旅行の始まり
旅行編スタートです!
こうして時間は過ぎて行きいよいよ旅行当日になった
「・・・一人だけめちゃくちゃ遅いんだけど・・・」
しかしみんなが集まったのに一人だけ未だに集まっていない人物がいた
それはもちろん慶太である
「あいつ・・・なんで自分で提案しておいて遅れるのよ・・・!」
そんな慶太に凄まじく怒っていたのは敬子だった
そして予定の時間から30分くらい経ってようやく彼が現れ
「すまんすまん!めちゃくちゃ遅れちまドグハッ?!!」
その瞬間に敬子の鉄拳制裁を食らい吹き飛ばされた
「時間もないしとっとと行くぞ」
しかし誰もそんな事は気にも留めずに遅れた時間を取り戻そうと駅の中へと入っていく
「ほらあんたも行くわよ!」
殴り飛ばされた慶太は首根っこを掴まれて荷物のように引き摺られていく
そしてそのまま六人は目的地へと向かう電車に乗り込んだ
しかしそこでもう一つの問題があった
「そっか・・・三人ずつだから一つだけペアになるのか」
それは電車の座る順番だった
電車は基本的に二席が当たり前なので男女三人ずつだと
一つだけ男女で座らなければならない場所があるということだ
「それだったらいっその事、全て男女で座らせればいいのでは?」
明希音はそこまで気にするのなら全て男女にすればいいのではと提案するが
「それだと確実にあいつらが喧嘩するぞ?」
晃平の言う通りそれを実行すると確実に喧嘩をする一組が現れてしまう
「だったら俺がそのペアの方に座ってやるよ」
すると好夜は自ら進んでそのペアの方に座ると言った
「で・・・結局こうなるのか・・・」
そして結果といてペアの座席に座ったのは晃平と明希音の二人だった
確かに好夜は自ら進んで言ってくれたのだがそれだとペアは命だと思ったのだが
どうやら本人はそんな長時間も隣には居られないと首を振って否定し
好夜がペアの席に座るのは無理となりもう一組も絶対に無理なので
残された晃平と明希音のペアになったという訳だ
「はぁ・・・命もせっかくのチャンスだというのに・・・」
晃平は棚に荷物を置きながら先ほどペアの席を断った命を見ていた
「でも旅が始まる前に戦線離脱されても困るからね〜」
しかし明希音の言う通り旅が始まって早々にリタイアされても困る
そういった意味では今回の旅はほとんど一緒に行動する事が多いので
別にゆっくりと距離を縮めていくのもいいだろう
「それに・・・多分もう一組の方も問題だと思いますよ?」
そして問題はもう一組の方にもあると明希音は言っていた
確かに始まって早々に慶太は遅刻して鉄拳制裁を食らい
とてもではないが異性としての距離を縮めれるようなスタートではなかった
「なんと言いますか・・・・大丈夫なんでしょうか?今回の旅行は・・・」
もはや出だしから不安しか感じない明希音は本当に今回の旅行は大丈夫なのか心配に思っていた
「まぁ・・・なるようにしかならないだろうな・・・」
しかし晃平も絶対に大丈夫という自信はなく成り行きに任せるしかないと考えていた
((なんというか・・・前途多難・・・))
この後の展開を考えて二人は思い切りため息を吐くのだった
だが当の本人達はそんな事を思われているとは知らずに楽しんでいた
「そういえば旅館にはどれぐらいで着くんだ?」
すると慶太は今回の泊まり先である旅館へ行くまでの時間を聞く
「そうだな・・・大体3時間といったところか」
「・・・3時間?!」
慶太が驚くのも無理はないだろう
今の時刻は10時くらいであり旅館に着くのは午後になるという事だ
つまり今日は海で遊ぶ時間はないと言われているようなもの
まさかの言葉に慶太は絶望していた
「いや・・・むしろなぜ一日海に行かないだけでそんなに絶望するんだ・・・」
その様子を見て晃平は一日だけでそこまで落ち込むかと呆れていた
「だってよ〜・・・それじゃあ何の為に海を選んだのかわからねぇじゃねぇか・・・」
確かに慶太は邪な考えで海に行きたいと思っていたので
一日でもそれが叶わないのは辛いことなのだろうが常人である二人には理解できなかった
「てかどの道みんなで来ている以上はナンパとかはできないけどな」
しかし敬子も一緒に来ているのでナンパなんてことは絶対にできないだろうと告げると
慶太はそれもそうだったと思い切りため息を吐いていた
「あんたね・・・女の子と一緒でなんでため息を吐くのよ・・・!」
その態度に失礼だと思った敬子は思い切り不機嫌になり
それを命が必死で押さえ込んでいた
「てかそこまでナンパってこだわる事か?」
すると好夜はどうしてそこまでナンパにこだわるのか聞くと
「だってそれが一番多くの女の子と話せるじゃん!彼女作れる可能性高いじゃん!」
どうやら慶太はそれが一番彼女が出来やすいと考えているらしいが
「いや・・・別にナンパで彼女できるとは限らないし
てかナンパの方が彼女できる確率は低いんじゃないか?」
確かに好夜の言う通りナンパの成功率の方が少ないと言えるだろう
そんなので彼女が出来たら苦労しないだろうと思っていた
「はぁ・・・なんか今回の旅行は失敗な気がするな・・・」
