表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/204

プレゼントは毎回悩むもの

今回はサブキャラのお話です

朝起きて好夜は日課であるニュースを見ようと

リモコンを使ってテレビをつけようとしたのだが

(あ〜・・・電池が切れてるよ・・・)

どうやらリモコンの電池が切れてしまったようで

好夜は予備の電池がないかと漁ってみるが残念ながら残ってはいないようだ

「しょうがない・・・買いに行くか・・・」

好夜は仕方なく着替えて電池を買いに向かったのだが

この時はまだ彼は知らなかった・・・この買い物が想像を絶するほど長い時間が掛かる事を・・・

好夜は最初に近くにあったコンビニに向かったのだがどうやら電池は売り切れていたようだ

仕方ないので今度は近くにあった電気店まで来たのだがどうやら定休日だったようで閉まっていた

(・・・今日・・・厄日か?)

こうも連続して電池を変えないとなるとさすがの好夜も怖くなってきていた

そんな不安を抱えながら次に来たのはショッピングモールだった

ここならば必ず売っているだろうとお店に入った時だった

「ん?あれって・・・生徒会長?」

お店に入ってすぐにある化粧品をじっと見ている生徒会長の姿があった

もちろん男である彼が使うわけではないだろうと思いすぐに誰かへのプレゼントだと分かったのだが

さすがに誰に上げるのかまでは分からないので近づいて聞いてみる事にした

「会長、何を探しているんですか?」

好夜に声を掛けられてようやく会長は気が付いたようだった

「如月か・・・実はきみ・・・香野の誕生日プレゼントを買いに来たんだが・・・

 何がいいのか分からなくてな・・・」

どうやら会長は香野に渡すプレゼントを買いに来たようなのだが

やはり女性に対してのプレゼントだからなのかどう言う物を渡せばいいのか悩んでいるようだった

「確かに女性へのプレゼントって悩みますよね〜・・・てか先に本人に聞かなかったんですか?」

好夜は直接的ではないにしても欲しいものを聞かなかったのか確認すると



「あいつがそんなまともに答えると思っているのか?」



「・・・なんかすいません・・・」

好夜はなんとも居た堪れない雰囲気を気にしたのかプレゼント選びを手伝う事にした

「香野先輩の好みとかってどんななんですか?」

最初に好夜は今後のプレゼント選びの参考とする為、香野の好きな物を確認するが

「悪いな・・・俺も基本的にかわいい物が好きという以外は特に何が好きなのか分からないんだ・・・」

会長はそこまで買い物などに付き合った事がないのでよくは分からないそうだ

だからこそ先ほどまで化粧品を可笑しいほど吟味していたのだろう

「こういう時は女性に聞くのが一番なんですけど・・・さすがに聞きづらいな・・・」

いかに女性に対してのプレゼントだとしてもどんなのがいいのか女性店員に聞くにはかなりの勇気がいる

しかし残念ながらこの二人にはそんな勇気を持ってはいなかった

「かといって・・・他に頼りになりそうな人はいませんしね・・・」

今の彼らにとっては他に頼れる人物はこの場にはおらず

やはり仕方ないので女性店員に話しかけようとした時だった

「すいませ〜ん!ちょっといいですか?」

近くにいた女性店員は別のお客さんに取られてしまい相談する事が出来なくなってしまった

「・・・しょうがない・・・直接ではないから不安が残るけど・・・電話するか・・・」

好夜はここで何もしないよりはマシだろうと思い電話でプレゼントの相談をする事にした

(・・・っとそういえば命は久しぶりに蓮花さんと買い物だったけ?

 じゃあ邪魔するわけにはいかないし・・・最初は敬子からにするか・・・)

命に相談しようとも思ったみたいだが大切な用があったのを思い出し

邪魔をしては申し訳ないと好夜は敬子に連絡を取ってみる事にした

『・・・もしもし?どうしたの?』

敬子が電話に出ると好夜はプレゼント選びを手伝って欲しいと事情を説明する

『なるほどね・・・それなら最初に化粧品を上げるって考えはやめた方がいいわよ?

 やっぱり合う合わないの問題があるしもし使えなかったら申し訳ない気持ちになっちゃうしね?』

確かに敬子の言う通り使えるかどうか分からない化粧品をプレゼントしても嬉しくはないだろう



『あっ?お前ってそんなに化粧とかしてたっけ?』



『・・・ごめん・・・ちょっと離れるわ・・・』

そう敬子が告げて電話から離れた後、遠くの方から知っている叫び声が聞こえてきた

(・・・何でいるかは知らないが・・・ご愁傷様・・・)

