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飯を賭けた戦い

今回のメインは慶太と敬子です

それはとある日の事、いつもの通りに学校へと登校していた時だった

「ハァ〜・・・」

みんなで楽しく歩いていたかと思いきや何故か朝から慶太がため息を吐いていた

「どうしたんだ?いつもみたいにバカ騒ぎしないのは珍しいな?」

晃平はいつもの調子が出ていない慶太を見て何があったのかと聞く

「お前・・・俺を何だと思ってるんだよ・・・

 実はお袋が昔の同級生と旅行に行っててよ・・・

 朝ごはんはコンビニでよかったんだけど昼と夜がな〜・・・」

どうやら慶太の母が旅行に行ってしまったようでご飯をどうしよかと悩んでいたようだ

「昼は学食、夜はファミレスとかでいいんじゃないのか?」

好夜は普通にどちらも飲食店で食べればいいのではないかと思っていたのだが

「それがよ〜・・・お袋の奴、俺の食費を置いていくの忘れやがったんだよ・・・」

残念ながらその飲食店で食べるお金を忘れられてしまったようで

彼の財布の中にもそんなお金はなかったのだ

「そりゃあ災難だったな・・・なんだったら昼は俺が奢ってやろうか?」

それを聞いた好夜はなんだか居た堪れなくなったので昼を奢ろうと提案する

「やめておいた方がいいわよ?こいつかなり食べるし」

すると敬子が奢りとなるとかなり持っていかれると忠告をする

「大丈夫だろ?昨日ようやくバイト代が入ったばっかりだし」

どうやら好夜はバイト代のおかげでかなり財布は裕福になっているようなので大丈夫だと告げる

「好夜様!お荷物を教室までお持ちしましょう!」

なんともまぁ分りやすい態度を示す慶太に好夜は苦笑いを浮かべ

敬子に関してはまるでゴミでも見るような蔑んだ目をしていたのだった

しかしこの時の彼らはまだ何も知らなかったのだ

この慶太の昼と夜の食事を賭けてあんな出来事が起こってしまうなど・・・

「・・・なんかすごく嫌な何かを言われた気がするんだけど・・・」



こうして待ちに待ったお昼時間となり慶太と好夜は学食まで向かったのだが

「・・・なんでしまってるんだ・・・」

何故か食堂がしまっておりシャッターにはコンロの故障と書かれていた

「・・・つまりこれって・・・売店に行かないとダメなやつか・・・!」

二人は急いで売店に向かうと既に長蛇の列ができており

とても昼の物を買えるような雰囲気ではなかった

「ああ〜・・・どうする?俺の弁当を半分分けるか?」

好夜はとりあえずの対策として自分の持って来た弁当を分けるかどうか尋ねるが

「いや・・・多分それだけじゃ足りないだろうからいい・・・お前だけ食べろ・・・」

慶太からして見ればおそらくそれだけでは足りないと思い諦めるような表情を浮かべていた

「・・・あんたら・・・何してんの?」

するとそんな二人の前に敬子が現れて事情を説明した

「なるほどね〜・・・それじゃあ私のお弁当でもあげようか?」

話を聞いた敬子は何故か二つ持っていたお弁当の一つを渡そうかと尋ねる

「何で二つも持ってるんだよ?お前も大食漢か?太るぞ」

慶太はどうしてお弁当を二つも持っているのかとかなり失礼な感じで聞いてきた

「失礼ね!今朝は料理の勉強も踏まえてお母さんと一緒に作ったら量が多すぎたのよ!」

どうやら敬子の話では母と一緒に作ってしまったようで二人分になってしまったそうだ

「それで?どうするの?食べるの?食べないの?」

敬子はとりあえず慶太にこのお弁当を食べるのかどうかと尋ねるが

何故か慶太はお弁当を睨みつけたまま返事を先延ばしにしていた

(・・・どうする?・・・確かに俺は今、喉から手が出るほどあのお弁当が欲しい・・・

 だが・・・あいつの事だ・・・おそらくはタダではくれないだろう・・・!)

どうやら慶太はお弁当をもらった後に待っているであろう仕打ちに関して考えていたようだ

しかし当の本人はそんな事を一切、考えて作ってなどいなかった

何故ならばこのお弁当は慶太に食べてもらう為に作ったものだったからだ



実は慶太の母が旅行に行く少し前に敬子に連絡が来ていたのだ

それは自分の息子の為にご飯を作ってくれないかというものだった

最初は敬子も断ろうと思ったがお礼もすると言われて敬子は仕方なく受ける事にした

そして本当は母に作ってもらおうとも考えていたのだが

これを期に料理の練習をして欲しいと母は思ったようで

こうして敬子の手料理お弁当が作られたのだった

(まっまぁ・・・!おば様にお願いされたことだし?仕方ないわよね?)

