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落し物・・・てか落とし猫?犬?

今回はマジで何もありません

今日の好夜達は誰の目から見ても重武装をしていた

その理由はもちろん学校の行事に関係があった

「え〜・・・それでは!これより毎年の行事である町内の掃除を行うぞ!」

学校のグラウンドに集められていた全校生徒はその掛け声と共に返事をした

「・・・この学校って・・・普通にボランティアがあったんですね・・・」

好夜はまさかこの学校がこんなに普通にボランティアを行うとは思っていなかったようだ

「どうした?さすがに金持ちが理事長だとしても地元の人との交流はあるだろ?

 町内のボランティアなんてまさに丁度いいんじゃないのか?」

それを聞いていた会長は好夜がまさかボランティアがないと思っていたのかと疑っていた

しかし好夜が驚いていたのはボランティアがあった事ではなくその内容だった

(あの爺さんなら絶対にもっと派手な事をさせるのかと思ってたよ・・・)

どうやら命の祖父が関わっている事なので

もっと派手なボランティアをさせるのではないかと思っていたのだ

「まぁ・・・今回に関してはなんか先生方で揉め事があったみたいだけどな」

すると会長はこのボランティアが行われる時に先生方の会議で口論になったと話していた

(・・・それ・・・確実にあの爺さんが何かしようとしていたな・・・)

好夜はそれを聞いて確実に命の祖父が何かを企んでいたのではないかと考えていた

「でも・・・どうしてこんなに大人しく引き下がったんだ?」

しかし疑問に思ったのはその祖父がどうしてこんなにも簡単に引き下がったのかだった

「そっそれは私が最初におっお願いしておいたんです・・・!」

どうやら命が誰かにお願いをしていたようでその人にとって祖父の暴挙は止められたそうだ

「えっ?あの人を止められる人なんて他に居たっけ?」

好夜はあの祖父以上に権力を持っている人など他に居ただろうかと考えていると

「あっあの・・・おっお婆ちゃんに・・・」

命のその言葉を聞いてすぐに好夜は納得してしまった

実は彼も命の祖母とは会っていたのだが最初はとても大人しい人だと思っていたのだ



しかしそう思っていたのはほんの少しだけだった

その後ですぐに命が祖父がした事について話すと完全に顔色が変わり

少しだけ席を外すと言ってどこかに向かうと遠くから命の祖父の声が聞こえてきたのだ

そしてその後からは命の祖父は目立った行動をとる事を止めていた

つまり命の家で一番権力を握っているのは他でもない・・・彼女の祖母なのだ

(あの人が口添えをしたのならまぁ・・・無茶な事はしないだろ・・・多分・・・)

というのも命の祖母は名のある書道家として活動をしており

現在は展覧会に向けて今は島から離れて場所で執筆活動をしているのだ

なのでもしも何かあったとしてもそれを知ることが出来るのは終わってからになってしまう

(まぁ・・・さすがに後から知られるんだって分かるのなら・・・大丈夫・・・かな?)

好夜はそれなりの不安を抱えながらとりあえずはボランティアに励む事にした

「とりあえず生徒会はみんなの見回りも含めて全部を回ることになるからよろしくね?」

そこへ香野が現れて生徒会がどんな風に行動するのかを教えてくれた

「あとは生徒が困るゴミの回収・・・ですね」

さらに足立も現れて他にも生徒が困るかもしれないゴミの回収もあると話していた

「回収に困るゴミ?それって粗大ゴミとかそんな感じのやつですか?」

好夜は回収に困るゴミとは一体何の事を話しているのかと確認すると

「確かに粗大ゴミなんかもありますが・・・一番は生ゴミですね・・・」

足立から返ってきた答えは粗大ゴミではなく生ゴミもあると言われた

正直な話生ゴミを捨てるなんて一体誰がそんな事をするのだろうと思っていたのだが

街に出てみるとすぐにその答えが分かる事になった

「・・・確かにこれは・・・処理に困りますね・・・」

そう言って好夜が見ていたのはカモメなどの渡り鳥がたむろしている場所だった

そこには彼らが食べたのであろう魚の残骸が大量に転がっていた

これが先ほど足立が話していた生ゴミの正体だった

「こういったゴミは地元の人が掃除をしても完全にはなくならないんです・・・」



(いやまぁ・・・そりゃあここ・・・島ですからね・・・)

ここは人工的に作られた島であり普通ならば生存競争のようなものが存在する自然的な島と違い

人間が危険だと判断した動物は徹底的に管理されそれ以外の動物は基本的には野放しである

だからこそ普段から警戒しているはずの動物も大手を振って過ごせている

しかしその代償としてこんな風に好き勝手される現状も存在する

(・・・ただ分かればいいって問題でもないんだな〜・・・)

好夜はそれを見て動物も危険なものとそうでないものに分ければいいわけではないのだと理解した

「とにかく私達はまずああいった生ゴミを率先的に回収します・・・!

