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祭にトラブルはつきもの

今回から祭回の長編です!

とうとうこの日がやってきた

そう・・・今日はみんなが待ちわびた神居祭の日なのだ

「しかし・・・さすがに昼間から来るのは早すぎたか?」

久々のお祭りなのでどうしても我慢できなかった好夜は昼間にも関わらずお祭りに来ていた

「確かに早すぎるな・・・俺もお前も・・・」

そして隣にはもう一人・・・何故か晃平の姿もあった

「・・・なんでお前はこんなに早いんだ?俺と同じ理由じゃあないよな?」

さすがに自分と同じく我慢できなかったとは思えなかった好夜は

どうしてこんなに早くここに来たのか尋ねる

「実はこの前の商店街でやったイベントを手伝った縁で今回も呼ばれてしまってな・・・

 前準備なんかも含めてこんなに早く来たんだよ」

どうやら晃平は商店街がやる出店のお手伝いとして来ていたようで

その準備などもあるからこんなに早く会場に足を運んだそうだ

「・・・なんか普通に恥ずかしくなってくるな・・・」

どうして晃平がここに来たのかその理由を聞いて

好夜は自分のきた理由の小ささに思わずすごい恥ずかしく思っていた

「あれ?あんたらもう来たの?随分と早くない?」

すると二人の後ろに敬子まで現れた

「・・・お前こそ早すぎないか?待ち合わせまで時間はたっぷりあるんだぞ?」

しかし敬子の放った言葉はブーメランとなりそっくりそのまま返されてしまう

「私は後輩の子がここで出店やるって聞いたから少しだけその手伝いにね」

どうやら敬子の方は後輩が出店を開くようでそれを見に来たようだ

「・・・もう・・・俺の傷を抉らないでくれ・・・!」

二人ともちゃんとした理由があるのにどうして自分はもっとまともな理由がないのだろうとへこむ好夜

「・・・ねぇ・・・あいつどうしたの?」

来たばかりでまだ話を聞いていない敬子は好夜の落ち込んでいる理由がわからなかった



「なるほどね・・・だからこんなに落ち込んでたわけね・・・」

晃平から落ち込んでいる理由を聞いた敬子はため息を吐きながら呆れていた

まぁ・・・確かに目の前でこんなに落ち込んでいる姿を見て

その理由がとても小さなものだったらそれは呆れるだろう

「とりあえず私は後輩の子がやっている出店に向かうわ・・・

 あんたも手伝いで来たのなら早く行った方がいいわよ」

敬子はそのうち立ち直るだろうと思いそのまま後輩のお店へと向かっていった

「そうだな・・・それじゃあ俺もここでお別れだな・・・」

晃平もそれを聞いて向かわなければならないと思いその場から去っていった

「・・・さて・・・俺はどうするかね・・・」

二人がその場から消えてしまい自分はどうしようかと悩んでいると

「それならば少しだけお時間をもらえないでしょうか?」

後ろから突如、声が聞こえてきてびっくりして振り返るとそこには実善さんの姿があった

「どぉ?!いつの間にいたんですか・・・」

思わず飛び出そうになった心臓を抑えながら好夜はいつから背後にいたのか尋ねる

「先ほど好夜様が地面に倒れこんだ辺りからでしょうか」

どうやら結構前からすでに後ろに立っていたようだ

「まぁいいや・・・それで?暇なので付いていくのは行くのはいいですけど・・・」

特にやる事もなかった好夜は実善さんに付いていきながら何の用なのか尋ねる

「実は命様が神社に選ばれた巫女として舞を踊る事になったのですが

 その隣に立って旗を振る神主様がつい先ほどリハーサルで腰を痛めてしまい

 代わりとなる方を探していたんです」

実善さんの話では結構困った事になっているようでその代わりを好夜に頼もうと思っているようだ

「えっと・・・それって俺でも出来るんですか?」

さすがに神聖な舞なので素人でもちゃんと出来るのか好夜は心配する

「大丈夫です・・・旗に装飾がされているのでかなり重たいだけで振り方は単純なので」



一通りの事を聞きながら歩いていると目的の神社にたどり着いた

「失礼します・・・急遽ではありますが代わりをしてくれる人物を連れてまいりました」

実善さんは頭を下げながら代わりを連れてきたと伝えると

その部屋にいた全ての人間の目が好夜に集まった

「・・・えっと・・・この度、代わりを務めさせていただきます・・・好夜です・・・」

好夜はその視線に耐えながらゆっくりと挨拶すると部屋にいた人間から感激の声が上がった

「よかった〜・・・今年はマジで出来ないかもしれないと思っていたから本当に助かるよ!」

そう言ってそれなりに年齢のいった男性の人が好夜の方をバシバシ叩いてくる

「晴真さん・・・あんまり叩くとその子が壊れますよ・・・」

すると後ろにいたもう一人の男の人が止めてくれたおかげでどうにか止まってくれた

「ああすまん!今年は息子も見てくれるっていうから本当に心配してたからついな!」

どうやらこの晴真という人は今年のお祭りで息子さんが舞を見に来てくれるようで

そんな晴れ舞台が中止になるかと思い先ほどまで落ち込んでいたようだ

「まぁ・・・それは神主さんも同じだったんですけどね・・・」

