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送り際の思い出

今日は二人の思い出話の回です

期末対策の勉強会が終わりテストまでそれぞれの勉強を続けていく六人

そんな中で好夜はテストでわからない部分あったので

図書室で調べ物をしながら勉強をしていた

(ふぅ・・・今日はここまでにしておくかな・・・)

一通りの調べ物が終わった好夜はそのまま帰ろうかと思って部屋の外に出ると

「あれ?香野先輩に命も一緒で何してるんですか?」

何故か大量のプリントを持っていた香野と命の姿があり

好夜は二人の持っていたプリントを持ちながら事情を聞いていた

「なるほど・・・進路希望のプリントだったんですか・・・

 クラスの仕事だったとしても普通に俺とか呼んでくれればよかったのに」

どうやら運んでいたプリントは進路希望の用紙だったらしく

それをクラスで集めて職員室に持って行くつもりで歩いていたら

偶然にも命に見つかってしまい手伝うを必死で言われたので半分を持ってもらっていたのだ

「いやぁ〜・・・手伝ってもらおうかとも思ったんだけど

 みんな期末テストで忙しいかと思ってさ〜!」

香野は二人を気遣ってあえて手伝いを頼まなかったらしいが

正直な話をすれば命と好夜はそこまで心配するほど成績が悪いわけではない

「・・・てか会長に手伝ってってお願いはしないんですか?」

すると好夜は一つ疑問に思ったことがあった

それは同じ学年である生徒会長にはどうして手伝いを頼まなかったのかだ

「いやぁ〜・・・実はあいつはあいつで生徒会の書類を纏めてるんだよね〜・・・

 まぁ・・・ほとんど会長が目を通してハンコ押すだけの仕事なんだけど・・・」

その答えは生徒会長も生徒会の仕事をしているからだった

どうやら他の役員にお願いするほどでもないみたいなのだが

それでも忙しい事に変わりはないのでお願いしづらかったらしい



「・・・毎回思うんですけど・・・本当にロボットか何かですか?うちの生徒会長・・・」



「いやまぁ・・・確かに人間離れはしてるわよね・・・」

香野も自分の幼馴染はもう人間を超えていると話していた

「でも・・・二人が入ってきてくれてあいつも結構喜んでいたのよ?

 今年は前と比べて格段に楽になったってね?」

すると香野はそんな生徒会長も二人が生徒会に入ってとても喜んでいたと話していた

「そう言ってくれると嬉しいですね・・・これからも力になりますよ」

好夜はそれを聞いてこれからも力になると宣言する

「わっ私もせっ精一杯おっお手伝いします!」

命も自分に出来る限りお手伝いすると可愛く言っていた

「はぁ〜・・・!本当に命ちゃんは可愛いわ〜!もうこのまま私の妹にならない?!

それにハートを射抜かれた香野は命に抱きつき可愛いと言って愛でるのだった

「・・・あの〜・・・もう職員室に着きましたよ?」

そんな話をしているとすぐに職員室へと着いてしまった

「あれ?もう着いちゃったの〜・・・はぁ〜・・・もっと愛でていたかったのに・・・」

少々不満げに思いながら香野は好夜からプリントを受け取った

「それじゃあ二人ともありがとうね!

