思い出のシュークリーム
今回はお菓子を食べに行きます
ようやく大変だった体育祭も終わり好夜達は普通の学校生活を送っていた
「・・・めちゃくちゃ筋肉痛・・・!」
・・・失礼・・・どうやら普通ではなかったようだ
「さすがにあんな運動した後で全力疾走はやっちゃダメだったな・・・」
好夜はお疲れ会が終わった後に走って帰った事を後悔していた
まぁ親に叱られなかっただけマシいうもの話なのかもしれないが・・・
「だっ大丈夫?」
その姿を見ていた命は本当に大丈夫なのか聞く
肝心の命は好夜がお姫様抱っこで連れ帰ったので全然疲れていなかった
「なんとか生きてはいるよ・・・
でもしばらくは運動は控えたい・・・」
さすがの好夜もしばらくは全力で動きたくはないと思っていた
「でっでも・・・部活は普通にあるんじゃ・・・」
しかし現実は思ったよりも残酷だった
体育祭が終わった後でも部活動は普通にあるのだ
「・・・もう絶対に慶太と勝負しない・・・」
今回疲れた原因でる慶太との勝負はもう二度としないと誓う好夜であった
「そんな事言っても後二年は勝負するぞ?」
だが晃平の言う通り今の彼らは一年生なので
最低でも残り二回は真剣勝負が待っていた
「だったら慶太とは絶対に違う種目に出るだけだ・・・」
それならば慶太と違う種目に出場すればいいはずだと言って
次からの勝負は絶対にやらないようにしようとしていた
「いや・・・そんな事したらあいつが泣くぞ?」
晃平はそんな風に避けたら絶対に慶太が文句を言うだろうなと思っていた
「いや・・・そんくらいで泣かれても困るんだが・・・」
確かに高校生の男子が一人の人間と勝負ができないくらいで泣くのは
さすがにどうかと思うだろう
(いや・・・あいつならマジで・・・)
だが本当にやりそうでもあるから好夜もなんとも言えなかった
「そういえば・・・会長達は俺達みたいになってるのかな?」
すると好夜は会長達も自分達と同じように筋肉痛になっているのかと思っていた
「いや・・・足立先輩はありそうだが・・・あの二人は想像できないな・・・」
晃平も足立ならそれもありえそうだと思っていたが
香野と会長に関してはその姿すら想像できていなかった
「・・・そんなにありえないのかよ・・・」
それを聞いた好夜はそこまで凄いのかと改めて呆れていた
いや・・・むしろそこは何者なのだと疑問に思うべきなのだろうか?
「・・・なんか考えるのもバカらしくなってきた・・・」
好夜はそれ以上会長達に関して考えるのをやめる事にした
「はぁ・・・俺も放課後にあの部長の熱気が待っているのかと思うと
少し気持ちが参ってくるよ・・・」
晃平もこの後に龍間のあの熱血が待っているのかと気持ち的に参っていた
「確かに・・・夏場にあの熱血っぷりはさすがにな〜・・・」
これについては好夜も同じ意見だった
何せ相手はあの龍間なのだ
冬ならばあの熱気が暖かいと思えるが
夏場にやられてはさすがに暑苦しすぎる
むしろ本人が何故、熱中症で倒れないのだと不思議に思うくらいだ
だがそこが彼のいいところでもあるのでなんとも言えない
「う〜ん・・・やっぱこうしてみると・・・うちは変人が多いな・・・」
「それ・・・自分も変人と認めてないか?」
「・・・・・」
それに対して好夜は何も言わなかった
まぁ・・・もはや黙っている時点で答えは出ているようなものだろう
「おら・・・とっとと席につけ〜・・・」
そこへ先生が来て朝のホームルームが始まった
(あ・・・そういえばラケットのテーピングがないんだった
帰りに買いに向かうか・・・)
その話に最中にラケットのテーピングが切れているのを思い出し
帰りにお店で買えばいいと思っていた
その後、三人はちゃんと授業を受けて時間はお昼休みになった
「ぐぉぉぉぉぉ・・・全然授業を受けれてねぇ〜・・・!」
