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島へと戻り・・・

ようやく島に帰ってきました!

すべての試合が終わり今日・・・好夜達はようやく島へと帰る事になった

「それにしても随分と濃い試合だったな〜・・・なんか予選試合とは思えないぞ・・・」

まるで普通に全国大会をやっているかのように実力が高く

とても数日間続けられるようなものではなかった

(いやまぁ・・・予選大会で全国の優勝と2位の人がいたけど・・・)

そう思いながら好夜は自分のテニス部にいる怪物とそれに勝った最強の怪物について思い出していた

彼らはこの先にもちゃんと全国大会が控えており

その時に戦わなくてはならない人達が可哀想だと思っていた

さらには野球部やサッカー部が負けた相手も既に全国クラスの猛者

「・・・なんか・・・改めて思い返すと・・・ずるくね?うちの地区・・・」

好夜はどうしてこんなにも自分達の予選地区には強豪が揃っているのだと呆れていた

「確かにそれは思うな・・・だが・・・

 結局は全国でも同じように戦うんだったら体力のある内にやる方がいいだろ?」

すると途中から話を聞いていた晃平が後ろから現れて自分は早めにやれてよかったと話していた

確かに全国クラスの猛者を相手にするのならば万全な状態でやるのが好ましいだろうが

「お前みたいにどうしてもやりたいと思う人間だけだぞ・・・そんな風に思うの・・・」

そんな風に思えるのはよほどの馬鹿か勝つ自信がある者だけである

「そうか?まぁなんにしても今回の大会で俺は自分の実力不足を把握できた・・・

 来年の大会では絶対に負けないくらい強くならないとな・・・」

晃平はもっと自分に出来る事はあると今回の大会で知る事が出来たので

来年はそれを踏まえてもっと強くなって参加する決意を固めていた

「それに関してはお前じゃなくてもみんなが思っていそうだな・・・」

そうな風に思っているのはおそらく晃平だけではなく

負けてしまった部活の全員が思っている事だろう

(まぁ・・・俺は試合すらしてないから反省も何もないけどな・・・)

若干、自虐気味になりながらも好夜は自分が行うであろう来年の個人戦を連想していた



「・・・ダメだ・・・全然勝てる気がしないわ・・・」

それでもあの宮園にどうすれば勝てるのだと頭を抱えてしまうのだった

「そういえば・・・そこにいる船酔い野郎は大丈夫なのか?」

すると好夜は思い出したかのように絶賛船酔いで倒れている慶太の容態を尋ねる

「決まっているだろ?部屋で完全にダウンしてる・・・」

そして晃平の答えは行きと同様に倒れていると話していた

「やっぱりか・・・静かだからそんな気はしてたけど・・・

 今度からあいつは大会とかに参加させない方がいいんじゃないの?」

好夜は今後もこんな風になってしまうのならば

もう島の外には出さない方が良いのではないかと考えていた

「それを決めるのは俺達ではなく・・・あいつ本人だろ?」

晃平はそれを聞いて決めるのはあくまで本人だから自分達に口を出す権利はないと話す

「まぁな・・・てかあいつがいないとサッカー部がきついのか・・・

 だとしたらあいつの船酔いをどうにかする方が良さそうだな・・・」

それを聞いて好夜はサッカー部の為に慶太には船酔いをどうにかする特訓が必要だと考えた

「ほどほどにしておけよ?お前はかなり厳しい練習しかしないからな・・・」

中学時代の好夜を知っている所為なのか晃平は出来れば軽い練習で収めるようにと忠告する

「えっ?俺・・・そんなに厳しいか?」

まさかの忠告に好夜は自分がそんなに厳しいのかと認識を改める

「お前は自分にも厳しいからな・・・毎回倒れないか心配しているよ」

晃平は自分にも厳しい好夜だからこそ倒れないかいつも心配していると頭に手を置く

「おい・・・俺はお前の弟じゃないぞ・・・!」

その行動に好夜はまるで年下に見られていると少しだけ頭にきていた

「俺からして見ればお前は十分に危なっかしい弟みたいなもんだよ」

すると晃平は毎度の如く危ない事をしている好夜は本当に弟のようだと告げる

「じゃかましいわい!少しくらい身長が大きいからって兄貴振るな!」



「・・・おっ!ようやく島が見えてきたな・・・!」

そしてしばらくすると帰るべき島が見えてき始めた

すると島の方で好夜達を待っていた人達が手を振っていた

みんなもそれに手を振り返していると船が港に着いてようやく島へと降り立つ事が出来るようになった

「いやぁ〜・・・随分と久々な気するな〜!つってもそこまで経ってないけど・・・」

確かに普通の旅などに比べたら長い時間ではあったが

実際はそこまで長い間、島を離れていたわけではない

しかしそれでも今の彼らにはどうしようもなく懐かしい感じと感じていた

それほどまでにこの大会が厳しいものだったという事なのだろう

島に降り立ったみんなに家族や友人などが駆け寄って帰りを出迎えていた

「・・・なんか・・・負けたとは言いづらい雰囲気だな・・・」

それを見ていた好夜はどうやって親御さん達に自分達の負けを話すのかと心配になっていた

「大丈夫じゃないか?確かに負けはしたが立派に戦った事には違いないんだからな・・・」

しかし会長は立派に戦った子供を責めるような親はいないと言っていた

実際にその通りでほとんどの親は負けてしまった悔しさから涙を流す子供を慰めていた

「・・・どうやら会長の言う通り・・・本当に心配いらなかったみたいですね・・・」

好夜はその光景を見て先ほどの不安が晴れて安心していた

「・・・というか・・・俺達はこのまま学校に向かって機材を返さなくちゃいけないぞ?」

まさかの言葉に好夜は目を見開いて会長を見る

「・・・マジですか・・・?俺ら帰って来たばっかりですよね?」

好夜は帰って来たばかりなのにどうしてなのかと尋ねると

「貴重な学校の備品だからな・・・壊したりしたら大変だろ?