なんて事を言っていた慶太だったのだが
「うぉぉぉぉぉ!!海が見えてきたぁぁぁぁぁ!!」
窓から見えた景色を見て大喜びしていた
「さっきまで落ち込んでいたのはどこの誰なんだよ・・・」
それを見た好夜は先ほど人物はどこに行ったのだと思っていた
六人はそのまま駅を降りて歩いて行き旅館へと着いた
「「「いらっしゃいませ」」」
中に入ると仲居さんが何人か待っており挨拶をされた
そのまま受付で名前を確認し鍵をもらって部屋へと案内してもらった
「こちらの二部屋がお客様のお部屋です
どうぞごゆるりとお寛ぎください」
六人は早速男女に分かれて部屋へと入っていった
「おぉ・・・旅館ってだけあって風流があるな・・・」
中に入ってみるとそこまで古くはないが確かに歴史を感じる部屋で
好夜としてはとても満足のいく部屋だった
「そうだな・・・ここを選んで正解だったようだな」
晃平もこの旅館を選んで正解だと思っておりとても満足していた
「で?これからどうするんだ?電車の中で昼飯も食べたしそこら辺でも探索してくるか?」
荷物を置くと慶太がこれからどうするのかを聞いてきた
「そうだな・・・それもいいかもしれないがまずは向こうの意見も聞くぞ」
晃平はどうするかは女性陣の話も聞いてからにしようと告げると部屋の扉が叩かれた
「どちらさまですか?」
好夜が扉の前に行き誰が来たのか聞くと
「私達だけど中に入れてくれる?」
どうやら敬子達が来たらしく部屋の中に入れてくれないかと言われて
好夜は扉を開けて三人を部屋の中へと入れた
「なるほど・・・晩御飯の時間まで別行動か・・・確かにそれがいいかもな」
敬子達はこの後、三人でお風呂に入ろうと思っていたらしく
それを聞いて好夜が別行動にすればいいのではないかと提案したのだ
「それじゃあその案でいくとしますか!」
こうして六人は二手に分かれて良好を楽しむことになった
好夜達は当初の予定通り近くのお土産さんを散策していた
「意外と色々あるんだな〜・・・定番のもあればここだけのもあるし」
お土産の中には定番のものもあればここだけの限定というものもあった
「木刀・・・さすがにもうこんなのを買う歳ではないな〜・・・」
木刀も売っておりさすがにこれに喜ぶ歳ではなくなったと思っていると
「うぉぉぉぉぉ木刀も売ってるじゃねぇか!!」
同じ歳である慶太が木刀を見て大喜びしておりしかも購入までしていた
「・・・なんか恥ずかしくなってきた・・・」
あれと知り合いだと思うととても恥ずかしくなってきた好夜だった
とりあえずその場から離れようと思って色々と歩いていると今度は晃平の姿があった
「何買ってるんだ?」
好夜は近づいていったい何を買ったのか尋ねる
「色々とな・・・両親へのお土産とかクラスの友達とかな」
優等生の晃平らしく両親と友達に対するお土産を買っていたらしい
しかもちゃんと消費できるお菓子を買っていた
「なるほどな〜・・・俺も会長とかのお土産でも買うか」
好夜はそれを聞いて生徒会長や部活のみんなに買って帰ろうと思いお土産を選び始める
「・・・うん!やっぱりここ限定のお菓子が一番いいよな!」
こうして好夜はみんなへのお土産を選びレジに並ぼうとしていると
「ん?」
目の前に装飾品の商品が並べられておりそこに目がいった
「へぇ〜・・・色々あるんだな〜・・・!」
様々な装飾品があると感心していると一つだけ彼の目に止まった商品があった
「・・・・・」
好夜は自然とその一つを手にとってそのまま一緒にレジへと持って行った
こうして三人は買い物を終えて部屋へと戻っていくと
ちょうど目の前にお風呂から上がってきた命達の姿があった
「もうすぐ晩御飯になるしあんたらの部屋に行くわ」
敬子達は時間を見て自分達の部屋に戻るよりもこちらの方がいいと思い
そのまま好夜達の部屋に留まることにした
「そういえば命、これやるよ」
すると好夜は買ってきたお土産の袋の中から先ほど買った物を取り出した
「こっこれって・・・」
それはクローバーの形をした髪留めだった
どうやら好夜はこれが命に似合いそうだと思い買ってきたようだ
「ありがとう・・・!」
それを受け取った命はとても嬉しそうな笑顔をしており
買ってきた好夜もそれを見て買ってきてよかったと思っていた
「あっあの・・・!いっ今着けてもいっいいかな・・・?」
すると命はその髪留めをすぐに着けてもいいか聞いてきた
「もちろんいいよ」
好夜はもちろんいいと告げると命はすぐにその髪留めを着けて見せてくれた
「えっえっと・・・すごく似合ってるよ・・・」
その時に好夜はすごく可愛いと思い顔を赤くして照れながらそう言った
「あっありがとう・・・」
命もあまりにの嬉しさに顔を赤くして俯きながらお礼を言っていた
((((・・・何見せられてるんだろう・・・))))
そしてそれを見ていた四人は二人のイチャイチャの現場を見せつけられて
どうすればいいのだと思っていた
ちなみに二人のやりとりは晩御飯が来るまで続いたとか・・・
他人のイチャイチャ現場を見てるとどうすればいいのってなるよね・・・




