お疲れ会
みんなで打ち上げします
体育祭が終わり会長からのお誘いで生徒会室でお疲れ会をすることになった
「いいんですか?勝手に使って?」
今更だが晃平は本当に使って大丈夫なのか尋ねる
「ちゃんと許可はもらっているから大丈夫だ・・・
俺達も毎年使わせてもらってるしな・・・」
どうやらちゃんと許可をもらって使わせてもらっているらしい
それを聞いた晃平は安心してここを使わせてもらうことにした
「・・・てか会長はこんな時でも働くんですね・・・」
しかしみんなが楽しんでいる中で会長だけが働いていた
「後始末を少し残していてな・・・すぐに終わるから気にしないでくれ」
会長はすぐに終わるからあんまり気にしないで楽しんでくれと言っていた
それでもさすがに騒ぎすぎるわけにはいかないので
少しだけ大人しくしようとみんなで思っていると
「いやぁ〜!今年はだいぶ動いたから疲れちゃったわ!」
香野が何も気にせず大声で疲れたと言い放った
それを見ていた好夜達はその時、思っていた
(((((この人・・・ダメだ・・・)))))
香野の空気読めないっぷりを見た好夜達はこれ以上
彼女を喋らさないように頑張るのだった
「それにしても・・・会長すごかったですね・・・
あの体育部の部長二人を相手に圧勝するなんて」
すると敬子が会長がすごかったと褒める
「まぁな・・・だがいつもあいつらが協力してくれれば
もっと苦戦すると思っているのだが・・・
とうとう最後まで協力しなかったな・・・」
どうやらあの二人の仲の悪さは昔からのようだ
(そっか・・・会長達は今年が最後の体育祭だったんだ・・・)
おそらく学生時代にとって高校の体育祭が最後の場なのだろう
それを考えると今年で卒業する三人は
どれだけ寂しいのだろうかと好夜は思っていた
「まぁ・・・それがあの二人の良さなのだと思って・・・
とっくに諦めてたけどな・・・」
しかし会長は三年生になる前に
あの二人の仲は直らないと諦めていたようだ
「あははは・・・」
これに関しては好夜も苦笑いするしかなかった
「そういえば俺達は制限かけられましたけど・・・
会長達はそんなのなかったんですか?」
晃平は自分たちにかけられたようなハンデはなかったのか尋ねる
「昔はあったが・・・いつの間にかなくなっていたな」
どうやら昔はちゃんとハンデがあったらしいが
今年はそんなハンデはなかったらしい
高校最後の体育祭だから無くしたのかと好夜は思っていると
「ああ・・・結局ハンデつけても結果が変わらなかったから
みんな諦めて普通にやらせることにしたのよ」
どうやら香野の話によればハンデをつけても会長のクラスは優勝できたらしく
そこまでいくのならハンデなんて意味がないだろうと諦めたらしい
(・・・俺ら以上の規格外じゃん・・・)
それを聞いて好夜はやはり先代の人達はすごいのだと思っていた
「まぁ・・・威張れたことじゃないがな・・・」
当の本人はやりすぎてしまったと後悔していた
「いや・・・なんで体育祭で手を抜かなかったことを後悔してるのよ・・・」
「てかあんた達も大概だったわよ?
見てて昔の自分達を思い出しちゃったわ」
香野は好夜達を見ていて昔の自分達を見ているようだと言っていた
「いや・・・三人のアレに比べたらまだマシでしょ・・・」
しかし好夜は三人には負けると卑下する
「今はね・・・でも三年生になったら私ら以上になるかもしれないわよ?」
それを聞いて好夜達は微妙な顔になった
しかしそれはないと言い切れないのも事実だった
「そういえば・・・命ちゃんのチアはどうだった?」
すると香野が思い出したかのように命のチア服の感想を聞いてきた
それを聞いた好夜は思わず飲んでいたお茶を吹き出してしまう
「ゴホッゴホッ!にゃっにゃにをいちゅてるんですか?!」
好夜は気が動転してもはや何を言ってるのかわからない状況だった
「だってあれ私が作ったんだもん!で?どうだった?」
どうやらあの衣装は香野の自作だったらしくその感想を聞きたかったようだ
「・・・めちゃくちゃ可愛いかったです・・・」
好夜は素直に可愛かったと顔を赤くしながら言った
それを聞いて香野はニヤニヤと悪い笑みを浮かべていた
「・・・何ですか・・・」
好夜は少し怒り気味になりながら何で笑っているのか聞く
「気に入ったのならまた後で着てって言ってみたら?