 だからすぐに返さなくちゃいけないんだ・・・

 まぁ・・・その代わりに映像のチェックとかは後日になるから安心しろ」

好夜としては別に映像のチェックとかに関しては何も気にしていなかったのだが

(みんなは疲れているはずなんだけどな〜・・・俺は全くだけど・・・)



「悪いな〜・・・お前らにも機材運ぶの手伝ってもらって・・・」

そう言って好夜が後ろを見るとそこには重い機材を持っている晃平と

それの手伝いをしている明希音の姿があった

「別に構わない・・・どうせ家に帰るついでだしな・・・

 それにこんなに重い機材を持って学校に帰ると言われるとさすがに罪悪感があったしな」

どうやら晃平は自分達だけ何もせずに普通に家に帰るのが嫌だったようだ

「私はボランティアで参加しましたからこれくらいはして帰らないと・・・」

明希音の方はボランティアで参加したという事もあり手伝ってくれているようだ

「本当にいい友達を持ったよ俺は・・・まぁ・・・一名は船酔いで家に帰したけどな・・・」

好夜はいい友達を持ったと感激すると同時に船酔いで敬子が家に送って行った慶太の事も思い出していた

そんな話をしながらようやくみんなは学校にたどり着き機材を返してそれぞれの帰路についた

「・・・・・」

そんな中で命を送っていく事になった好夜だったのだが何もしていないせいもあるのか

いつもとは違いとても気まずい雰囲気を出していた

そして命の方もそんな好夜に対してどんな風に声を掛ければいいのか悩んでいた

(やっやっぱり試合に関しては何も言わないほうがいいよね?

 でっでも慰めないのもどうかと思うし・・・どうしたらいいの〜?!)

命は頭の中でどんな風に好夜に話し掛ければいいのか必死で悩み

「「あっあの!」」

何と二人同時に話し掛けてしまい思わず二人はお互いを見つめて笑ってしまった

「・・・悪いな・・・気を使わせたみたいでさ・・・」

笑いが収まると好夜は命に気を使わせてしまったと謝っていた

「ううん・・・わっ私の方こそごっごめんね?どっどうしていいかわっ分からなくて・・・」

命は自分の方こそ何も出来なくて申し訳ないと謝っていた

「なんか俺達謝ってばっかりだな・・・」

好夜がそう言うと二人はまた先ほどのように笑っていた



「いやぁ〜・・・それにしても・・・本当に悪かったな?」

好夜は先ほどとは違う理由で命に謝っていた

その言葉を聞いて命が首を傾げていると好夜がその理由を話し始める

「大会で活躍しようと思ってたのに試合すら出来なくてさ・・・

 本当は命にかっこいいところ見せようって思ってたんだけど・・・」

好夜は自分が試合をしていない事とかっこいい瞬間を見せられなかった事に対して謝っていたようだ

そしてその二つが言い終わると何か覚悟を決めたように命に向き直る

「だからこそ約束する・・・来年は・・・絶対に優勝するよ・・・!」

どうやら好夜はこの宣言がしたかったようで

その言葉を受け取った命は顔を真っ赤にして俯き静かに頷いて返事を返した

「うっし!それじゃあ宣言も終わったし帰るか!」

好夜は自分の言いたかった事が言えてすっきりしたのは帰りの足取りが軽くなっていた

逆に命の方は先ほどの宣言を受けてから顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた

(試合しなくても十分に好夜くんはかっこいいよ・・・

 こんな恥ずかしい事を平気で言えるんだから・・・)

命にとっては先ほどの発言は甲子園に連れて行くと言われたようなものだった

おそらく好夜の方はそこまで意識して言ったわけではないのだろうが

それでも命にとってはとても嬉しくて同時に恥ずかしい事でもあったのだ

(でも・・・意識してくれてなくても・・・嬉しいからいいや・・・!)

意識して言われた事ではないと命はわかっていながらも嬉しい事には変わりないので

来年は本当に好夜が優勝してくれるのだと信じて疑おうとはしていなかった

(・・・大見得切ったはいいが・・・優勝なんて出来るかな・・・?)

一方であんな風に宣言をしたにも関わらず好夜は本当に自分が優勝できるのかどうかと疑っていた

しかし命の嬉しそうな顔を裏切るわけにはいかないのでそこは死ぬ気の努力でどうにかするのだった

こうして長かった予選大会が終わり彼らは再び普通の学園生活へと戻っていく・・・

次回は大会の振り返りをします!

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