好夜はその叫び声の主である慶太に対して静かにお祈りを捧げるのだった

『・・・用は済んだわ・・・それでプレゼントなんだけど・・・贈る相手の好みは分かるの?』

何事もなかったかのように帰ってきた敬子はやはり好みの物を渡すべきだと告げる

しかし好みである可愛い物など探せばいくらでも出てきてしまうのだ

そんな中でどれが一番いいかを決めるなど男子にとってはかなり厳しい事だと言えるだろう

とりあえずは可愛い物が好みのはずだと敬子に告げると何やらかなり唸っていた

『私はそう言った可愛い系は知らないからな〜・・・

 やっぱりそう言うのは命か明希音に聞くのがいいと思う』

敬子は自分ではこの先は役に立たないから可愛い系に関して命か明希音に尋ねるように言われてしまう

「そうだな・・・悪かったな急に電話して」

好夜はお礼を告げて電話を切り次に先ほど言っていた明希音に連絡を試みる

『・・・はいもしもし?好夜くん?』

電話に出た明希音に好夜はこれまでの経緯を説明してプレゼントのアイディアを出してもらう

『う〜ん・・・私も部長がどんな物を贈られたら嬉しいか分からないな〜・・・

 基本的に何でも可愛いっていう人だから・・・』

どうやら同じ部活に所属している明希音でも香野の欲しい物に関しては分からないようだ

二人はそれを聞いて落ち込んだ様子でいると明希音は何かを思い出したようで声を上げる

『そういえば確かショッピングモールに出来た新しい小物を売っているお店に興味を持ってた!

 そこで買った物なら喜んでもらえるんじゃないかな?』

明希音の話では今、二人がいるこのショッピングモールの中に

小物を売っているお店がオープンしたようでそこの物に興味を持っていたと教えてくれた

「小物か・・・確かにそれならば邪魔にならないし金銭的にも余裕があるな・・・」

会長もその話を聞いて乗り気になったようで二人は早速、そのお店に向かったのだが・・・



「・・・これはさすがに予想してなかった・・・」

二人がそのお店に着いた時

見えてしまったのは一面がピンクでファンシーな感じがしているお店だった

「・・・マジでここでプレゼントを探すんですか?」

正直、ここまで乙女チックなお店となってしまうと男性二人としては入る事すら躊躇ってしまう

「しかし・・・こんなお店ならば香野の喜びそうな物があるだろう・・・

 それならば・・・こんなところで尻込みをしている訳にはいかない・・・!」

何やらカッコイイ事を言ってはいるのだが単純にお店に入るかどうかを迷っているだけである

二人は覚悟を決めて可愛いお店の中へと入っていく

もちろんお店の中にいるのはカップルか女性だけで男性だけのお店はいない

かなり恥ずかしい思いをしている事に変わりはないがそれでも二人はプレゼントを探していく

「・・・これはどうですかね?」

好夜は手元にあった小物入れを見せるが会長はどうやらそれではないと首を振る

「あいつはそう言った小物入れは結構持っているからな・・・

 それをさらに増やすわけにはいかないだろ・・・

 というかさっきから気になっているんだが・・・」

そう言って会長が見ていたのはカップルで来ていた客だった

どうやら彼氏の方が彼女にアクセサリーをプレゼントしようとしているみたいだ

「やっぱり女性としてはそう言った物の方がいいのだろうか?」

会長はプレゼントとしてアクセサリーを考えているようだ

「まぁ・・・ネックレスかブレスレットぐらいならもらってくれるんじゃないですか?

 それならそこまでお金がかかるわけでもないでしょうし・・・」

好夜もそこら辺ならばお金に優しく相手も貰いやすいのではないかと考える

「それじゃあそこのアクセサリーコーナーでそれらしいものを探すか・・・」

そう言って会長がアクセサリーの売っている場所へと向かおうとした時だった

「あれ?こんなところで何してるの?」



二人はその声を聞いて後ろを振り返るとそこには香野の姿があった

「・・・お前こそどうしてここに・・・?」

なんとか平静を装いながら会長はどうしてこの場に香野がいるのか尋ねる

「実はこのお店に前から来てみたかったからね・・・それで?二人は何してるの?」

そう聞かれて二人は何と答えるべきなのか言い淀んでしまう

(さすがに本人を目の前にして誕生日プレゼントを探しに来たなんて言えないしな〜・・・)

好夜はどう言って誤魔化せばいいのか考えていると

「・・・お前の誕生日プレゼントを買いに来たんだ・・・」

まるで諦めたかのように会長は素直に白状した

あっさりと白状された香野は目を見開いて驚いていた

それほどまでにありえないと事だと思っていたのだろう

そんな香野に会長はゆっくりと近づいていく

「だが・・・正直お前が何で喜ぶのか全く見当がつかない・・・だから何が欲しいのか教えてくれ」

もはやその行動はどこからの恋愛ドラマかと思うくらいの出来事で

買い物に集中していた他のお客ですらその様子を見ていた

「・・・うっうん・・・わかった・・・」

香野は真っ赤になっている顔を必死で隠しながら自分の誕生日プレゼントを買ってもらう事にした

(・・・こりゃあ俺はお邪魔かな?)

その二人の様子を見て好夜は自分はもういらないだろうと思い静かにその場を後にする

(ハァ・・・なんか随分と長い一日だったな〜・・・)

気がつけばいつの間にか時刻はすでにお昼ぐらいにまでなっており

好夜としてはかなり長い買い物になったと思っていた

(・・・ん?買い物?・・・そういえば俺・・・何しにここに来たんだっけ?)



「・・・あっ・・・電池買いに来たんだった・・・」

人の買い物に付き合うと自分の買い物を忘れる

・・・よくあるよね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