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楽しい旅行の最後

今回で旅行は最終回です

「今日でのこの旅行も終わりか・・・」

好夜は旅館でみんなを撮った写真を見ながら旅行の最後を寂しいと感じていた

「でも別に今日でみんなとお別れってわけじゃないんだし

 また今度来ればいいだけでしょ?」

それを聞いた敬子はまた今度みんなで来ればいいと告げる

「そうなんだけどさ・・・やっぱり終わりはなんか寂しいと思っちまってな・・・」

好夜もそれはわかってはいるのだがそれでも何かの終わりは寂しい気持ちになり

どうしても終わってほしくないと思ってしまうのだ

「そりゃあわからなくもないけどさ・・・

 でも最後でそんな顔をしていても楽しくならないわよ?」

敬子の言う通り最後だからこそ悲しい顔をするのではなく

楽しい顔をして終わらせなければいけない

その言葉を聞いてようやく好夜の顔は笑顔を取り戻す

「それにあんたが暗い顔してたらあの子も不安がるでしょ?」

そう言ってる敬子の視線の先には好夜を心配している命の姿があった

「・・・悪かったな・・・もう大丈夫だよ」

好夜は命の傍まで行き命の頭を撫でながらもう心配ないと告げる

それを聞いて命はようやく安心した顔を浮かべていた

「それじゃあその調子でもう一人の方も慰めてやってくれ」

すると好夜はもう一人慰めなければならない人物がいると告げる

それは部屋の隅で丸くなって横になっている慶太の事だった

「あれに関してはどうせ碌でもない事で落ち込んでるんだからいいのよ」

しかし敬子は碌でもない事であんな風になっているのだから放っておくと言った

「・・・これに関しては日頃の行いだからな・・・すまん・・・」

好夜もこれは慶太の日頃の行いが招いた結果だと思いみんなと一緒に放っておく事にした



「そういえば今日は何をするんだ?特に何も考えてなかったろ?」

ロビーまでやってきた好夜はみんなに今日は何をするのか尋ねる

「実は今日、駅の近くで露店を開いているらしくてな

 そこに行って色々と買って行こうかって話になったんだ」

晃平の話ではどうやら駅の近くに露店が開かれているらしく

ちょうどいいのでそこに行って色々見てから帰ろうという計画のようだ

「わかった・・・それじゃあ早速その場所に向かうか」

その話を聞いて早速好夜達は駅の方へと向かった

「おぉ〜・・・結構大規模でやってるんだな〜・・・!」

露店のある場所に来た好夜達はそのスケールに驚いていた

それこそこれは一つのお祭りだと言ってもいいだろうと言うほど大きかった

「どうやら主にガラスで作られた物を置いているみたいだな」

晃平がお店の一つを見るとそこにはガラスで出来た皿や風鈴などが売られていた

「へぇ〜・・・色々と売られているんだな・・・」

同じく好夜もお店を見るとかなり色々な物が売られており

しかもその全てで精巧に作られていてまさに職人芸だった

「ほっ本当・・・かっ可愛い物もうっ売られているんですね・・・!」

命もそのお店を見るとそこにはアクセサリーなども売られていた

「おっ!なんだい兄ちゃん!可愛い彼女さんにプレゼントか?!」

するとお店の人は好夜と命をカップルだと勘違いして話掛けてきた

「ふにゃ?!」

もちろんそれを聞いた命は顔を真っ赤にして否定しようとするが

あまりの恥ずかしさに口がまともに動かなかった

「もしプレゼントにするならこのネックレスなんてどうだ?

 そこまで高くはないし中に綺麗な花びらが入ったりしてるんだぜ?」

お店の人はプレゼントにどうだと花柄のネックレスを好夜に見せる



「・・・それじゃあそれをひとつください」



「あいよ!ちなみに袋はいるかい?!」

お店の人は代金をもらいネックレスを手に取ると好夜に袋はいるか尋ねる

「いや・・・いらないよ」

好夜はいらないと告げお店の人からネックレスを受け取ると

命に向き直り首にかけてあげる

「・・・うん・・・とても似合っている」

そして命がそれをつけたのを見てとても似合っていると笑顔で言った

「・・・プシュ〜///」

もはや色々と耐えきれなくなった命は顔を赤くしてそのまま気絶してしまった

「ちょっ?!命??!」

好夜は命を抱えて大丈夫かどうか確認するとどうやらすぐには起きないみたいだと悟り

仕方なく彼女を負ぶってそのまま露店の散策を再開した

「・・・なんで再会したと思ったら命が気絶してるのよ・・・」

最初に出会ったのは敬子で何故命が気絶しているのかを聞く

好夜は事情を説明すると敬子は何故か頭に手を当てて呆れた表情を浮かべる

(はぁ・・・どうやら命の春はまだ先みたいね・・・)