なにやら必死で言い訳のようなものを考えている敬子だったが

実際は自分の作ったお弁当を食べて欲しくて仕方ないのだ

「・・・わかった・・・そのお弁当をもらおう・・・!」

慶太は何かを諦めたのか敬子の持っているお弁当をもらおうと告げる

それを聞いて敬子はお弁当を渡そうと近づくと

「だが!それは俺がお前との勝負に勝ってからだ!」

何故か慶太はお弁当を賭けて敬子に勝負を挑んだ

「・・・何言ってるの?」

敬子からして見れば確かにこの男は何を言っているのだろうと正気を疑うだろう

しかし当の本人はかなり真面目な感じでその勝負を提案していたのだ

というのもこの勝負にはちゃんとしたわけがあった

もしもこの勝負に勝った時にはタダでお弁当を貰える

実際はそんな事をしなくてもタダで貰えるのだがそんな事を知らない慶太は

この勝負に勝って何の憂いもなくお弁当をもらおうと考えていたのだ

「ハァ・・・まぁいいわ・・・それで?何で勝負するのよ?」

敬子は聞くのも無駄だと判断したのか慶太の告げる勝負を受ける事にした

「そうだな・・・それじゃあ教室で出来るものにするか・・・」

二人はそのまま教室へと戻って行き勝負のないようについて固めていくのだった

(・・・もしかして・・・このままお昼休み終わるんじゃね?)



教室に戻ってきた二人は勝負内容を決めた・・・それは・・・

「「最初はグー!じゃんけんポン!あっち向いてホイ!」」

まさかのあっち向いてホイだった

しかも二人はあれから10回を超えるほどの名勝負を繰り広げていた

「なっなかなかやるじゃねぇか・・・!」

肩で息をしながら慶太は素直に敬子の事を賞賛する

「あんたこそ・・・!随分と強くなったじゃない・・・!」

敬子もまさかここまでやるとは思っておらず負けるに負けれない状況になっていた

しかしもはや体力も気力も彼らには残されてはいなかった

おそらく次の勝負が最後となるだろう

「「・・・最初はグー!じゃんけんポン!あっち向いてホイ!!」」

最後は慶太が勝利し敬子が指を差された方向に向いてしまった

「おっしゃぁぁぁぁぁ!勝ったぁぁぁぁぁ!!」

慶太は勝利を雄叫びを上げながら敬子からお弁当をもらいうける

そして自分の席へと戻り感動に浸りながらゆっくりとお弁当の蓋を開けた時だった

「・・・へっ?」

昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響きみんなが急いで教室へと戻ってきたのだ

(なんだと?!このままでは弁当を優雅に食っている暇がない・・・!

 いや・・・授業中に食べればいいのか・・・!)

慶太はたとえ授業中でもお弁当を食べようと思って覚悟を決めたのだが

「そういえば次の理科って実験だから移動教室だよね?」

クラスメイトの話では次の授業は理科の実験だったようで理科室に移動になるようだ

(クッソ!移動教室では弁当を持っていく事が出来ない!

 ・・・もはやここまでなのか・・・?!)

さすがの慶太もこんな状況ではお弁当を食べれないかもしれないと諦めていた時だった

(・・・!いや・・・!一つだけ方法がある・・・!)



慶太が思いついた最後の方法・・・それは・・・



「先生!目眩がするので保健室に行ってきます!」

・・・仮病を使って保健室に向かうことだった・・・

(この方法ならば貴重品を持っていくという理由で小さいが袋を持っていける・・・!

 その中に弁当箱を入れれば保健室で弁当を食える・・・!

 あとは食べ終わって体調が直ったといい授業に合流する・・・!

 ふっ・・・我ながらなんていい作戦なんだ・・・!)

慶太は自らが思いついた作戦に自画自賛しているようだったがこの作戦には落とし穴があった

「そうか・・・なら俺が保健室までつき添おう!他のみんなは実験の準備をしておいてくれ!」

そう・・・それは誰かに付き添われてしまうという危険性も含まれているという事だった

しかもその人はよりにもよって一番最悪な先生になってしまった

この先生がいるのにお弁当を持っていけるわけもない

慶太はどうしようかとパニックになる頭の中を回転させていると一人の少女が手を挙げた

「先生・・・今回の実験で使うものは危険物が多いので生徒だけにやらせるわけにはいきません

 付き添いなら私が一緒に行きます・・・」

その手を挙げたのは敬子で自分が代わりに慶太に付き添うと宣言したのだ

「確かにそうだな・・・わかった!皆川に付き添いを頼もう!」

先生は敬子の言い分に納得し付き添いをお願いする

「・・・ほら・・・いくわよ・・・」

慶太は急いで荷物を纏めて敬子に引っ張られるように保健室へと向かった

「ハァ・・・だからあんなバカな勝負なんてしてる場合じゃなかったのよ・・・」

敬子は先ほどの勝負に関してやはり無駄だったと話していた

「だってああでもしないと借りが増えそうだったから・・・」

素直にタダで受け取れるとは思っていなかった事を慶太が告げると敬子は再びため息を吐く

「正直に話すけど・・・あのお弁当は最初からあんたに渡すつもりだったのよ・・・

 おば様が旅行に行く前に私にお願いしてきたんだから・・・」

それを聞いた慶太はありえないとばかりに目を見開いて驚き



「それじゃあさっきまでの俺の頑張りはなんだったんだ・・・!」

同時に先ほどまでの自分の行動に対して無性に羞恥心が湧いてきた

「・・・てか・・・それならもっと素直に教えてくれてもよかったんじゃないか?」

慶太はもっと早くに教えてもらえればこんな事にはならなかったのではないかと告げると

「だって・・・あんたがあんまりにも必死だったから少しだけ揶揄いたくなったんだもん」



「・・・勘弁してくれよ・・・」

勝手に自滅する慶太くんであった・・・

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