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林間学校・2日目午前

今回は山に食材を取りに向かいます

林間学校二日目・・・

今日は朝ごはんを食べた後は昼の食材を森に取りに行くことになっていた

「いや・・・普通は山菜とかキノコを見分けるのを人にやらせるなよ・・・」

しかし普通の学生では毒性のある山菜やキノコを見分けるのが難しく

さすがの晃平達もこれには悪戦苦闘していた

「本当だな・・・俺らも好夜がいなかったらまずかったぞ・・・」

だが好夜は長年旅をしてきたおかげなのか

山菜やキノコを見分けるだけの知恵と目が養われていた

「でっでも普通に釣りとかもできるからそっそんなに心配ないんじゃ?」

すると命は川などもあるのでそこで釣りをすれば

昼の心配はないんじゃないかと思っていたが

「そっちも同じだろ・・・素人が一匹釣るのだって結構な時間がかかるし

 おまけにこっちで探せないやつは全員向こうにいるんだ・・・

 つまり・・・あっちはあっちで争奪戦の真っ只中ってわけだ」

山で何も取れない班の人たちがおそらく川で争奪戦をやっているので

一匹釣るのでさえ大変なことになっているはずだと好夜は予測していた

「だろうな・・・むしろこっちで肉とかになりそうな奴を探した方がいい」

晃平は魚を釣るよりもここで肉になりそうな存在を探すのが早いと考えていた

「いや・・・山で肉って言ったら大抵危険な動物とかが多いんだが・・・」

山で肉になりそうな動物は主に鹿や猪そして熊ぐらいだろう

しかし鹿はまだいいものの猪や熊に関しては

人が捕まえるにはいささか厳しいものがあるだろう

そんな風に好夜が思っている時だった

彼らの目の前に大きな猪が現れたのは・・・

「・・・マジか・・・」



猪はこちらを見つけた瞬間に地面を思いっきり踏んで突っ込んできた

「さすがにまずいだろこれは!」

それを見た好夜はすぐに命をお姫様抱っこして逃げ出す

晃平もすぐにその後をついていく

「やっぱり猪なだけあって早いな?!このままじゃ追いつかれるぞ!!」

しかしそのあまりに早いスピードは

好夜達も早く徐々にだが距離を詰められていってしまう

「こうなったら木の上に逃げるぞ!」

晃平の言う通り好夜は一旦木の上に登って猪をやり過ごすことにした

「てか・・・今思ったけどここ人工島だよな?・・・

 なんで猪が野生で存在してるんだよ・・・」

好夜はゆっくりと下ろしながらそもそもなんで猪がここにいるのだと疑問に思う

「おそらくは観賞用の動物の中に紛れ込んだんだろうな・・・

 そしてそれが繁殖して今に至る・・・そう言ったところだろう」

猪のいる理由としてはおそらく誰かが観賞用に連れてきたものが

逃げ出してそれが繁殖してしまったのだと晃平は予想していた

「それよりも・・・今はこの状況をどうやって打破するかの方が先だ」

確かに晃平の言う通り猪がこのまま下に居続けられてしまったら

木の上から永遠に降りることができなくなってしまうし

かといって猪がどこかに去って行ってしまったら他の生徒が危険に晒されてしまう

「とは言ってもな〜・・・何か武器みたいなのがあるわけでもないし

 トラップを仕掛けてるわけでもないからな〜・・・」

しかし肝心の猪を倒すにしても武器があるわけでもなければ

捕獲する為のトラップとかもないのでどうする事も出来ないのが現状だった

「あっあの・・・あれはつっ使えないかな?」



「なるほどな・・・確かにあれを使えば何とかなる・・・!」

命が指を差した場所を見て好夜はあれを使えばどうにかなると考えていた

「まずは俺が囮になる!晃平は準備しておいてくれ!」

好夜はその作戦を実行する為に自ら囮となり猪の注意を引く

その隙に晃平が目立たないように木から降りて罠を張る

「もういいぞ好夜!」

しばらくすると罠の準備が終わった晃平は好夜を呼ぶ

それを聞いた好夜はすぐに晃平の方へと向き直りそっちに走っていく

「・・・今だ!」

好夜と晃平は猪が罠の場所に来たのを見て蔓を目一杯引っ張る

すると猪はそれに足を取られて蔓が伸びていた大きな木にぶつかり倒れた

「・・・はぁ〜・・・なんとかなったな・・・」

猪が倒れたのを見て好夜と晃平はその場で座り込んでしまう

「だっ大丈夫?!」

その二人を心配して命が駆け寄ってくる

「なんとかな〜・・・あとは仲間がいない事を祈るしかないな・・・」

好夜は猪がもうこれ以上いない事を祈るしかないと思っていた

「とりあえずこいつも連れて行くか・・・」

三人はさすがにこれ以上の探索は体力的に無理だと判断し

猪と取った山菜を持って森を抜けることにした

「・・・そういえば他の班はどうしてるんだろうな?

