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波乱の障害物競走

今回はみんなの体育祭の様子を見ていきます

その後も無事に体育祭は進んでいきいよいよ好夜達、二年生が活躍する時間となった

「・・・やっぱり二年生は凄いですね・・・特に運動部の活躍が・・・」

真司は思わずそう思ってしまうほどに二年生の活躍は凄まじくこれが本当の体育祭かと思っていた

しかし同時に別の場所でも二年生の人達が凄いなと思ってしまう光景が広がっていた

それは他でもない種目に出ている男性陣を応援している二年生女子による応援団の方だった

応援している女子達の格好はなんとチアリーダー服でしかも露出がかなり多かった

なのに本人達は全く気にしておらず必死になって自分のクラスを応援していた

「・・・あれに関しては絶対に香野先輩のダメな部分を受け継いでるんだよな〜・・・」

好夜も同じくその光景を見てあれだけは受け継いで欲しくなかったものだと思っていたのだが

その光景を見て男性陣が躍起になっているので効果に関しては絶大だと言ってもいいだろう

「・・・とにかくお前らの時代にはあれを残さないでくれよ?効果は見ての通りだけど

 怪我人が出るほど白熱してもらっても危険だし体育祭自体が潰れる可能性があるからな」

しかしそれは同時に体育祭で怪我人を続出させてしまう可能性も少なくはないので

出来る事ならば好夜はこの風習だけはここで途絶えてほしいと本気で願うのだった

「そういえば次は慶太先輩が走りますけど・・・大丈夫なんですか?一緒に走る人って・・・」

真司が心配していた理由は他でもない慶太と一緒に走る人物は二年生の中でもっともイケメンな人であり

運動部でも優秀と言われている人物の一人に数えられるほど凄い人だったからだ

「まぁ・・・確かにいい勝負はするかもしれないけど・・・慶太なら大丈夫だろ?」

そんな中で彼の事をよく知っている好夜達だけは特に心配している感じはしていなかった

どうしてこんなにも好夜達は安心して見られるのだろうと真司は不思議に思いながら勝負を見守る

スタートのピストルが鳴った瞬間に二人は他の人達をあっという間に置いていき二人だけの勝負となる

すると確かに好夜の言った通り良い勝負にはなっているのだが徐々に慶太が引き離していた

そして・・・最初にゴールテープを切ったのは他でもない慶太本人でありとても喜んでいる様子だった

「ほへ〜・・・流石は慶太先輩ですね!?あんな凄い人に勝っちゃうなんて凄いです!!」

真司もまさか慶太がこんな風に勝つとは思っていなかったようで本当に凄い人なんだと尊敬していたが

「あ〜・・・まぁ確かに凄いのは凄いんだけど・・・アレを見てもまだ尊敬していられるか?」



「ちっくしょ〜!!何で俺が一番を取ったのに二番のあいつが女子にモテるんだよ〜!?」



「・・・確かにアレだけは尊敬出来ないですね・・・」



一方で次は晃平が出る種目の時間でありその種目は他でもない前回でもかなりの成績を残した玉入れだった

「・・・何というか・・・僕の知っている玉入れとは違うような気がするんですけど・・・」

真司がそう思ってしまうのは仕方ないほどに晃平は大量の玉を持って投げ入れるのではなく

ジャンプして上からカゴの中に直接、入れており他よりも玉の入っている差は歴然だった

「まぁ・・・去年もあんな感じで玉入れでは無敵の強さを誇っていたからな〜・・・

 そう言った意味じゃこの競技であいつの右に出るような人物は今年もいないだろうな〜・・・」

もはや好夜も諦めたような顔をしており玉入れに関しては自分達のクラスが優勝だと思っていた

その予想通りに玉入れは終了を迎えて優勝を飾ったのは他でもない好夜のクラスだった

「お疲れ様・・・てかもう少し手加減とかしてあげても良かったんじゃないか?」

正直な話、圧倒的な戦い過ぎてとてもではないが好夜としてはとても見ていられない光景だった

「悪いが体育祭に手加減という言葉を言われてもな・・・というか玉入れでどうやって手加減をしろと?」

確かに晃平の言う通り玉入れで手加減をするのはあまりにも難しいと言ってもいいだろう

玉を投げてしまえば下手をすれば入れてしまう可能性はあるし投げなければサボっていると思われてしまう

結局のところ、晃平としての一番の手加減は明確なまでの差をつけてしまう事なのかもしれない

「・・・まぁクラスが喜んでるしとりあえずは良しとするか・・・なんか居た堪れないけど・・・」

そう言って好夜が見ていたのは明確なまでの一番が分かっている中で二番になった事を嬉しく思っていたクラスだった

なんて事を思っていると玉入れも終了を迎えて続く競技は女子だけの障害物競走だった

「あれ?この種目に朝宮先輩が出るんですか?なんかすごく意外ですね?」

実はこの種目には命が参加する事になっており千鶴はこんな種目に参加するのはとても意外だと思っていた

「ああ〜・・・実はこの障害物競走って最後は女子に着替えてもらって

 そのままゴールしてもらう仕様になっていてな・・・それでまぁ・・・」

そこまで好夜に説明されてようやく千鶴にもどうして命がこの障害物競走に参加する事になったのか理解出来た