 その後で会長達が返ってきたらそのまま他の皆さんの見回りを行います・・・いいですね?」

足立から説明を受けた好夜と命はゴミ袋とトングを構えて生ゴミの処理を始めた

好夜はさすがに背が小さく力があまりない命にゴミ袋を持たせるわけにはいかないと思い

自分で持って命にゴミを入れてもらう事にしていた

「う〜ん・・・それにしても・・・結構多いですね・・・魚の残骸・・・」

それなりにゴミ袋に詰めていたと思っていた好夜だったのだが

周りを見てみるとまだまだ生ゴミは散らかっていた

「なんでも漁師さんの話ではこの前まで色んな魚が大群で来ていたそうなので

 おそらくはそれを狙った他の動物が集まってこうなったのかと・・・」

足立の話ではどうやらこの前まで魚の大群がこの付近を通っていたようで

それにありつけた動物達の仕業だろうと足立は話していた

「なるほど・・・とりあえずもうこれ以上はゴミ袋に入らなそうなのでゴミを捨てに」

好夜が満杯になったゴミを捨てようとしていた時に一段のトラックが目の前に止まった

そのトラックに乗っていたのは学校の先生でありどうやらゴミの回収をしているようだ

「それにしても・・・今年は例年よりかなりひどいな・・・」

どうやら長年暮らして居る先生にとってもこのゴミの量は多いようだ

「とにかく俺はこのゴミを運んでくるから残りもよろしく頼むな!」

そう言って先生は再びトラックに乗り荷台に乗ったゴミを捨てに向かうのだった



「ふぅ〜・・・やっと終わった〜・・・」

あれから何とか作業を終えた好夜達は会長と合流しようと向かいながら見回りを行う事にした

「・・・なんか・・・見慣れた風景があるんだが・・・」

するとそんな中で大きな雄叫びが聞こえてきてその方向を見てみると

なぜか粗大ゴミの運び比べをしている龍間と真島の姿があった

「去年もあんた形で粗大ゴミはあの人達に任せていましたからね・・・

 来年は誰がやってくれるでしょうか・・・」

どうやら足立の話では去年から粗大ゴミの回収は彼らの仕事になっていたようで

それを張り合うように行っているから早く終わるのだそうだ

(・・・いいように利用されてるな〜・・・)

なんとなくではあるが二人に対して同情しながらとにかく先へと進んで行く

すると何故か目の前には晃平に肩車をされている明希音の姿があった

「・・・何してんだよ・・・」

まさかの現状に好夜は戸惑いながらもどうしてそうなっているのか尋ねる

「実は明希音がこの木の上に降りれなくなった猫を見つけてな・・・

 俺が降ろそうとしたらそのまま上に逃げられたんでこうして明希音に代わったんだ」

晃平は何の恥ずかしげもなく経緯について話しているとどうやらその肝心の猫を救えたようだ

「あれ?この子首輪がついてる・・・って事は飼い猫かな?」

すると明希音が助けた猫に首輪がついていると気づきどこに飼い主がいるのかと辺りを探す

「おそらくはこの付近にはいないんじゃないか?ゴミ拾いのついでに飼い主を探すか」

晃平はゆっくりと明希音を降ろしながら猫の飼い主を探そうと告げる

「それなら俺達も手伝うよ!見回りも残ってるしな!」

好夜も生徒を見回りを兼ねて猫の飼い主探しもやると告げる

「悪いな・・・それじゃあ俺達は先生に事情を報告してくる」

そう言って晃平は猫を抱いた明希音を連れて近くにいる先生の元へと向かった

「それにしても迷子の猫か・・・なんかこの場合だと他にもいそうだな・・・」



そんな風に好夜が思った矢先だった



「・・・まさかお前ら方でも迷子を見つけるとはな・・・」

そう言いながら凶夜が見ていたのは

巨大な犬に組みつかれている慶太とその犬を手綱を持っている敬子だった

「そっちもって事は他にも迷子の何かを見つけたわけね・・・

 まぁそれが何なのかはいいとして・・・正直このワンちゃん慶太から離れないのよね」

どうやらゴミを回収している時に慶太を見つけてこの犬が突っ込んできたようで

一応は心配ないだろうがこうして敬子が手綱を持っている事にしたのだ

「リードがついてるって事は散歩の途中で逸れたって事だよな?

 それじゃあ犬の飼い主は案外近くにいるかもしれないな・・・」

好夜は手綱がついていたのならばそこまで遠くに飼い主がいるとは思えなかった

なのでこの付近を探せば簡単に見つかるのではないかと思っていると

どこからか何かの名前を叫んでいる声が聞こえていた

すると犬はその声を聞いて反応したのかすごい力でその声の場所に向かおうとしていたので

敬子と慶太はそのままその犬についていく事にした

そして帰ってくると何故か慶太の首に先ほどの犬と同じように手綱がつけられていた

「・・・何があったんだよ・・・」

どうやら犬の飼い主は大学生のお嬢さんだったようで慶太がその場でナンパ

そしてそれに対して敬子が制裁を加えてこのまま連れ帰ってきたそうだ

「どうせだからこのままゴミ拾いを続けるわよ・・・いいわね?駄犬」

敬子の目を見て逆らえないと思った慶太はその状態のままゴミ拾いに戻って行ったのだった

「・・・なんか・・・ご愁傷様・・・」

その後、晃平達の方でも飼い主を見つけたようで

明希音がとても寂しそうにしていたと教えられたのだった

しばらくはのんびり回が続きそうです

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