具の中にパイプクリーナーがあるかどうかを調べに向かうと
困ったような顔で階段を降りてくる命の姿があった
「どうしたんだ?上で何かあったのか?」
好夜は一体何に困っているのかを尋ねる
「じっ実は一つだけあっ開かない部屋があっあるの・・・!」
どうやら命の話では自分の担当していた部屋の中に開けられない部屋があったらしい
明希音や敬子も開けようとしたらしいのだがそれでもビクともしなかったようだ
「そんな部屋があったのか・・・わかった・・・俺が見てきてやるよ」
話を聞いた好夜はその二階へと上がってその部屋を見に行く
その部屋は二階の一番奥の部屋でいかにも何か出てきそうな雰囲気を醸し出していた
(・・・開かないのって封印されてるから・・・何てないよな?)
「・・・ちなみに確認するけど・・・マジで開けても大丈夫な部屋?」
好夜は本当にこの部屋を開けてもいいのか確認し覚悟を決めて扉に手をかける
「・・・なるほど・・・敬子でも開けられないって言ってたけど本当みたいだな・・・
しかしこの固さ・・・部屋の方から何かが邪魔してるな・・・」
別に扉はビクともしないわけではなく少しだけ開いてそこから動かなくなるので
好夜は部屋の中で何かが明けるのを邪魔しているのだと思っていた
「う〜ん・・・扉を開けるとなると中から原因をどうにかしないとな・・・
この部屋って外に窓とかあったっけ?」
どうやっても開けられない好夜は外からどうにかして部屋に入る必要があると考え
窓から入ろうと思いどこにあるのか確認すると
「えっえっと外にあるけどあっ上がる方法はないよ?」
どうやら窓がある場所は屋根から降りる以外の選択肢はないようで
しかもその為に必要な物が一つもないらしいのだ
「マジか・・・さすがに蹴破って突入するわけにはいかないよな・・・」
好夜は屋上から飛んで蹴破り部屋の中に入ろうと考えていた
「えっ?そっそれくらいならたっ多分大丈夫だよ?」
すると命は窓を割るくらいなら別に問題はないと話していた
「・・・マジで?」
こうして好夜は屋根から飛んで窓を蹴破り部屋の中へと入る事になった
「・・・入ったのは良かったんだが・・・真っ暗で何も見えないな・・・」
部屋の中へと入れた好夜は明かりを探して周りをウロチョロしていると
「へっ?」
何かに触れて目を凝らして見てみるとそこには人の顔があった
「・・・これ・・・慶太とかが見てたら気絶してるな・・・俺もびっくりしたけど・・・」
好夜はすぐにこれが人形だと分かり叫び声などは挙げなかったが
普通はどうしてこんなに大きな人形がいるのだと焦るはずなのだが・・・
「ハァ〜・・・何とか開けられた〜・・・」
こうして好夜は扉を開けてみんなを中に入れるようにした
その間にみんなも他の場所を掃除を終えていたようですでに部屋の前に集合していた
「それじゃあ早速この部屋を掃除しましょう!」
そう言って敬子と慶太が勢い良く部屋に入っていった
「あっ!先に言っておくけどその部屋にはに」
「「ギャァァァァァ?!!」」
「人の話は最後まで聞けよ・・・」
等身大の人形って・・・よく見えないと怖いよね?




