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頑張る生徒会と羨ましい好夜

生徒会メインで好夜は最後の方で登場します

合宿が始まってまだ数時間くらいしか経っていない頃、既に生徒会メンバーは限界を迎えようとしていた

「豚汁のおかわり出来ました!空になった鍋をお預かりします!」

「あっありがとう・・・!そっそれと洗ったお鍋ももっもう一度、持ってきてもらっていっいいかな!?」

「分かりました!私も後で野菜とか切るのをお手伝いさせてもらいます!」

「・・・いやなんか知らないけどなんでこんな殺伐とした食堂になってるの?」

自分もお昼を食べに来た三木は食堂の様子を見てなんでこんな状況になっているのだと呆れている様子だった

そしてもちろんこんな事になっている理由は他でもない部活で腹を空かせた獣達の仕業だった

普段以上の体力を使った運動部員達はそのエネルギーを補給する為にガッツリとご飯を食べていた

その量は間違いなく普段とは比べ物にならないほどの量でそれを作る生徒会も大忙し

その結果、まるで食べる人間対作る人間の勝負みたいな光景が食堂で繰り広げられていたのだ

「ああ・・・そういえば俺らが高校生の時も合宿はこいつらみたいにがっついてた記憶があるな・・・

 いや・・・やっぱりここまで酷く無かったか・・・それにしても生徒会のみんなも凄いな・・・」

確かにこれほどまでの量を食べれる運動部員達も凄かったのだが一番はその食べる量を作れる生徒会だろう

正確には生徒会とボランティアで手伝ってくれている学生達のおかげなのだが実際に彼らは凄かった

運動部員達が食べ終わるとまるでそれを予見していたかのように新しい料理を作って用意しておき

他にも事前の準備が必要だったり作り置きが必要な物をとんでもないスピードで捌いていくなど

もはやその芸当はプロの料理人とほとんど変わらないものだと言っても過言ではないだろう

しかしそんな彼らであっても限界というものは存在するのでこれをずっと続けていられるわけでもない

それこそ本当に作る方が潰れるか食べる方が満足するかそんな勝負だと言ってもいいだろう

「う〜ん・・・お前ら〜!食べるにはいいけどあんまり食べ過ぎて午後の練習サボるなよ〜?」

『大丈夫です!ちゃんと腹八分で抑えるんで!!』

「・・・いやそんな量を食われた状態で言われても全然説得力がないんだけど・・・」

一応は三木もあまり食べ過ぎて午後の練習に支障が出ても困るので注意喚起はするのだが

そこら辺はちゃんと把握して食べていると彼らは宣言しており明らかにその様子から

これ以上は何を言っても無駄だと判断し三木は自分のご飯をもらってお昼を先に済ませる事にした

(・・・午後の練習・・・もしかしたらもっとキツくしてもいいかもしれないな・・・)



こうして激戦のお昼を終えた生徒会とボランティアの生徒達だったがまだ一日を終えたわけではない

食器の片付けに汚れた備品の整理そして夕方には汚れたユニフォームなどの洗濯など

仕事はおそらく捌ききれないほど残されていると言っても過言では無かった

「・・・なんかもう・・・自分らの食事とかどうでもよくなってきますね・・・」

「ああ・・・あんな風に食べている瞬間を見てしまったら正直、食欲が湧いてこない・・・」

「あははは・・・確かに慣れてないとあの光景はキツイよね・・・一年生の三人は休んでてもいいよ」

先ほどのお昼で既に一年生の三人がやられてしまっており明希音はしばらく休んで問題ないと告げる

それを聞いて三人は後片付けをしているみんなの姿を見るのだが何故か自分達とは違いみんなまだピンピンしていた

「・・・先輩達、凄いですね・・・僕達なんてさっきのだけでもう体力も気力も限界なのに・・・」

「私達は中学の時もボランティアで合宿のお手伝いをした事があったからね〜・・・

 それに他にも調理部に参加してたから色々と参加させてもらう事が多くて・・・慣れってやつだよね〜・・・」

そう言っている明希音の顔は明らかにどこか遠くを見つめており

それだけで三人はそれだけの修羅場を潜り抜けてきたのだと察していた

だからこそ自分達の結局はこの環境に慣れるしか解決方法はないのだと少しだけ残念そうな顔をしていた

「まっまぁだからと言ってそっそこまで必死にやらなくてだっ大丈夫だよ?たっ倒れたら元も子もないから・・・」

「命先輩〜・・・なんかもうその言葉だけでまだ頑張れる気がしてきました!私にも何か手伝わせてください!」

「・・・やっぱりなんか変な友情が芽生えてるな〜・・・あんまり羨ましいと思わないけど・・・」

やってきた命の言葉を聞いて復活した千鶴はそのお手伝いをする為に必死で頑張っており

とても微笑ましい光景ではあるのだが今の自分達の状況を考えればあまり嬉しくはないと明希音は思うのだった

「・・・あっ!忘れてた!男子はここの手伝いはいいからグラウンドの方に言ってタオルの交換お願い!