好夜はそれを聞いてどうして神主も晴真と同じでそんなに張り切るのかわからなかった

「神主様と晴真様は親子でつまりお孫様が見に来ると思っていたわけです」

すると実善さんの話では神主と晴真は親子だったらしく

つまりは孫が見に来るという事でお祖父ちゃんもお父さんも張り切っていたのだが

結果としてそれが災いし神主は腰を痛めてしまったという事らしい

「・・・なんか・・・俺としては出番を奪ってしまった感じがするんですが・・・」

好夜としては完全に神主のかっこいい出番を奪ってしまった感じがして

まだ顔を見てもいないのになんだか申し訳ない気持ちになっていた

「いや・・・親父も自分の所為で中止になるくらいなら出番を奪われてでもやってほしいと思ってるよ

 それに君がやっている瞬間を見ればお祖父ちゃんが同じ事をしているんだって自慢で出来るしね」

しかし晴真の話ではたとえ出番を奪われたとしても祭りはやってほしいを神主を思っているようで

もしも悪いと思っているのならカッコよく決めてほしいとお願いする



「・・・わかりました・・・俺の出来る全力を尽くさせてもらいます・・・!」

好夜はそれを聞いて絶対に成功させてみせようと決意する

「それじゃあ早速で悪いがリハーサルを始めさせてもらうぞ」

それを聞いて晴真はすぐに舞で使う旗を持ってきて振り方を教えてくれる

「基本的には応援とかで振るのに少し動きが追加されるだけだが

 問題はこの旗の重量でその動きができるからだな」

そう言われながら好夜は晴真から旗を受け取ったのだがその重さに思わず驚いてしまった

「マジで重いですね・・・これ何キロぐらいあるんですか?」

普通の応援旗なら1キロぐらいの重さなのだがこれは明らかにそれ以上で

好夜は思わず何キロあるのかと尋ねてしまう

「この旗は約10キロはあるな・・・正直これを振り回すのはかなりきついぞ?」

なんと旗の重量は10キロで10倍の重さがあると言われた

これをいつも振っている晴真ですらこれを振り回すのは困難だと言っている

「・・・ちなみに舞ってどれくらいやるんですか・・・」

さすがの好夜もやる時間によっては耐え切れないかもしれないと思い

舞が行われる時間はどれくらいなのかと確認する

「大体一時間だな・・・耐えられそうか?」

なんと舞の時間は一時間でありその時間はずっとこの旗を振り続ける必要があると言われる

「・・・なんとか・・・頑張ります・・・」

それを聞いた好夜は簡単に受けなければよかったと少し後悔するのだった

それから少しの間、旗の振り方を教えてもらい二人だけでのリハーサルも行った

「どうやら動きは完全にマスターしたな!あとは本番だけだ!」

時間にしておよそ二時間ぐらいはリハーサルを行ってもらい

その時間で好夜はなんとか旗の振り方をマスターできた

しかし好夜をもってしてもあの重量を振り続けるのはきついようで

すでに来ていた服が汗でびしょびしょになっていた



「それにしても好夜くんは飲み込みが早いな・・・おかげで本当にどうにかなりそうだよ」

晴真はこれまでの好夜の飲み込みの早さを見てとても驚くと同時に感謝していた

いくら代わりがいてくれたとしてもそれが今日の本番で成功するとは限らない

しかしこれまでの練習を見てきてその不安は全て消え去った

「さすがはあの命ちゃんが捕まえた男だけはあるね!」

その言葉を聞いて好夜は口に含んでいた飲み物を全て吹き出してしまう

「ゴホッゴホッ!ちょっと待って・・・!それ誰が言ってたんですか?!」

好夜はなんとか呼吸を整えてその噂がどこから出てきたのか確認する

「いや・・・単純に命ちゃんが代わりの話をした時にすぐに名前を出したから

 そんだけ信頼してる相手なら多分そういう事なんだろうと思って・・・違ったの?」

どうやら晴真は代わりが必要だという話が出た時に

すぐに好夜の名前が出た事から勘違いをしたようだ

「違いますよ・・・俺と命は幼馴染でそんな関係じゃないですよ・・・」

しかし自分と命はそんな関係ではないと好夜が否定すると晴真はとても驚いていた

「そうだったのか・・・それは悪かったな・・・」

勘違いしてしまい申し訳なかったと晴真は頭を下げてくる

別に怒っているわけでもなかった好夜はすぐに許し

それから二人は本番の時間まで自由にする事にした

(・・・そういえば命の姿を見なかったな・・・)

好夜が広間で休憩している時にふと命の姿を見ていない事に気がついた

「命様なら別室にて舞の練習をしております」

すると今朝と同じようにいつの間にか後ろに実善さんが立っており

命が練習していると教えてくれた

「・・・てかさりげなく俺の考えを読むのやめてもらえませんか?」

すると好夜はさりげなく自分の考えを読まれていた事に対して人間かこの人はと思っていた

「すいません・・・お詫びに少しだけ私にお付き合いしてもらえますかな?」



(・・・なんでだろう・・・絶対に面倒な事を言われそうな気がする・・・)

最初は好夜と命のお話でした!

次回もだけどね・・・

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