 俺達みたいに猪とかと出会ってないといいんだが・・・」

好夜は他の班は今頃どうしているのか気になっていた

確かにこんな激闘があった後では他の班が心配になるのも無理はないだろう

今回の事だって好夜達だからなんとかできただけであり他の学生は一般人なので

さすがに猪を倒すなんて不可能だろう



「まぁ大丈夫なんじゃないか・・・多分・・・」

晃平も絶対に大丈夫だとは言えなかった

しかし何かあれば先生が助けてくれるはずだと考えそこまでは心配していなかった

そしてしばらくするとようやく森を抜けてキャンプ場へと戻って来た

「やっぱりみんなそこまでいい物は取れてないみたいだな」

周りを見てみるとやはりこのお題ではかなりきつかったのか

ほとんどの生徒が食材を全く取れていなかった

「仕方ないだろう・・・こればっかりは経験の差だからな

 素人がどんなに頑張っても覆せることではない・・・」

晃平の言う通りこれは経験がものを言うのでここでどんなに頑張っても意味がない

しかしそんな中でもそれなりに食材を取れているものはたくさんいた

「ちょっと待って!なんでここにマグロがいるんだよ?!

 普通は海でしか釣れないだろうが!!」

好夜は何故かテーブルに置かれていたマグロを見てなんでここにいるのだと叫ぶ

「いや・・・なんでか川で釣りしてたらいつの間にか現れた・・・」

マグロを釣り上げた敬子は川で釣りをしていたら何故か釣れたと言っていた

「それに・・・あんたらだって変わらないもの捕まえてるじゃない・・・」

しかし敬子も好夜達が持っている猪を見て変わらないだろとツッコまれる

「まぁな・・・で・・・なんで慶太はあんな隅っこで落ち込んでるんだ?」

何故な慶太はすごい落ち込んだ顔をしながら隅っこで体育座りしていた

「・・・実は・・・川で釣りしてたらヤカンとか長靴とかしか釣れなくて

 最後には何故かタイヤを釣っちゃって魚を一匹も釣ってないって落ち込んでのよ」

どうやら慶太も川で一緒に釣りをしていたらしいが肝心の魚は全く釣れず

そのまま時間が来てここに戻ってきてしまった為、男としての面子が戦うなり

ああやって落ち込んでしまったらしいのだ



「いやまぁ・・・むしろそんなもんばっか釣り上げたのがすごいんじゃ・・・」

好夜としては川で釣りをしていたはずなのに魚以外全然釣れていない方が

むしろすごいんじゃないかと思っていた

「・・・とりあえず調理を始めるか・・・」

慶太を励まそうとも考えたがもうお昼も近いので今は調理を優先することにした

「とりあえず俺達はこの捕まえた猪で鍋でも作るか」

好夜達は昨日の残った食材と取ってきた山菜そして猪を使った鍋を作ることにした

好夜と晃平は早速食材を切っていき味付けなどを命がする

「さてと・・・問題はこいつか・・・」

一通りの下ごしらえが終わり残されたのは猪だけとなった

問題はこの猪をどうやって捌けばいいのかわからないということだった

「好夜は何か知らないのか?」

晃平は好夜なら猪を捌けるのではないかと確認するが

「いや・・・俺だってさすがに猪を捌いたことはねぇよ・・・」

さすがの好夜も猪を捌いたことは一度もなくどうすればいいのか逆に聞きたかった

「だよな・・・とりあえず見よう見まねで捌いてみるか・・・」

晃平はとりあえず適当に捌こうと思い包丁を握ると

「なら私がやってあげましょうか?」

キャンプ場の係員が来て代わりに猪を捌いてあげると言ってくれた

「えっと・・・できるんですか?」

好夜は本当にできるのか確認すると係員さんは慣れた感じで猪を解体してくれた

「・・・すごいな・・・」

好夜と晃平はそのあまりに見事な手捌きに思わず感激してしまう

「それじゃあ後は調理頑張って!」

そう言って係員さんは次に敬子達のマグロを解体し始めた

((いやあの人何者だよ?!))



こうしてなんとか調理は終わり鍋は完成したのだったが

「とりあえず出来たのはいいんだが・・・

 さすがにこの量を三人で食うのは無理だな・・・」

やはり猪一匹分の鍋はかなりの量であり三人で食べきるには多すぎた

「他の班の人に分けてやるか・・・残して捨てるのも勿体無いしな」

好夜は食材を取れなかった班に分けることを提案した

「いっいいと思う!みっみんなで一緒にたっ食べよう!」

命もこの提案に乗り早速みんなに鍋を分けていくことにした

「おかげさまでなんとかなったな〜・・・

 それにしても・・・みんなすごい勢いで食べていくな・・・」

みんなはよほどお腹が空いていたのか

好夜達からもらった猪鍋をすごい勢いで食べていた

「・・・そういえば敬子達の方はどうなったんだ?

 俺達と一緒であの量を三人で食べるのは無理だろ?」

マグロ一匹分を三人で食べるのは自分達を同じく無理なはず

そんな敬子達は一体どうなったのか見てみると

「あっちもあっちで何か行列できてるじゃねぇか?!!」

そこにはすでに猪鍋と同じくらいの行列ができていた

「普通はこんな山の中でマグロなんて食えないしな・・・

 みんな食べたいと思うのが普通だろ・・・」

晃平はこの山の中でマグロが食えるのならみんなそっちに行くだろうと言っていた

「はぁ・・・まぁいいか・・・みんなが満足したんならそれで・・・」

好夜はみんなの笑顔を見てこれはこれで悪くないかと思うのだった



「・・・そっそういえばわっ私達の分は?」



「「・・・あっ・・・!」」



その後、好夜達は急いで自分達の分を取りに向かい

ギリギリ確保することができたとか・・・

次回は遊びをメインに書いていきたいと思います

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