それもそのはずこの程度の事で気絶されてしまっては

この後の事など今の命とでどうなってしまうか絶対に分からない

だからこそ敬子はどうしようかと頭を抱えていたのだ

「それよりも何か気になる物は見つけたのか?」

すると好夜は敬子に買いたいと思う物は見つかったのかどうか尋ねてきた

「そうね〜・・・実はこの動物のガラス人形が結構可愛いと思っているんだけど・・・

 それなりに値段が高くてね〜・・・服とか買わなきゃよかったかな・・・」

どうやら昨日の買い物の影響でガラスの人形が買えなくなってしまったらしく

それでどうしようかと思ってこの考えていたようだ

「それなら俺が買ってやろうか?」



「・・・あんたいつの間に来たのよ・・・」

先ほどの言葉を発したのは好夜ではなくいつの間にか来ていた慶太だった

そして敬子はいつからいたのだと告げる

「ついさっきだな・・・それで?これ欲しいんだろ?買ってやろうか?」

どうやらここに来たのはついさっきらしく敬子達が初めてあった

そしてその時に買おうかどうかで悩んでいる敬子を見て買おうかと聞いてきたらしい

「あんたがそんなこと言うと逆に何かあるんじゃないかって思うわね・・・」

それを聞いた敬子は何かあるのではないかと勘ぐっていた

「お前な・・・普段の俺を何だと思ってるんだよ・・・」

慶太は素直に言っただけで何で不安に思うのだと告げる

「とにかく俺が買ってくるからちょっと待ってろ!」

そう言って慶太は物を持って会計をしている人の元へと持って行き

そしてそれを購入してどうだとばかりに敬子に見せるが

「・・・私が見てたのと違うけど・・・」

残念だがらそれは敬子が欲しかったのとは別のガラス人形だった

「・・・マジでか・・・」

まさかの失敗に慶太は膝から崩れ落ちる

「はぁ・・・まぁいいわ・・・ありがたくこれは貰うわよ」

しかし敬子は呆れながらも慶太が買ってきてくれた商品を受け取った

慶太からは見えなかったがその口元からは笑みがこぼれていたとか

(やれやれ・・・こっちは素直じゃないな・・・)

その笑みを見ていた好夜は苦笑いを浮かべていた

それを見ているといつの間にか二人は喧嘩を始めてみんなの注目の的になってしまう

「・・・さてと・・・それじゃあ他の二人を探しに向かうか・・・」

好夜は他人のふりをして他の二人を探しに向かった



「やれやれ・・・何か向こうが騒がしいな・・・」

少し遠くにいた二人の元に敬子達の喧嘩騒ぎが聞こえてきた

「う〜ん・・・ガラスの容器って綺麗ですけど・・・壊れやすいんですよね・・・」

しかしそんな事を気にも留めずに明希音は買い物を続けていた

「それなら普段は使わない物にしたらどうだ?」

晃平は壊れてほしくないのなら普段は使わない物にすればいいと告げる

「そうですね〜・・・それじゃあこれを買いましょうか?」

そう言って明希音が手に取ったのは可愛い猫の風鈴だった

「これは夏以外は使いませんからね・・・壊れる心配もないですし風流かと」

確かに風鈴は滅多に使わない物だし夏にはぴったりの物だろう

晃平もそれに納得して頷くと明希音はそれを持って会計に向かう

「ようやく見つけた・・・何してるんだ?」

するとそこへ好夜が現れて何をしているのか尋ねてくる

「ちょうどよく明希音の欲しい物が見つかって会計待ちだ

 てかお前の方こそ何があったんだよ・・・」

晃平からして見れば命を負ぶっている好夜の方が気になっていた

「まぁ・・・色々かな・・・正直説明するのが面倒くさい」

もはや色々ありすぎて全部説明するのは面倒くさいと思い晃平にもその意図を伝える

「そうか・・・とりあえず後で面倒になる事だけはわかった」

晃平はそれを聞いて後で絶対に面倒になると理解した

「買ってきました!ってあれ?好夜くんどうしたんですか?」

そこへ明希音が帰ってきて先ほどまでの事情を告げる

「・・・やっぱり面倒な事になってたか・・・」

改めて話を聞いた晃平は頭を抱えて呆れる

「まぁな・・・とりあえず・・・帰る準備でもするか・・・」



こうして彼らの長い旅行は幕を閉じたのだった

次回は夏休みに戻ります

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