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夕暮れの丼

今回はご飯回です

六人はその後も遊び通して時刻は夕方になろうとしていた

「そろそろ陽も落ちてきたしホテルに帰るか・・・」

晃平はそれを見てそろそろホテルに帰るべきだと提案する

「え〜?俺まだナンパに成功してないんだけど〜!」

それに対して慶太はまだ海に居たいらしくブーイングする

「あんたのナンパに付き合ってたら夏が終わるわよ」

しかし敬子の一言が刺さったのか項垂れながらも結局は帰る事にした

「こっ好夜くんだっ大丈夫?」

それを聞いて命は気絶していた好夜を起こしに掛かる

実は前回の気絶から彼は一度も起きてはいなかったのだ

どうやらそれくらい彼にとって命の上目遣いは破壊力満点だったようだ

「ん?・・・んん・・・あれ?もうこんな時間になったのか?」

ようやく目を覚ました好夜は時刻を確認して

自分がそんな時間まで気絶していた事実に呆れていた

「そういえば今日の夜はホテルでご飯じゃないんだろ?

 どこで食べるとか決めてるのか?」

すると好夜は今日は晩御飯をホテルで食べない事を思い出し

どこで食べるつもりなのか確認すると

「そういえばそうだったな・・・ホテルの人に聞いてみるとするか」

晃平は帰ってホテルの人に聞けばいいのではないかと思い

とりあえずはみんなでホテルへと帰る事にした

「はぁ〜・・・結局ナンパは失敗だったか・・・!」

帰り道で慶太はナンパが失敗した事を嘆いていた

「あんたね〜・・・そろそろ自分にはそんなに魅力がないって気づきなさい」

それに対して敬子はそんな魅力もないのだから当然だと言って頷いていた



「お前な・・・しまいにはここで泣きじゃくるぞ・・・」



ホテルに帰ってきた六人は海で使った道具を部屋に置いてきて

女性陣は着替えて男性陣は先にロビーで飲食店を訪ねながら待っている事になった

「う〜ん・・・近くのお店って言ってもやっぱり観光地なだけあって

 色々なお店があるな〜・・・正直どこに行ったらいいのかわからんぞ?」

好夜はホテルに置いてあったガイドブックをもらって見ていたのだが

さすがは観光地と言うだけあって近くのお店は多く存在し

どこが一番いいのか迷ってしまうほどだった

「今ホテルの人から聞いてきたが・・・どうやらそこに載っているほとんどのお店は

 混み合っていてとてもじゃないが今からすぐにとはいかないらしいぞ」

するとそこへ話を聞きに向かった晃平が戻ってきて

話を聞いた限りではガイドブックに載っている場所のほとんどは混み合っていた

今からでは料理を食べるのは難しいかもしれないとの事だった

「そうなるとガイドブックで見るより周辺地図を見た方がいいかもな」

それならば誰にも知られていないお店に向かおうと思った好夜は

周辺地図の方をもらいそこに書かれていたお店を調べ始めた

「へぇ〜・・・結構いっぱいあるな〜・・・おっ!こことかいいんじゃないか!」

それを横から見ていた慶太はガイドブックにすら載っていないお店もかなり存在し

どれにしようかと考えながら見ていると一つだけ目に止まったものがあった

それは男子高校生なら誰しもが喜ぶ焼肉バイキングのお店だった

「お前な〜・・・俺らだけならまだしも今回は命達もいるんだぞ?」

好夜の言う通り男子だけで行くのならまだしも今回は女子も一緒なので

そんな中で焼肉バイキングに行くのはあまりにも残酷だろう

「えぇ〜・・・それじゃあここはどうよ?!」

次に慶太が指出したのは丼専門店と書かれたお店だった

「確かに丼物なら命達でも食べれると思うけど・・・これ見るとかなり量が多いぞ?」