今回の衣装はもうちゃんとプレゼントし・た・か・ら」
どうやら香野はあのチア服をすでに命にプレゼントをしていたらしい
「なっ何を言ってるんですか?!言いませんよ!」
それを聞いた好夜は顔を赤くしながら絶対に言わないと強く否定するのだった
「?」
そして当の本人は遠くから
何を話しているのだろうと首を傾げていた
「さて・・・ようやく仕事が終わったな・・・」
するとどうやら会長の仕事がようやく終わったらしく
椅子から立ち上がってこっちと合流した
「そういえば・・・香野・・・お前にまだ説教してなかったな?」
そして会長は思い出したかのように香野に対してお説教を始めた
「借り物競争のあのお題は一体どういう意味なんだ?」
香野が書いたほとんどのお題はクリアされないまま
結局、借り物競争はリタイアする人が多数いたのだ
それに対して会長は元凶である香野に
なんであんなのをたくさん書いたのか尋ねる
「だってちゃんと公平に勝負できた方がいいでしょ?
だからあえて難しいお題にすることで公平にしようと思ったのよ」
確かにあんなお題を出されたら誰もクリアできないので確かに公平だろう
しかしそれだと結果が出ないのも事実である
「全く・・・あんなお題を先生方に見られたら
どうするつもりだったんだ・・・」
会長はもはや何の言葉も出てこなくなっていた
「どうするも何も・・・先生に許可もらってちゃんと入れたし」
しかしみんなの当ては外れてしまった
味方だと思っていた教師陣があのお題に対して許可を出したらしい
「何してるんだあの人達は・・・!」
さすがの会長もこれには頭を抱えていた
「・・・来年は頑張ってくれ・・・」
「・・・荷が重すぎます・・・」
こうして楽しい時間はあっという間に過ぎていき
いよいよ帰る時間となってしまった
「いやぁ〜!今年は楽しかったぁ〜!」
香野は今回の体育祭は今まで以上に楽しかったと言っていた
「そうだな・・・これも新しい後輩達のおかげだな」
これには会長も同意見らしくそれも好夜達のおかげだと思っていた
「えっと・・・俺達・・・何もしてないですけど?」
しかし好夜達の方にはそんなお礼を言われるような事をした記憶がなかった
「確かに何もしていないが・・・知り合いの後輩がいるというだけで
今回の体育祭は盛り上がることができたんだ」
会長は別に何かをしたわけではなく
ただ知っている人物がいたのが良かったのだと言っていた
これまで会長達は自分達の体育祭しか見るものがなかったので
誰かを見ることがなかったのだ
だからこそ今回の体育祭はみんなで一緒に参加できて良かったと思っていたようだ
「確かに・・・俺達も会長達の勝負が見れて楽しかったです」
好夜は自分達も会長達の勝負が見れて楽しかったと素直に褒める
(主に面白かったのは龍間先輩と真島先輩の間に入って
一位を根こそぎ取って行く会長だったのは内緒にしておこう・・・)
しかし本当に面白かったとは笑いを取る方の面白かったであり
感動の方の面白かったではなかったことは内緒にしておくのだった
「そう?私は結局、例年の通りになったから予想通りって感じ」
すると香野はいつもの結果であまり面白くなかったと言い出した
「そりゃあ三年も見ていたら飽きるだろうな・・・」
しかし会長はそれに対して怒るどころか自分の同じ気持ちだと言っていた
「まぁね〜・・・あんたのかっこいい姿なんて見飽きたわよ・・・」
「だから!今度はかっこ悪い姿を見せなさい!」
香野は見たことのない会長を見てみたいと言った
「無茶を言うな・・・」
これに対して会長はそう簡単にいくわけないだろと言っていた
確かにそんな簡単に失敗したら人生転落している
「えぇ〜・・・」
それを聞いて香野は少し不貞腐れていた
「それに・・・生徒会がかっこ悪かったら示しがつかんだろ?」
そう言っていた会長は本当にかっこいいと思った
同じくそれを聞いていた香野は顔を赤くしてそっぽを向いた
「・・・私はそこまで活躍してないんですが・・・」
すると足立は自分はそこまで活躍していないのだと告げる
「あんたの場合はこっちで目立ってるからいいのよ!」
香野は先ほどまでの自分を誤魔化すかのように足立の大きな胸を揉んだ
「?どういう意味ですか?」
しかし当の本人は何にを言っているのか理解していなかった
「・・・もしかしなくても・・・足立先輩って天然ですか?」
それを見て好夜は足立は天然なのかと尋ねる
「ああ・・・おかげでいつも苦労している・・・」
会長は頭を押さえながらそうだと言っていた
「ですがまぁ・・・目立っていたのなら心配はないですね」
そういう意味ではないのだがとみんな思ったが
本人はそれで納得していたのでそれ以上の追及はやめた
「・・・てかこれ以上遅れたら夕飯に間に合わないじゃん!」
そしてのんびり歩いているのは良かったのだが
このままでは夕飯に間に合わないことを思い出し
みんなは疲れ切っている体に鞭を打って家へと帰っていった
次回からは普通の日常回です