一緒にご飯を食べに来た慶太はあまりの筋肉痛に
まともに授業を受けれなかったと愚痴っていた
「あんたの場合は筋肉痛じゃなくてもまともに受けてないでしょ!」
しかし普通の状態でも
まともに授業は受けていないだろうと敬子にバラされてしまう
「ちょっ?!馬鹿野郎!それを言うんじゃねぇよ!!」
それを聞いた慶太はなんでもそんな事をバラすんだと怒っていた
しかし別に敬子がバラさなくてもみんなはその事を知っていた
何故ならば・・・
((まともに授業を受けてたらテストで赤点は取るはずねぇもんな・・・))
毎回テストで赤点を取っているのは慶太だけであり
他のみんなはちゃんと授業を受けているので赤点を取ることはなかった
「てか・・・なんでお前らはそんなになんでもなさそうなんだよ・・・」
すると慶太はなんで他のみんなが比較的に軽そうなんだと思っていた
「いや・・・俺も結構、筋肉痛で苦しんだが・・・」
「俺はそこまで動いてないしな・・・筋肉痛になるわけがない」
晃平はそんなに激しい運動をしていなかったので筋肉痛にはなっていなかった
「私も同じくかな?」
明希音もそんなに動かないでいたのでそんな筋肉痛になる事はなかった
「私も筋肉痛だけどあんたみたいに本気は出してないからね
軽い方だとは思うわよ?」
敬子はそこまで本気は出していなかったので筋肉痛としては軽い方だった
「それじゃあバカみたいに本気出して筋肉痛がひどいのは俺らだけかよ・・・」
それを聞いた慶太は本気を出して臨んだのは俺らだけかとショックを受けていた
「いや・・・多分、会長達も本気を出してただろうな・・・
あの人達は手を抜くとか絶対にしなさそうだし・・・」
しかし好夜は会長達も絶対に本気を出していたと言い切った
それもそのはずあの三人は昔からのライバルでしかも今回が最後の体育祭だ
むしろそれで本気にならない方がおかしいだろう
「だとしたらあの人達は化け物だろ・・・今日も普通に授業出てたぞ・・・
しかも龍間先輩と真島部長に関してはめちゃくちゃ元気だったし・・・」
それを聞いた慶太は先ほどの三人を見ていて化け物だと思っていた
まぁ・・・そこはさすが体育会系の部長だと褒めるべきなのだろうが
あまりに人間離れしすぎているのでむしろ恐怖しか出てこなかった
「それに関してはもう考えるな・・・考えるだけ損だ・・・」
なので好夜はこれ以上考えるのをやめるように言った
「・・・そうだな・・・」
それに対して慶太達は同意見だと首を縦に振るのだった
「・・・あっ!そうだ!今日お前ら時間あるか?!」
そのまましばらく静かにしていると
慶太は放課後に遊びに行こうと誘ってきた
「別にいいけど・・・俺はテーピングも買いに行くぞ?」
好夜は放課後にテーピングを買いに行くと伝える
「わっ私も手芸の材料買いに・・・」
すると命も買う物があるらしくその後でならいいと伝える
「別に全然いいぜ!むしろその方が都合がいい!」
しかし慶太は諦めるどころか買い物をするなら都合がいいと言っていた
それに対して二人は疑問符を浮かべていると
「今日はみんなで昔行った事のある
シュークリームを食べに行こうと思っていたんだよ!」
どうやら今日の目的はシュークリームを食べに行くことだったらしい
それを聞いた二人はそのシュークリームの事を思い出していた
「そういえばあったな・・・みんなで食べに行ったわ・・・
でも確かあそこは店主のおじいちゃんが死んでしまったんじゃないのか?」
しかしそこは彼らが小学生の頃
店主のおじいちゃんが死んでしまったのをきっかけに閉店してしまい
それ以降は別のお菓子を売っていたはずだと好夜は思い出していた
「まぁな・・・でもあそこのお孫さんが海外修行から戻ってきて
おじいちゃんの味を再現したらしいぜ!