おそらくはこの種目のルールを考えたのは他でもない手芸部の皆さん方であり

その人達によって命は嵌められたという事なのだろう

それが理解出来たからこそ同じ女性として千鶴は深い同情を感じながら命の安全を祈るのだった

「・・・何を祈っているのか知らないけど多分そこまで酷い事にはならないと思うからな?」



こうしてスタートのピストルが鳴り響き命が走り出すがやはり他の人よりも遅かったが

今回の障害物競走は基本的に潜ったりする物が多いので命のような小柄な体格の方が簡単に突破出来た

それにより最初はかなり差をつけられていた命ではあったがどうにか先頭の人達に追い付く事ができ

最後の障害物であるコスプレ着替えの場所まで行くとそこで何着かある服から一つを選んで着替えテントに向かう

そこで命は袋の中身を開けるとそこに入っていたのは自分でも見覚えるのある服だった

(えっええ!?またこれを着なくちゃいけないの!?しかもこれを着て走るって・・・!!)

命が戸惑っているのと同じように他の選手も自分が手にしたコスプレ袋の中身を見て完全に停止していた

「・・・えっと・・・足立先輩?今回のコスプレ袋に関して誰が中身をチェックしましたっけ?」

あまりにも選手が出てこないので好夜はそういえば袋の中身は誰かチェックしたのだろうと思っていると

「そう言えば・・・私も知らない間に了承のハンコを押されていましたね・・・如月くん達ではないのですか?」

どうやら足立も袋の中身を確認してはいないようで勝手に確認終了のハンコが押されていたらしい

それを聞いて好夜は一体誰が袋のチェックをしたのだろうと思っていると一人だけ心当たりがあった

「・・・あいつ・・・いつの間にか生徒会室に来て勝手にチェックしてやがったな・・・慶太の野郎・・・!!」

そう・・・その心当たりとは他でもない慶太の事であり

彼が自分よりも先に生徒会室に来ていた事が一回だけあったのだ

最初はただ部活をサボりに来ただけだと思っていたが好夜が来るとすぐに出ていってしまった

なの怪しいとは感じてはいたのだがまさかこんな事をしているとは夢にも思っていなかった

「あいつ・・・後で担任に連絡して生徒指導でもしてもらうか・・・!」

流石の好夜もこれに関しては完全に怒っているようで後で担任に報告し叱ってもらおうと考えていた

そんな事を考えているとようやくテントから一人目が姿を現して一体誰が出てきたのだとみんなが確認すると

出てきたのは命でありしかもその格好は去年も無理矢理にやらされていたチアリーダーの服だった

これには男性陣だけではなく女性陣も思わず可愛いといつの間にか取り出したカメラで写真を撮っており

命は顔を真っ赤にしながらもどうにか一番最初にゴールへと辿り着く事が出来たのだった

「・・・まぁ・・・とりあえずは一位おめでとう・・・だけど早めに着替えてこい」

好夜は恥ずかしがっている命に上着を貸してあげながら元の体操着を渡して着替えのテントに向かわせた

その後で他の女性陣も出てきたのだがウェディング衣装やらお雛様のような衣装やら走りにくそうな物ばかりだった



(・・・あれ?慶太にしては随分とまともなチョイスだったな?本当は確認してなかったのか?)

好夜はその光景を見て慶太にしては随分とまともな服を選んでいたんだなと思っていた

「・・・あり?なんで俺がチェックした袋と中身が違ってるんだ?」

そして当の本人も自分が確認した服と明らかに違っており一体なんでだと思っていると

「・・・そんなの私が速攻で確認し直して手芸部の人達にあんたの選んだ服を返したからに決まってるでしょ」

何やら後ろから鬼のような声が聞こえてきて慶太は振り返りたくないのに振り返らなくてはいけない気持ちになり

ゆっくりと後ろを確認してみるとそこにいたのはとんでもない怒りのオーラを身に纏った敬子の姿があった

「悪いけど・・・あんたが思っている以上に私は用心深い性格でね・・・

 すぐに書類の字がアンタのだって気づいて手芸部に袋の中身を確認し直させてもらったのよ・・・!」

どうやら敬子は作業をしている時に先ほど好夜達が話していたチェックシートの字が慶太の文字だった事に気づき

急いで手芸部の元に向かって袋の中身を確認し新しいコスプレ用の袋を用意させていたのだ

「へっへぇ〜・・・まっまさか書類の字をすぐに俺の元だと見抜くとは・・・!さっ流石は敬子だな・・・!」

どうにかいつもの調子を戻したい慶太だったが明らかに敬子の怒りがこちらに伝わってきており

これ以上、何かで刺激する事になれば確実にやられる事だけは目に見えていた

なのでどうにかゆっくりと敬子を宥めようと考えるのだがこう言った時に限っていい案が思い付かず

どうすればいいのだろうと思っていると何故かそこには顔を真っ赤にしている敬子の姿があった



「べっ別にアンタの汚い字なんて私じゃなくても分かるっての!!」



「グボォ!?」


こうして結局は殴られる慶太だった

次回はいよいよ好夜の借り物競走!

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