 本当は私達も行きたかったんだけど食器の片付けが思った以上に多いから手が離せなくて・・・」

「わっ分かりました・・・えっと僕は野球部の方に向かうからサッカー部はお願いしていいかな?」

真司は野球部の方に洗濯物などを受け取りに向かいサッカー部には浩介が向かった

「洗濯物か?とりあえずはそのバスタオルの山をお願いしても大丈夫か?後はまだ汚れてないからな」

洗濯物を取りに来た真司に晃平は午前で出た汚れたバスタオルの山を持たせる事にした

その量は意外にも少なくて真司はこれくらいなら大丈夫だと少しだけ安心していたが彼は忘れていた・・・



この洗濯物は結局のところほんの一部でしかないという事を・・・



そして時刻は夕方を迎え合宿初日最大の山場を迎える・・・それは他でもない食事と洗濯をするからだった・・・

「なっなんか昼間にもらったバスタオルの山なんか可愛く思えるほど多い気がするんだけど・・・」

「あっああ・・・どうやら俺達は昼間の光景で少し甘く見ていたのかもしれないな・・・」

洗濯係を引く受けていた真司と浩介だったがその圧倒的な量を見て呆然としていた

いくら部員が少ないとは言っても着替えない人間がいないわけではないのでこうして着替えも発生する

しかも夏場ともなれば汗も尋常ではないほど出てくるので自然と着替えの量も増えてくるのだ

「とはいえ・・・流石にこの数を二人でやるのは骨だぞ・・・どれだけの時間が掛かるか・・・」

「でも向こうにお手伝いしてもらうわけにはいかないよ・・・昼間のアレを見た後だと・・・」

そう・・・料理組も今の真司達に負けず劣らずの忙しさをしており手伝いなんてとても言えなかった

となれば自ずと目の前にある洗濯物の山・・・いや連峰はこの二人だけで捌かなくてはいけないのだ

「文句を言っても始まらない・・・!とにかくこれを片付けなくちゃ!おっしゃ!!」

真司は急いで洗濯を始めるとそれを見ていた浩介もとにかく片付けようと洗濯を開始する

こうして洗濯を始めておよそ一時間くらい経ったのだが一山すら片付いてはいなかった

「・・・雅君・・・僕・・・とてもこれを片付けられるとは思えないんだけど・・・」

「俺も同じく・・・本当にこれは二人で片付けられる物なのか?いずれにしてもこのままだと終わらないぞ・・・」

確かに浩介の言う通りこのままでは確実に夜中までこの洗濯物が終わる事はないだろう

どうすればいいのだろうと思っているとそこへ見た事もない人達が入ってきた

「えっえっと・・・どちら様でしょうか?」

「ああごめんなさい!私達は合宿に参加してる子達の親よ

 お仕事とかあって遅くなったけど今から私達も手伝わせてもらうわね!」

どうやら部屋に中に入ってきたのは合宿に参加している人達の親だったようで

仕事が終わってからこちらのお手伝いをしに来てくれたらしく真司達の前にある洗濯物を片付けていく

「おぉ・・・!これなら思っていた以上に早く終わるかも!お手伝いありがとうございます!」

「いえいえ、こちらこそウチの息子達を手伝ってくれてありがとうね?

 本当は私達が色々としなくちゃいけないのに・・・でもおかげで本当に助かってるわ」

こうしてどうにか洗濯物を終えて真司達は見事にこのピンチを乗り切ったのだった



「へぇ〜・・・確かにそれはすごい一日になったな・・・命もお疲れ様」

『うっうん・・・いっ一年生の三人にはだっ大分、めっ迷惑を掛けちゃった・・・』

「いやいや、あいつらも生徒会の役員なんだからこれくらいは乗り越えてもらわないと」

命は今回の事で一年生の三人に対して申し訳ないと思っているようだったが

そもそも彼らも生徒会の役員として活動をしているのでこれくらいは熟せなくてはならない

何故ならばこれ以外にも生徒会には色々と忙しくなる日は一年間でいっぱいあるのだ

しかも彼らは後二年間もそれを体感しなくてはいけないので本当に頑張らなくてはいけない

それを考えたら今回の一件は彼らにとっていい経験になる事を願うしかないだろう

『そっそれよりもこっ好夜君の方はどっどうだったの?がっ合宿は?』

「ん?ああ・・・まぁ去年と同じ感じだったかな?会長がいない分、楽だったけど・・・」

去年のテニス部の合宿はまさしく鬼と言われるだけの部長がいたのでかなり苦労していた

特に好夜は期待されていたのでそれはそれは他よりも厳しく鍛えられていたというものだった

(・・・本当・・・あれに比べたら今年の合宿は天国みたいだよな〜・・・強くなってる実感はないけど・・・)

正直な話、今の好夜はとても強くなっているので今のテニス部にいる部員では誰も相手を出来ない

故に合宿をしたとしても特に自宅で練習するのと特に意味なんてないのだ

「・・・なんかそっちの方は楽しそうだな〜・・・俺もそっちに参加すれば良かったかな〜・・・」

『ダッダメだよ!ちゃっちゃんとがっ合宿に参加しないめっ!だよ!』

「いや分かってるって・・・それじゃあ命も頑張ってな!」

『うっうん・・・!そっそれじゃあね・・・』



「・・・めっめっちゃ可愛かったな〜・・・はぁ・・・本当に向こうの連中が羨ましい・・・」

次回は好夜と敬子の方がメインです

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