波乱の小テスト
今回は慶太と敬子の話がメインです
林間学校が終わり好夜達は普通の学園生活へと戻っていた
・・・はずだったのだが・・・
「・・・終わった・・・俺の学園生活・・・」
何故か慶太が全てに絶望したような顔で机に伏せていた
「・・・人がご飯食って幸せな気分の時にため息ばっか吐くなよ・・・」
向かいで一緒にお昼を食べている晃平はため息を吐くなと言う
「なんでそんなに絶望した顔してるんだ?なんかあったのか?」
好夜はどうしてあんなに絶望した顔をしているのか聞くと
「ああ・・・来週の授業で小テストがあるのよ・・・でそれで赤点を取ったら宿題倍って言われてね」
どうやら敬子の話では来週の小テストで赤点を取ってしまったら宿題が倍になると言われたらしい
「「・・・たったそれだけでそんなに落ち込んでるのかよ・・・」」
理由を聞いた好夜と晃平はとても呆れたような表情を浮かべて項垂れていた
「たったそれだけってなんだよ?!こっちは必死で頭を悩ませてるんだぞ!!」
慶太はたったそれだけの理由と言われて自分は必死なんだと怒っているが
「「いや・・・普段からちゃんと勉強しておけば赤点は取らないだろ・・・」」
二人の口から最も言われたくない真実を言われて慶太は机に突っ伏する
「そういえば晃平くん達のクラスは何も言われてないんですか?」
すると明希音が晃平達のクラスではそう言った事を言われてないのかと聞く
「確かに小テストがあるのは知ってたが・・・赤点でどうこう言われた事はないな・・・」
どうやら小テストがあるのは知っていたらしいが赤点で罰を受けるという話はなかった
「何だよそれ〜!俺そっちのクラスの方が良かったな〜・・・」
それを聞いた慶太は罰を出してきた自分のクラスよりそっちのクラスの方がいいと言っていた
「いや・・・こっちのクラスは何も言われなくても赤点の奴はいないからな?」
しかし担任が何も言わないのは普通に赤点を取る生徒が一人もいないからだった
「・・・もう・・・この世に神なんていない・・・」
「てか何でそっちのクラスには赤点の奴がいないんだよ?!俺みたいに部活してる奴が多いだろ!!」
すると慶太がどうして好夜達のクラスには赤点の奴がいないのだと告げる
「そりゃあちゃんと勉強してるからだろ?・・・ほとんどの奴が一夜漬けだけどな・・・」
どうやらその理由はテスト前日に一夜漬けをして勉強をしているからだったらしい
「そんな・・・一夜漬けだと・・・?!」
慶太は何やらそれを聞いて凄まじいほどのショックを受けていた
「いや・・・何にショックを受けてるのよ・・・」
敬子は何に対してそんなにショックを受けているのだと思っていた
「だってよ・・・まさかそんな方法があったなんて思ってなくてよ・・・」
どうやら慶太はそんな方法でテストをクリアしているとは思っていなかったようだ
「・・・多分だけどあんたは無理よ?」
すると敬子が革命的な事を教えてもらったと思っている慶太に対して
その方法でテストをクリアするのは絶対に無理だと言っていた
「何でそう思うんだよ?」
もちろん納得のいかない慶太はどうして自分には無理なのか聞く
「だってあんた・・・そもそも問題自体がわかってないじゃない」
何故ならそもそも覚える問題自体を彼はわかっていなかったからだった
「そそそそんな事ああああるわけないだろ?!」
図星を突かれた慶太は挙動不審になりながらそんなわけはないと必死で否定する
「じゃあ来週の小テストはどこが範囲なのかわかるわよね?」
それを聞いた敬子は来週のテストの範囲はどこなのか確認を取る
「・・・・・」
しかし案の定というべきなのか慶太は何も答える事が出来なかった
「・・・とりあえず勉強だけはしておけよ・・・期末テストだってあるんだからよ・・・」
好夜はどのみち期末テストも控えているのだからちゃんと勉強をしていくように告げる
「・・・1日だけでそんな成績が上がれば苦労しねぇよ・・・」
「いや・・・むしろ1日だけでどうにかしようとするなよ・・・」
好夜は何んで1日だけでどうにかしようと思っているのかと呆れてしまう
「そうは言われてもさ〜・・・やっぱり部活とかあるし家に帰ったらもう疲れて何もしたくないんだよ」
どうやら慶太はどんな事があっても家で勉強をする時間は減ると言っていた
(((・・・もはやダメだなこいつ・・・)))
それを聞いた好夜達はもうこいつは手遅れだと思っていた
「・・・もうこいつの事は諦めることにして・・・二人は別に赤点の心配とかないだろ?」
好夜はもう手遅れの慶太は置いておいて他の二人にテストはどうなのか確認する
「まぁいきなりだったから満点は無理だろうけど・・・赤点はさすがにないかな?」
敬子は満点は無理でも赤点を取ることはないだろうと言っていた
「私も満点までは自信はないけどとりあえずは頑張ってはみるつもりです」
明希音の方も満点を取る自信はないけど頑張ってはみると言っていた
「・・・なんだろう・・・そう言って絶対に満点を取りそうな気がするんだが・・・」
それを聞いて好夜はそう言いながら絶対に明希音も満点を取るだろうと思っていた
「そういうあんた達だって赤点とかの不安はないでしょ?」
すると敬子はそっちは赤点を取りそうなのかどうか聞く
「そりゃあ・・・まぁ・・・赤点は取らないだろうけど・・・
