海辺のお楽しみ
今日は海回です!
「ようやく来たぜ・・・この時が・・・!!」
慶太は一面に広がる海を前にして何か誇らしげに仁王立ちしていると
「どうでもいいからとっとと前に進みなさい!他の邪魔になるでしょうが!!」
後ろから現れた敬子によって砂浜に蹴り飛ばされるのだった
「ベェベェ!テメェ!口の中に砂が入ったじゃねぇか!!」
砂浜にキスする羽目になった慶太は口の中に入ってしまった砂を吐きながら文句を言う
「お前ら・・・海に来てまで喧嘩するなよ・・・」
二人はそのまま喧嘩を始めてしまい晃平はここまで来てする事かと呆れていた
「お〜い!場所取っておいたから女子は着替えに向かって良いぞ〜!」
すると好夜がすでに場所を取ってきてくれたらしく女性陣に着替えに行くように伝えてきた
「それじゃあ待たせないように早く着替えてきましょうか」
明希音はみんなを待たせないようにと命と敬子を連れて更衣室へと向かった
それから数分して水着に着替えた女性陣が帰ってきた
「お待たせしました・・・どうですかね?」
明希音は真っ先に晃平に水着についての感想を尋ねる
「似合っているんじゃないか?俺はそう思うが」
すると意外にも晃平は素直に似合っていると感想を告げてくれた
そしてもう一方の命達の方に関しては
「・・・・・」
何故か好夜が全力で命から目を逸らしていた
「あんたね・・・少しはちゃんと見て感想を言いなさいよ!」
見かねた敬子が無理やり好夜の首を曲げて命の方を向かせると
そこには可愛らしいワンピースの水着を着て赤くなっている命の姿があった
「・・・ガハッ!」
あまりの衝撃に耐えられなくなったのか好夜は血反吐を吐いて倒れてしまった
「海に入る前から脱落者を出すなよ・・・」
「あれ?そういえばあいつは?」
すると敬子はこの場に慶太がいない事に気がついた
「多分だけどナンパに行ったんじゃないか?」
復活した好夜はおそらくナンパに行ったのだろうと告げると
「へぇ・・・?それじゃあ探しに行かないとね・・・?」
そう言っていた敬子の後ろには般若のようなオーラが見えていた
そしてそのオーラを担いだまま慶太を探しに向かった
「・・・どうやらもう一人脱落者が出そうだな・・・」
晃平がそんな事を言っていると奥の方で誰かの叫び声が聞こえてくるのだった
「しかしみんなで海ってのも本当に久々だよな〜・・・とりあえず泳いでくるか!」
好夜は準備運動をしながら昔を思い出し海へと向かっていく
「みんなも先に海に行っていいわよ?私はこいつに説教してるから」
それを見て命が行きたそうにしていると敬子が行ってきてもいいと言ってくれた
本人は砂に埋め込んだ慶太にそのまま説教をするつもりらしい
「それじゃあお言葉に甘えて少し泳いでくる」
それを聞いた晃平は敬子の厚意に甘えて好夜の後を追いかけて行った
「あぁ〜・・・なんか久々の海は気持ちいいな〜・・・」
海に入った好夜はまるで温泉に浸かっているかの如く寛いでいた
「なっなんか好夜くんおっお爺ちゃんみっみたいだよ?」
それを聞いていた命はまるでお爺ちゃんのようだと笑っていた
「いやまぁ・・・ここまで気持ちいいとな〜・・・
正直、浦島みたいになってもいいわ〜・・・」
好夜は別に浦島みたいにお爺ちゃんになってもいいと思っていた
すると向こうのほうでガチ泳ぎしている晃平の姿があった
「・・・競泳かなんかでもやってるのか・・・?あいつは・・・」
「フゥ・・・ひと泳ぎしたら少し疲れたな〜・・・」
泳ぎ終わった好夜と命は敬子達のいた場所に戻ってみると
「オォ・・・帰ってきたか・・・」
干からびた慶太が二人をお出迎えしてくれた
「・・・とりあえず・・・なんか飲むか?」
さすがにこのままではまずいと思った好夜は慶太を取り出して飲み物を飲ませた
「フゥ・・・あともうちょいで三途の河を飲もうかと思ったぜ・・・!」
慶太はさすがにヤバかったと冷や汗をかいていた
「自業自得だから特に文句も言えないけどな?」
しかし好夜の言う通り埋められた事に関しては自業自得なので
敬子に対して何か文句を言える義理ではなかった
「でもよ〜・・・やっぱり海に来たらナンパするのは当たり前だろ?」
どうやら慶太は反省している様子はなくむしろナンパを正当化していた
「それじゃああれはお前にとって当たり前か?」
すると好夜は海の家がある方を指差すとそこには敬子が知らない男達にナンパされていた
「・・・・・」
それを見た慶太は無言で立ち上がり敬子のいる方へと向かっていく
「おい・・・お前ら何してるんだ・・・?」
慶太はナンパをしていた男の一人を掴み睨みつける
「はぁ?なんなんだお前?」
もちろん男達もナンパを邪魔されて怒りを露わにしていた
まさに一触触発の状態になった時・・・慶太の口が開かれた
「お前らな・・・ナンパならもっと可愛い子をナンパしろよ!!」
それを聞いた瞬間に男達の後ろの方で何かが切れた音が聞こえた
男達がゆっくりと後ろを振り返るとそこには鬼の形相をした敬子の姿があった
「悪かったわね可愛くなくてぇぇぇぇぇ!!」
「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁ?!!」」」」」