好夜はそのお店について調べるとそこには大盛りの丼に並々に盛られたカツ丼が載っていた



「別にそれくらいなら敬子は普通に平らげるぞ?」

しかし慶太はそれを見ても平然と食えるはずだと思っていた

「あんたは私をなんだと思ってるんだぁぁぁぁぁ!!」

するとその会話を聞いていた敬子が後ろから蹴りを食らわせた

「あはは・・・それに多分丼物なら小盛とかもあるはずなので大丈夫だと思いますよ?」

それを見ていた明希音は苦笑いしながら小盛もあるから大丈夫だと告げる

「それじゃあここにみんなで行ってみるか!」

六人はとりあえずの場所を決めてこの丼のお店へと向かってみる事にした

「え〜っと・・・確かここら辺に・・・あった!」

ホテルからそこそこの距離を歩くと例のお店が見えてきて

六人はそのまま中へと入っていく

「いらっしゃい!何名様ですか?」

お店の中に入ると店員の人が何名なのか確認してきた

晃平がそれに答えている時に好夜はお店の中を確認していた

(へぇ〜・・・ガイドブックには載ってないけど結構いいお店だな)

内装はそれなりに立派で建物もそこそこの大きさをしていた

確かに有名店には劣るだろうがそれでもかなりのものを言えるだろう

「何してるんだ?早く席に向かうぞ」

すると店員さんが席に案内すると言われて好夜は急いでみんなの元に戻る

六人はテーブル席へと案内されて早速メニュー表を開いてみると

「・・・めちゃくちゃメニューあるな・・・」

そこには丼だけでざっと百以上のメニュー名が並んでいた

「マジか・・・ここまでくるとどれを頼めばいいのか迷うな・・・」

さすがの六人もこれは予想しておらずどれを頼もうか悩んでいた

「えっと・・・とりあえず決まったら教えてくれるか?店員さん呼ぶから・・・」



「・・・よし決めた!俺はこの牛肉大盛り牛丼にするぜ!」

一番最初に決めたのは慶太であり彼が選んだのは牛丼だった

「私はこの海鮮丼にしようっともちろん並でね」

次に敬子は色とりどりの海鮮丼に決めたようだ

「私と命ちゃんはこのミニ親子丼にします」

明希音と命の二人は小さい親子丼にしたらしい

「う〜ん・・・じゃあ俺はこのカツ丼大盛りにしようっと」

好夜は散々悩んだ後にカツ丼の大盛りにすると決断した

「俺はチャーシュー丼にするか・・・それじゃあもう頼んでいいな?」

全員の注文が決まり晃平はボタンを押してお店の人を呼び注文を頼んだ

「いや〜・・・それにしてもマジでたくさんメニューがあったな〜・・・

 こんだけあると逆に有名になりそうなもんだと思うんだけど」

注文を頼んだ後で慶太はどうしてここまで力を入れているのに

ガイドブックやテレビで取材をされた事がないのだろうと思っていた

「さぁな〜・・・もしかして店長がめちゃくちゃ怖い人だったりして」

好夜はその理由は店長が強面だからではないのかと予想していた

「俺は厳格な人でそう言ったものに頼りたくないんだと思う」

それに対して晃平は厳格な店長で昔気質な感じなのではないかと予想していた

「あんたらね・・・そこに店員さんがいるのに大声で話す内容じゃないでしょ・・・」

敬子の言う通り近くには店員さんが作業しており今の会話を聞いたら失礼だと思うだろう

「へへへ・・・実はみなさんどれもハズレなんですよ?」

しかし店員さんは怒るどころか二人の予想はどちらもハズレだと言っていた

「そうなんですか?それじゃあどうして・・・」

晃平はそれならばどうして取材を受けないのかと思っていると

「ああ〜・・・ウチの店長って人見知りが激しんですよね〜・・・

 だから取材とかそんなのを受けられないんですよ・・・」



(((意外と理由が平凡だったな・・・)))



