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休日に友達の家に行こう!(女の子の家)

新しいキャラが出てきます!

目立った学校の行事が終わりようやく休みらしい休みが取れ始めた好夜

そんな彼はとりあえず失ってしまったであろうお金を稼ぐ為にバイトをする事にした

その最初のバイトとして選んだのがイベントのスタッフだった

これはバイトをしている先輩から誘われた仕事だったので断りにくく

おまけに日給も良かったので断る理由が見つからなかった

(まぁ・・・最後にあの二人の買い物に付き合ったわけなんだけどな・・・)

そして最後にはそのイベントに来ていた晃平と明希音の買い物に付き合ってあげたのだ

(デートか・・・まぁ絶対にあれは晃平が面倒になっていっただけだろうけど・・・

 なんかああいうの聞くと自分もしたくなるよな〜・・・)

その時に好夜が誰の事を思い浮かべてデートをしているのか言わなくてもわかるだろう

「・・・でもまだ金も貯まってないしもうちょっと我慢するか〜・・・」

どうやら好夜にはお金を貯めた後で何かを考えているようで

その為に命に会いに行くのすらも禁止しているようだった

しかし彼がどうしてそこまでしてお金を貯めようとしているのか

それはこのお話の後半になればきっとわかる事だろう

「とりあえず明日はどうすっかな〜・・・バイトもないしな〜・・・」

好夜は明日の予定に関して何も決まってはおらず何をしようかと考えていると

ケータイが鳴っていたので見てみると命からメールが来ていた

その内容は明日、もしも暇ならば家に来て欲しいとの事だった

(命が自分から誘ってくるなんて珍しいな?何かあったのか?)

好夜は命がこんな風に自分から率先して家へと招くのは珍しく何かあったのではないかと思い

心配になったのでもちろん返事はわかったと返した

(う〜ん・・・やっぱりあの爺さん関係なのか?いやでもまだ出張だったはずだよな?

 だとしたら残された可能性としてあるのは実喜さんが休みになったのか?

 でもそれだったら俺だけじゃなくみんなにも連絡するよな?)

好夜は色々と命が自分を呼び出した用事に関して色々と考えながら夜が明けていった



翌日になり好夜は迷惑かとも思ったが朝早くに命の家へと向かってみる事にした

「う〜ん・・・マジで一体、何のようなんだ?」

結局、あれからどんな用事なのかと考えてはみたものの答えは何も浮かばなかった

そんな事を考えている内にいつの間にか命の家にたどり着いてしまったのだが

何か様子がおかしい事はすぐに気がついた

(・・・何つうか・・・強者の気配がするんだけど・・・)

一般人であるはずの好夜ですら命の家から放たれている異様な気配に気がついた

そしてそんなものを放てる人間は命の周りに一人しかいない事も・・・

「・・・とりあえず・・・どうして命が俺を呼んだのだけはわかったな・・・」

好夜は命が自分を呼び寄せた理由に納得していた時だった

「あら?ではその理由について教えてもらってもいいですか?」

急に後ろから声を掛けられた好夜はその場から飛び退いてしまうほど驚いていた

「ちょっ?!急に後ろから声を掛けないでもらってもいいですかね?!蓮花(れんか)さん!」

そう言って好夜が後ろを見てみるとそこにいたのは命の祖母である蓮花だった

「そこまで露骨に気配を消していたわけではないのですが・・・

 驚かせてしまったのならごめんなさい?」

怒られた蓮花は素直に謝っていたが好夜からしてみるとまたやるんだと思っていた

「それで?命があなたを呼んだ理由がわかったとおっしゃっていましたけど・・・

 その答えをここで聞いても構いませんか?」

蓮花は先ほどの話について忘れていなかったようで好夜にその答えを聞く

「理由も何も・・・あなたが俺を呼んだんでしょ?

 命の近況を聞きたくて・・・」

好夜はおそらくは命が自分を呼んだのではなく蓮花が自分を呼んだのだと思っていた

その理由は命のこれまでの近況を教えてもらう為

その答えを聞いた蓮花はとても嬉しそうな顔をしながら玄関の扉を開けた

「わかっているのならばいいです・・・さぁ・・・中でお話を聞かせてもらいましょうか?」



(ハァ・・・正直この人は爺さん以上に苦手なんだよな・・・)



「いっいらっしゃいませ・・・こっ好夜くん・・・!」

家にはいるとすぐに命が出迎えてくれたのだが一緒に蓮花がいた事に関しては驚いていた

「それじゃあゆっくりと命ちゃんのお話を聞かせてもらってもいいかしら?」

今に案内されお茶が出されるとすぐに蓮花は命の近況について尋ねてきた

「別にいいですけど・・・お爺さんから話を聞いたりとかはしてないんですか?」

好夜はあの祖父の事だから命の事を話してないわけはないと思っていたのだが

「確かにあの人からも孫の事については聞くんだけど・・・ねぇ・・・」

蓮花の困った顔を見て好夜はすぐに悟った

おそらくあの祖父は命の事を事実よりもさらに盛って話をしているので信用できないのだろう

だからこそ本当の事についてを好夜に聞きたいと思っていたのだ

「それに・・・久しぶりにあなたの顔も見たかったしね・・・」

それを聞いて好夜は少しだけ納得がいったような顔をしていた

(そっか・・・そういえばこの島を出てから会ってなかったんだもんな・・・)