怒りの鉄拳制裁を食らった慶太はナンパ男達共々砂浜に沈められた
(いや・・・むしろあいつもナンパ男だったな・・・)
好夜はその姿を見てご愁傷様とばかりに手をあわせるのだった
「てか本当にあんな風にナンパしてくる奴っているんだな〜・・・」
あんな風にナンパする人物が実在するのかと思って驚いていると
「お兄さん良い体してるわね〜」
別の方では晃平が逆ナンに遭っていた
(いや・・・なんでそっちまでナンパに遭ってるんだよ・・・)
偶然にもそれを見てしまった好夜は呆れて何も言えなかった
すると逆ナンに遭っている晃平の後ろから近づいてくる影があった
「あれ〜?何やら随分と楽しそうに話していますね〜?」
その人物とは明希音だったのだが明らかに笑ってはいなかった
いや・・・顔は笑顔なのだが目が笑っていなかったのだ
しかも後ろにはなぜか阿修羅のようなオーラが出ていた
さすがのお姉さんもそれを見てヤバイと思ったのかすぐに逃げて行ってしまう
「お前な・・・別に心配しなくても断ったぞ・・・」
それを見ていた晃平はそんな風にしなくても自力で追い払っていたと告げるが
明希音からは何の返事も返ってこず顔をずっと逸らされていた
「はぁ・・・アイス一個でいいか?」
晃平は許してもらう為にアイスを奢ろうと言うと
「・・・それじゃあチョコアイスでお願いします・・・」
若干だが明希音は怒りは収まったらしく不貞腐れた顔でチョコアイスを要求していた
「・・・ついでにあいつらのお昼でも買ってくるか・・・」
晃平はそのついでにみんなのお昼も一緒に買ってくるのだった
「まさか別々でナンパに遭ってるのか・・・笑えないんだが・・・」
好夜は晃平達が買ってきてくれた焼きそばを食べながら先ほどの事を話していた
「いや・・・笑うも何もこっちは被害者なんだが・・・」
それに対して晃平は被害者の自分らに対して何を笑う必要があるのだと質問する
「いやお前に関しては何で逆ナンに遭うのかで普通に笑えるよ
てか何で逆ナンに遭ってるんだよ・・・」
しかし好夜は逆ナンに遭っている時点でまず笑えると告げ
次にどうしてあんな事になっていたのかを尋ねる
「どうしてと言われてもな・・・普通に泳いでいたらいつの間にか見られていた
もう泳ぎ疲れたから戻ろうと思った時にちょうど話掛けられた」
どうやら晃平の泳いでいる姿をかっこいいと思ったらしく
それで海から上がってきたところを逆ナンしたようだ
「クッソ・・・何でこいつらばっかりモテるんだ・・・?!」
それを聞いていた慶太は何で晃平がモテて自分はナンパに失敗したんだと思っていた
「そりゃああんたはカッコよくなんてないし怪しいからでしょ?」
敬子は素直にズバッと真実だけを告げると慶太は項垂れていた
「そうだな〜・・・敬子がナンパに遭っている時に
もうちょっとカッコよく助けられただろうしな〜・・・」
それを聞いた好夜は確かにもうちょっとカッコよくできた部分があったのではないかと告げる
その部分とは敬子がナンパに遭っていた時に助けた方法だった
「何でだよ!俺は素直にあいつらに忠告したんだけだぞ?!」
しかし当の本人は助けたのではなく彼らに対して忠告をするつもりで近寄っただけらしい
それを聞いて先ほどと同じように敬子から何かが切れた音が聞こえてきた
「へぇ・・・?それはつまり私がナンパに値しない女って事でいいのよね・・・?」
そう言っていた敬子からは溢れんばかりのオーラが出ており
それを見た四人はもう助からないなと思いながら慶太を見ていた
「さてと・・・それじゃあ午後はどうする?」
お昼を食べ終えた五人は午後をどうするのか聞く
「う〜ん・・・私は疲れたから少しここで休んでいたいと思います」
明希音は疲れたらしくここで休んでいると言っていた
「わっ私もこっここでやっ休んでます・・・」
それに命も便乗して残っていると告げる
「私はこの馬鹿の所為でまともに泳いでないからもう少し泳ぐわ」
敬子は先ほどまで慶太を叱っていたのでもう少し泳ぐと言っていた
「それじゃあ俺はナン「あんたは私に付き合ってもらうわよ?」・・・はい・・・」
しかし慶太は懲りずにもう一回ナンパに行こうと考えていたが
すぐに敬子に捕まり午後は彼女に付き合う事になったのだった
「俺は飲み物を買ってからもう一回だけ泳いでくる」
晃平はもう一回泳ぐつもりらしくその前に水分補給をしてくるらしい
「それなら俺も飲み物を買ってくるよ
二人は何が飲みたい?」
それに好夜も付き合い命と明希音の分の飲み物を買いに向かった
二人はそのまま飲み物を買って戻ってみると二人ともナンパに遭っていた
それを目撃した好夜はナンパ男の背後に回り肩を掴んでこちらを向かせると
「おい・・・?何してんだ・・・?」
好夜の背後には今にも襲い掛かりそうな獰猛な獣の姿が見え
それを見たナンパ男達は凄まじい勢いで逃げて行った
「大丈夫か?」
好夜は命に飲み物を渡しながら大丈夫だったか確認する
「あっありがとう・・・!」
結構怖い思いをしたらしく命は涙目になりながら好夜に抱きついた
「・・・ガハッ?!」
その弾力に耐えられなかった好夜は結局その後、海で泳ぐことはなかった
好夜くんは命ちゃんにだけ過剰に反応します