そんなこんなでみんなで話をしてるとようやく頼んでいたものが届いた

「お待たせしました〜!ミニ親子丼を頼んだ方〜!」

そうして順番に注文が置かれていき全ての丼は目の前に置かれたのだが

「「・・・・・」」

二人に関しては目の前に置かれた丼を見て少し後悔していた

「まさか大盛りがラーメン丼でくるとは思ってなかったわね・・・」

その理由は大盛りの丼だけ特大の丼に入れられてきたからだった

「どうやらあの画像に使われていたのは取材用ってわけじゃなかったようだな」

てっきり二人はあの画像はそれ用に作られたものだと思っていたが

どうやらあれが通常サイズのようで実際の丼もそれくらいだった

「私も並でこんだけ大きいと食べられるかどうかわからないわね・・・」

並を頼んだ敬子ですらこの大きさをすべて食べきれるか不安に思っていた

「お前な!それを俺達の目の前にあるこれを見て言えるのか?!」

しかし敬子以上に食べきれる自信がない慶太はその発言にキレていた

「話していても始まらないしとにかく食べるぞ・・・!」

何か覚悟を決めたのか好夜は箸をもらい大盛りのカツ丼を食べていく

「俺だって負けてられるかぁぁぁぁぁ!!」

それを見て対抗心を燃やしたのか慶太も口の中に流し込んでいく

「「!うまい!!」」

すると二人を目を見開いて驚いていた

丼の量に目を奪われていたが口に含んでみると今まで食べた丼よりはるかに美味しかった

そのあまりの美味しさに思わず声を上げてしまうほどだった

「確かに美味しいな・・・!どうやらこのお店は本当に正解だったようだ」

晃平も同じく口にしてみると確かに美味しいと思いここに選んだのは正解だったと喜んでいた

「まぁ・・・それでもこれを食べきれるかどうかわからんが・・・な・・・」



「ウプッ・・・苦しい・・・!」

あれから二十分ぐらいが経過したが二人はまだ半分くらいした食べ切れていなかった

「本当にすごいわね・・・特に慶太のなんてさっきから肉しか見えてないんだけど・・・」

すでに食べ終わっている敬子はその光景を見てもはや呆れていた

慶太の方に関しては牛肉大盛りにした所為なのか先ほどからご飯が見えず

好夜の方はカツ丼を一緒に食べてはいるのだが中々に量を減らせなかった

「だが・・・作ってくれたものを残すわけにはいかない・・・!

 絶対に俺はこれを食べきってやる・・・!」

なにやらカッコイイ事を言っているみたいだがその姿には一切のカッコよさはなかった

「ぐっ・・・!絶対に負けねぇ・・・!」

慶太も未だに対抗心を燃やして無理やりにでも口の中に入れていく

そしてそれから二十分後・・・とうとう二人はその丼を完食して見せた

しかし・・・二人はもはや勝負に燃え尽きた後であり一歩も動けなくなっていた

「・・・とりあえず・・・帰るか・・・」

六人は食べ終わったのでとにかく料金を払いホテルへと帰ることにした

「ちょっ待って・・・!マジで早く歩けないから・・・!」

お腹がいっぱいになってしまっている好夜は先を行くみんなに待ってとお願いする

「だっ大丈夫?せっ背中さすった方がいっいい?」

命は心配して好夜の背中をさすろうとするがそれは逆効果である

「とっ・・・とりあえずは大丈夫だ・・・ゆっくり歩けば帰れる・・・」

好夜はゆっくりとならば帰れるはずだと言っていた

「あんたもだらしないわね〜・・・肩貸してあげるわよ」

その横ではすでに動けていない慶太の姿がありそれに敬子は肩を貸して上げていた

「悪い・・・」

慶太は素直に敬子にお礼を言いながら肩を貸してもらう

「なぁ・・・敬子・・・お前・・・力持ちだな・・・」



「・・・フン!」



「ゲボォ?!」



余計な事を言ってしまった慶太はその夜・・・口から花火を吹き出したのだった

みんなも食べ過ぎには注意してね!

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