だからみんなで確かに言ってみようってこと!」
するとその店主の孫が海外修行へて帰ってきたらしく
そのおじいちゃんの味を再現したらしいとの話を聞き
慶太はそれを確かめにみんなで行こうと提案したようだ
「なるほどな・・・確かにそれは行ってみる価値ありだな」
好夜はそれなら行ってみたいとその提案に乗った
「わっ私も行ってみたいです・・・!」
命もそのお店には愛着があったので行くと伝える
「なら部活終わったらみんなで行こうぜ!」
こうしてみんなはそれぞれの部活動を終わらせて校門の前に集合した
「さてと・・・それじゃあ行きますか・・・!」
六人は早速そのお店のある商店街へと向かった
「悪ぃ!いつもの商品がなくて遅くなった!」
途中で好夜と命の買い物も済ませる
いよいよ本命のシュークリームを食べに向かった
「へぇ〜・・・懐かしいな〜・・・全然変わってねぇわ・・・!」
好夜はお店の前について昔のままだと感動していた
「いや・・・別に閉店したわけじゃないからな・・・」
しかし慶太の言う通り閉店したわけではないので
姿が変わらないのは当たり前といえば当たり前である
「とりあえず中に入るぞ?店の前にたむろしても迷惑だしな」
冷静な晃平は店の前にいるのは迷惑だとすぐに中へと入って行った
「いらっしゃいませ・・・6名様ですね?こちらへどうぞ」
お店に入ると過ぎにテーブル席へと案内してくれた
「いらっしゃいませ・・・何にいたしますか?」
そして席に着くと別の店員さんが注文を聞いてきた
「このお店限定シュークリーム6個で」
晃平はみんなを代表して例のシュークリームを頼む
「シュークリーム六つですね?受けたまりました
少々お待ち下さい」
店員さんは伝票を取るとそのまま厨房へと向かう
「あれが例のお孫さんか?」
好夜は先ほどの店員が海外に行っていた孫なのか尋ねる
「いや?あれはバイトの店員だよ
多分本人は厨房にいるはずだろ」
「お待たせしました・・・限定シュークリームです」
みんなでお話をしているといよいよ例のリュークリームが届けられた
「おお!確かに見た目は昔のにそっくりだ!」
それを見て好夜は昔の同じだと感動していた
「残るは味の確認だな・・・それじゃあ早速」
「「「「「「いただきます」」」」」」
「・・・!美味しい・・・!本当に昔のやつと同じ味だ!」
一口食べてみるとそれはまさに昔食べたシュークリームと同じ味だった
それを食べた六人はあまりの美味しさに感動していた
「いやぁ〜・・・そんなに嬉しそうに食べてもらえると作った甲斐があるよ」
するとそれを見ていたパティシエの格好をした男性が立っていた
「もしかして・・・あなたがここのお孫さん?!」
好夜はこの人が例のお孫さんだと思っていると
「あれ?君達は・・・あの仲良し六人組か!」
どうやら向こうも好夜達のことを知っていたらしい
「そうか〜・・・君達ももう高校生なのか〜・・・
なんだかそれを聞くと時が経ったと思うな〜・・・」
お孫さんにとってみんなは昔の常連だったらしく
いつもみんなで仲良く食べに来ていたのが印象的だったらしい
「それにしてもすごいですね!
本当に昔食べたシュークリームと一緒でしたよ!」
好夜は彼の作ったシュークリームを絶賛していた
「ありがとう!実際じいちゃんはレシピを残してくれんかったから
記憶の中のを再現するのは難しかったよ・・・
でも・・・みんなが美味しそうに食べてくれるのなら頑張った甲斐があった」
その言葉を聞きながら笑顔を見せるお孫さん
六人はその顔を見ながら幸せそうにシュークリームを味わうのだった
シュークリームにした理由はただ一つ・・・私が好きだからだ!!