 あっ!もう遅いから命ちゃんは好夜くんに送ってもらうように!」

そう言って香野は職員室の中へと入っていった

「・・・もう用事がないならこのまま帰るか?」

好夜は命に学校での用事はもうないのか確認する

「えっえっと・・・まっまだ外で用事があるの・・・」

どうやら学校でも用事はないみたいだが外での用事は残っているらしい

「・・・ついていっても大丈夫なら俺も付き合うぞ?」

好夜は送って行けと言われた手前なのでその用事に付き合っても大丈夫なのか尋ねる

「うっうん!だっ大丈夫だよ!いっ一緒に行こう!」

それに対して命は満面の笑みで返事をするのだった



「・・・で?命の用事ってなんなんだ?」

好夜は歩きながら命の用事について尋ねる

「えっえっと・・・ほっ本屋さんでさっ裁縫の本を買いに・・・」

どうやら命の用事とは本屋さんで新しい本を買う事だったらしい

「裁縫の本か・・・それって部活の本なのか?」

好夜はそれを聞いて部活で使う為の本なのかと思っていた

「うっうん・・・!なっ夏休み中につっ作る物なの・・・!」

どうやら夏休み中の課題として一つ作らなくてはいけない物があるらしく

だからその作り方を書いた本を買いに向かうらしいのだ

「夏休み中にも課題があるのか・・・なんか体育会系の部活みたいだな?」

まさか文芸部でも課題があるとは思っていなかった好夜はそれを聞いて

まるで体育会系の部活と一緒だと思っていた

「こっ好夜くんもかっ課題があるの?」

命は同じだという言葉を聞いて好夜にも夏休み中の課題があるのかと思い確認すると

「まぁな・・・課題っていうよりも単純に部活内のトーナメント戦があるだけだけどな・・・」

どうやら好夜のいるテニス部では夏休み中に部活内トーナメント戦があるらしい

「おっ応援にいっ行ってもいい?!」

命は好夜の試合をしている姿を見たいと思いそれを見学できるか聞く

「たぶん大丈夫じゃないかな・・・そこまでいい試合できる気はしないけど・・・

 主に相手が相手だし・・・」

好夜は見にきても大丈夫だがカッコイイ姿を見せる自信はないと話していた

「?」

命はどうしてそんな事を言うのかと疑問に思い首を傾げると

「いや・・・実は同じブロックに生徒会長がいるんだよね・・・」

どうやら好夜の戦うブロックには全国準優勝の生徒会長がいるらしい

確かにそれは好夜にとって最悪な展開だと言えるだろう



「・・・おっ!本屋に着いたぞ」

そんな話をしていると目的地である本屋にたどり着いた

「わっ私は本をさっ探してるからこっ好夜くんも好きにみっ見ていていいよ」

命はそう言って自分の買おうとしている本を探しに向かった

「・・・それじゃあ俺も本を見てみるか・・・」

好夜も命を見送った後で何か面白い本がないか探しに向かった

「う〜ん・・・ほとんどの本は読んだし・・・

 知らないのを買うのは勇気いるよな〜・・・」

いろんな本を見て回ったがやはりいい本というのはそう簡単には見つからず

どうしようか考えながら歩いていると

「おっ?これは・・・へぇ〜・・・懐かしい本もあったもんだな・・・」

一つだけ小さい頃に見た本を見つけて好夜は懐かしいと思っていた

その本は小学生の頃、命に初めて勧められた本だった



小さい頃の好夜はとにかく外で遊ぶのが好きで図書室とは縁遠い関係だった

そんなある日の事、雨が降っていてグラウンドで遊ぶことができない日があった

好夜は体育館で遊ぼうとも思って向かってみるが

すでに色んな人が使っており遊べるようなスペースは無かった

しょうがないので好夜は今まで行ったことのない図書室へと向かった

しかし入って早々に好夜は今まで見たことの無かった色んな本に戸惑っていた

そして題名を見ながら何が面白そうか探してはみるものの

今まで本を見てこなかった影響なのかどうやって探せばいいのかわからなかった

「ん?」

そんな時に後ろから服が引っ張られて後ろを振り返るとそこには命の姿があった

「こっ・・・これ・・・!」

そう言って命が差し出したのは一冊の本だった

「えっと・・・これが面白いのか?」

好夜はもしかしてこれは命がオススメの本を持ってきてくれたのかと確認すると

命はただひたすらに頭を縦に振って肯定していた

「そっか・・・なら一緒に読もうぜ?俺そういうの全然わからないし」

これが好夜が本に興味を持つきっかけとなった

その本は命が勧めてくれたのもあり確かに面白く興味を引く本だった

しかし好夜にとってはそれだけでは無かった

命と一緒に本を読む時間、それが一番楽しかったのだ

それから命と一緒に図書室で本を読む時間が増えていったのだった



(・・・思えば俺も命に自分を変えてもらった瞬間があったな・・・)

好夜はその本を見ながら昔を思い出していると

「おっお待たせ・・・!」

どうやら目的の本を見つけたらしく命が本を持ってこちらに来た

「あっあれ?そっその本って・・・なっ懐かしいね?」

命もその本を覚えていたらしく懐かしいと思っていた

「ああ・・・久々に読みたくなったしこの本を買うかな?」

懐かしい事を思い出した好夜は久々にその本を買おうかと思っていると

「そっそれならわっ私の家にあっあるよ・・・!」

なんとその本は命がすでに持っているらしい

それもそのはずだろう

実は命が一番最初に進めたその本は図書室にあった本ではなく

命が好夜も好きそうな本を必死に探して買った本だったのだ

本当はそれをプレゼントしようと思ったのだが一緒に読んでくれるその時間を惜しいと思い

その本をあげようと思う気持ちが薄れていってしまったのだ

「そうだったのか?それじゃあ久しぶりに一緒に読むか!」

好夜はそれを聞いてそれなら命の家で昔のように一緒に読もうと言う

「!・・・うん・・・!」

命は満面の笑みを浮かべながらその提案に賛同した

「そうと決まれば急いで帰るとするか!」

二人はそのまま急いで命の家へと向かいその懐かしき本を読むのだった






ちなみに読み耽ってしまい夜になって

好夜が二度目のお泊まりをしてしまったのはまた別の話である

一人で読むのもいいですけどみんなと読む本もいいですよね?

皆さんも思い出の本はありますか?

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