好夜は中学の三年間を全て旅していたので彼女らに会う事がなかったのだ

そんな孫の友人が帰ってきたというのだから様子を見たいと思うのは当然な事だろう

「すいません・・・あの時は黙って出て行ってしまって・・・」

好夜は何も言わずに島を出て行ってしまったので申し訳なく思っていたようだ

しかしそんな好夜に対して蓮花は首を振ってその謝罪を否定した

「あなたが謝る事はありませんよ・・・島だけではなく世界にも興味を持つ事はいい事です・・・

 それに・・・ちゃんと約束を守って戻って来た人間を怒ったりなど私はしませんよ・・・」

蓮花は好夜が島を出て行った事を悪い事とは思っていなかった

むしろちゃんと約束を守って帰ってきたのを褒めてすらいた

「おまけに私にはあなたに対して叱る資格はありませんよ・・・

 約束した本人が許しているんですからね?」

そう言って蓮花が見ていたのは他でもない命本人だった

「おっお婆ちゃん!」



「おっと!つい余計な話をしてしまいましたね・・・

 それでは最近の命の近況について教えてもらいましょうか?」



(この人も意外とイタズラ好きだよな・・・)

好夜は苦笑いしながらも蓮花に命のこれまでを話した

生徒会に入った事や祭での舞の事そして大会での手伝いなど

それは聞いている蓮花からして見ればとても驚くべき変化でもあった

しかしそれは別に嫌な意味などではなくむしろ喜ばしい意味という理由でだ

(まぁでも・・・少女は恋をすれば変わると言いますからね・・・)

蓮花は孫の想い人を見ながら彼が変わった理由なのだと理解していた

そして同時にそれに嫉妬してしまう自分もいる事を蓮花は知っている

それはそうだろう

今まで大切に思っていた孫をそんなに簡単に変えれてしまう存在がいるのだ

それに嫉妬しない家族は普通はいないだろう

(まぁ・・・それ以上に感謝の想いが強いですけどね・・・私は・・・)

蓮花に関しては好夜に対して嫉妬以上に感謝の心があるためそこまで思ってはいないが

祖父に関してはおそらく好夜の事をかなり恨めしく思ってはいるだろう

(でも・・・あの人も命に嫌われたくはないでしょうからそこまで無下にもしないでしょう)

絶対に命にだけは嫌われたくはない祖父なのでおそらくは好夜に対して嫌がらせをする事はないだろう

いや・・・そんな事をしなくてもすでにいき過ぎた愛情の所為で避けられてはいるが・・・

「ふふ・・・随分と高校生活を満喫しているのですね?命」

蓮花の言葉を聞いて命は恥ずかしさからか顔を真っ赤にして伏せてしまう

「・・・そして・・・やはりあの人からも色々と話を聞く必要がありそうですね・・・!」

先ほどの穏やかな顔から一変し今の蓮花からは阿修羅のようなオーラが滲み出ていた

その時にどこかの場所では老人が異様な寒気を感じていたとか・・・

(・・・自業自得だな・・・)

しかし好夜は自業自得だと諦める事にした

「話が逸れてしましましたね・・・そういえば時間の方は大丈夫なのですか?」

話を戻した蓮花は好夜に門限の方は大丈夫なのか確認する



「大丈夫ですよ?親には命の家に行ってくるって話したんで」



「そうですか・・・では少しだけ席を外させてもらってもいいですか?」

蓮花は何かを思いついたように居間から出て行ってしまう

好夜はもしかして祖父に何か言いに行ったのではないかと思っていたのだが

帰ってきた蓮花から発せられた言葉は驚愕のものだった

「好夜くん・・・先ほど親御さんからの了承を経たので今日は泊まっていってください」



「・・・はいぃぃぃぃぃ?!!」



まさかの急展開に好夜は頭がついていかなかったがとりあえずは何を言っても無駄だろうと思い

諦めて結局その日は命の家に泊まる事となった

(・・・もしかして蓮花さん・・・命の様子を見る以外に何か理由があって帰ってきたのかな?)

いつもの蓮花ならばここまで強引な手を使ってくる事はほとんどなく

好夜はもしかして何か別の理由があって帰ってきたのではないかと予測していた

(しかし・・・この人は相変わらず読めないな〜・・・)

そんな事を思いながら好夜は命が作ってくれたご飯を食べていた

「おいしいな!おかわり!」

好夜はあまりの美味しさにおかわりを要求し命は嬉しそうにお椀に盛り付ける

そしてそんな二人を蓮花は微笑ましそうに眺めていた



その翌日、好夜は結局、蓮花が何をしたくて自分を呼び寄せたのか分からずにいると

インターホンが鳴り好夜は急いで玄関に向かうとそこにはスーツの女性が困り顔で立っていた

「あら?やっときたのですか?」

どうやらその人は蓮花のマネージャーだったようで実は作品展の期限が迫っているのに

姿を消してしまった彼女を探していたそうだ

(なるほど・・・つまり蓮花さんは創作意欲を掻き立てる為に帰ってきたのか・・・)

完全に巻き込まれたと思っている好夜はやはり蓮花の事を苦手だと改めて思うのだった



「ああ・・・作品展が終わったらまたしばらく家にいますのでいつでも遊びに来てね?」



(・・・マジか〜・・・)

命の祖母、蓮花

あらゆる意味で好夜が敵わないと思う人物だった

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