平均点はいくかどうかわからないな・・・」
好夜は赤点は大丈夫だと思っているらしいが平均点までは自信がないと言っていた
「てかうちのクラスの場合・・・平均点高いんだよ・・・」
そしてその理由は自分のクラスの平均点が凄まじく高いからだった
「そうなのか?そこまで高い雰囲気はなかったが?」
すると同じクラスの晃平はそんなに平均点が高いのを全然知らなかった
「まぁ・・・だろうな・・・」
好夜はそれもそうだろうと思っていた
何故なら平均点が凄まじく高いのは晃平と命という秀才が二人もいるからだった
「・・・なんか自信無くすわ〜・・・」
すると先ほどまで明るい顔をしていたはずの好夜の顔が暗くなってしまう
「だっ大丈夫だよ!好夜くんならでっできるよ!」
そんな好夜に対して命は必死で慰めようとしていた
「なんか知らない間にまた一人脱落したぞ?」
晃平はその様子を見て脱落した人数が増えたと言っていた
「好夜は本番前にはちゃんと復活するでしょ・・・問題はあいつよ・・・」
好夜は別に放っておいても問題はないと思い問題は慶太の方だと敬子は思っていた
「まぁな・・・だが他に手の打ちようがないからな・・・みっちり当日まで勉強させるしかないだろ」
晃平は方法として当日まで見張ってみっちり勉強をさせるしかないと考えていた
「・・・因みにそれって誰がやるの?」
それは一体誰がやるつもりなのかと敬子はみんなの方を見ると
「「「・・・・・」」」
みんなして敬子の方をじっと見つめていた
「はぁ・・・やっぱり私になるわけなのね・・・」
敬子はそれを見てやはり自分がやらなければならないのかと思っていた
「そりゃあそうだろう・・・家が近いのお前だけだし・・・一日中はさすがに俺らには無理だ」
晃平はさすがに一日全てを慶太の家で過ごすのは無理なので
家が近くて夜になれば帰ることのできる敬子が一番の適任者なのだと伝える
「・・・わかったわよ・・・私がちゃんとやっておくわよ・・・」
敬子はそれを聞いてもう反論するのを諦めたのか
当日まで慶太の勉強の面倒は自分が見ると宣言した
「う〜ん・・・まぁ申し訳ないけど頑張ってくれ」
晃平は任せっきりにするのは申し訳ないが当日まで応援していると伝える
こうして二人に強化勉強特訓が始まったのだった
「もう・・・勘弁してくれ・・・!」
しかしその夜・・・もう既に慶太は疲れ切っていた
「いや・・・まだ始まってそんなに時間経ってないでしょうが・・・」
これは勉強に付き合っている敬子も呆れてしまう
「つってもよ〜・・・わからないもんはなんぼ勉強したって分かんねぇよ〜・・・」
どうやら慶太はもう既に勉強をしても手遅れだと思い込んでいるらしい
「だからって何もしなかったら赤点確実なのよ?それでもいいわけ?」
しかし勉強をしなかったらしなかったで赤点は確実になるので
宿題が二倍という悲惨な結果が待っている
「それはそれで嫌だけどさ〜・・・はぁ〜・・・何で小テストなんてあるんだよ〜・・・」
慶太はとりあえず宿題は嫌なので匙を投げたはずの勉強を再開する
「それにしてもあんた・・・本当によくこの学校に受かったわね・・・」
その勉強に付き合っている敬子はなんでこの男が今の高校に受かったのだと思っていた
それほどまでに今の慶太の学力はひどいものだったようだ
「まぁ・・・そん時は必死で勉強したからな〜・・・受かった瞬間に全部忘れたけど・・・」
どうやらその時も必死で勉強をして頑張ったらしい
しかし受かったとわかった瞬間に覚えていた全てのことを忘れてしまったようだ
「はぁ・・・なんでその集中力が長続きしないのかしら・・・」
敬子はその驚異的な集中力が何で今は発揮できないのだと思っていた
「・・・申し訳ございません・・・」
これに対してが勉強を見てもらっている慶太も何も言えず
とりあえずは必死で勉強をする以外になかった
「・・・もうこんな時間か・・・それじゃあ私は帰るけどちゃんと勉強しなさいよ?」
しばらくすると敬子の帰る時間になったらしく道具をカバンに入れて玄関に向かう
「あらもう帰るの?だったら慶太に送らせるから待ってて!」
玄関に向かうと慶太の母親が現れて息子に送らせるから待っているように伝える
「はぁ・・・なんか赤点以外に取れる自信がないわ〜・・・」
送っている最中、慶太はずっと赤点になるとため息ばかり吐いていた
「あんたね〜・・・女性を送っているのにため息ばっかり吐かないでよ」
それをずっと聞いていた敬子はそんなため息ばっかり吐くなと言う
「それに・・・私が当日までみっちり勉強を見てあげるから安心しなさい!」
慶太はその時に敬子が見せた笑顔でさらに不安になるのだった
そしてテストが終わり返却されてみると・・・
「・・・何であんだけ教えたのに0点なのよ!!」
どうやらテストの用紙に名前を書き忘れてしまったらしくそれで0点になったようだ
「いいでしょう・・・こうなったら二倍になった宿題の面倒も見てあげるわよ・・・!」
それに対して怒りが頂点になった敬子は宿題の面倒も
自分が見ると般若のような顔を浮かべていた
「いやぁぁぁぁぁ!!」
このおかげで無事に二倍の宿題はすぐに終わらせることができたとか
めでたしめでたし
「めでたくねぇぇぇぇぇ!!」
次回は晃平と明希音の話を書こうと思ってます




