表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/204

新生、生徒会!

新しい生徒会の始動です!

三人目の新入生がやってきて生徒会はこれから本格的に動き出そうとしていた

「いや〜・・・それにしてもよかった〜・・・三人も後輩が入ってきて・・・」

好夜達は二人だけでも奇跡なのに三人も入ってくれて本当に良かったと思って涙を流していた

「そっそんなに泣く事ですか?確かに人数は少なくて僕に勧誘を頼むほどでしたけど・・・」

生徒会に入ってくれた三人はそんな先輩達の姿を見て一体どんな事が待っているのだと恐怖していた

実際にこれからの事を考えれば地獄と言っても過言ではない事が待っていると言ってもいいだろう

「とりあえず今日は生徒会がどんな事をするのかを見てもらえたら幸いです

 本格的な活動は明日からになるので出来るだけ・・・覚悟を決めておいてください・・・!」

その言葉を聞いて新入生三人は一体なんの覚悟をしなければならないのだと完全に怯えていた

しかし足立の言葉が特に嘘ではなかったという事をすぐに理解する事になった

そして好夜達は三人にどんな仕事をするのかを覚えてもらう為にいつも通り作業を始める

と言っても今回は新入生の入部や新人大会などの資料整理などがたくさんあった為、いつもよりも忙しかった

(((・・・これが日常レベルって・・・やっていける気がしない・・・)))

その姿を見ていた真司達はとてもではないが明日から自分達も同じように出来る気がしなかった

だからと言って諦めるわけにはいかず真司はなんとしてもついていかなくてはいけないと覚悟を決める

「ふぅ・・・本日の生徒会はここで終わりですね・・・三人とも、今日は集まってくれてありがとう」

足立は改めて三人に集まってくれた事を本当に感謝するとどうしていいのか戸惑っていた

「先輩・・・嬉しいのは分かりますけど生徒会長がそんな簡単に頭を下げたら後輩は困りますって

 それよりもみんなが俺達の仕事を見てどう思ってくれたかを聞いた方がいいんじゃないですか?」

そんな後輩を見かねて好夜はここで言うべきは感謝の言葉ではなく質問の方だと告げる

「えっえっと・・・素直に凄いと思いました・・・じっ自分じゃとてもあんな風には・・・」

その質問に対して真っ先に答えたのは真司でありとても自分には真似の出来ない事だと答える

他の二人も同じだったようで首の振りすぎだというくらいに頷いており好夜はそれを見て苦笑いしていた

「だよね〜・・・でも前の生徒会長はこれ以上の作業をこなしてて・・・正直それで生徒会は回ってたんだよ

 だから三人もこれから大変だとは思うけど・・・俺達も超えてきた壁だからとにかく頑張って!」

なんとも励ましくらしくない言葉に三人は少しだけ落ち込んだような表情をしながらも返事をするのだった



そして放課後になり真司達一年生は親睦を深める為という事もあり一緒に帰っていた

「ぼっ僕は一年一組の黒谷真司です・・・えっと・・・千羽さんは同級生で・・・君は二組の・・・」

そういえば生徒会室に入った時に一度だけ名乗っただけなのの思い出し最後の一年生は改めて名前を名乗る

「雅浩介だ・・・改めて聞くが・・・二人は今日の生徒会活動を見てどう思った?」

それを聞かれて二人は黙り込んでしまった・・・いや・・・黙るしかなかった

それほどまでに生徒会の活動は激務であり正直な話、舐めていたと思っている部分も大きい

もしかしたら自分達にも出来るんじゃないかと自惚れていた事を恥じているほどだった

「・・・本当に私達・・・生徒会でやっていけるのかな?いや先輩が怖いとかじゃないよ?

 でもやっぱりあれを見ちゃうと・・・どうしても自分が出来るのか不安になっちゃうよね・・・」

千羽も上下関係を気にしなくても大丈夫だとは判断したが問題はやはりあの作業を自分も出来るかどうかだった

「うん・・・でもやらないと・・・!僕は高校で変わるって決めたんだもん・・・!

 どんなに失敗しても絶対に折れたりなんてしない・・・!まずはそこからだ・・・!」

しかしそれでも真司は必ず成し遂げてみせるという顔をしており元気な様子だった

その様子を見て他の二人も覚悟を決めたようで真司の決意に返事を返すように頷いた

(それにしても・・・はぁ〜・・・カッコいい真司くんも最高だよ〜!!

 私も真司くんにカッコ悪い姿なんて見せられないし頑張らないと!)

千鶴はこれから自分も真司に負けないように頑張って仕事をしなければならないと考えていた

三人はそれぞれの想いを胸に自分達の家へと帰っていき明日の対策を考えるのだった

一方で好夜と命も一緒に帰宅しており新しく入ってきた三人についてを話していた

「う〜ん・・・真司は大丈夫だとして・・・残りの二人はどんな感じなのか分からないからな〜・・・

 正直な話、残ってくれると嬉しいけど・・・どうなるかは明日次第か〜・・・」

好夜もこればっかりは明日になって見なければ分からないと考えており

千鶴と浩介の二人が本当の意味で生徒会の一員になってくれるのかどうか不安に思っていたのだが

「すっ少なくともせっ千羽さんはだっ大丈夫だと思うよ・・・!たっ多分だけど・・・」

命は少なくとも千鶴は必ず生徒会の一員になってくれるはずだと信じており好夜はそれに驚いていた

(命がここまではっきり言うなんて・・・もしかして思っていた以上に千羽は見込みがあるのか?)



(千羽さんのあの視線・・・多分だけど黒谷くんの事が好きだと思う・・・だからきっと・・・)



そして翌日になり授業を終えた真司達は早速、生徒会室までやってきていた

「おっ!随分と早いな?会長は修学旅行の打ち合わせでいないから俺らが仕事を説明するな」

この学校では三年生が修学旅行に行く事になっており二年生の泊まり行事は冬になっている

だから今の時期で忙しいのは主に一年生と二年生の二つだけなのだ

「そしてその修学旅行が終わってしまえば・・・いよいよ最初の大行事・・・体育祭がある!」

その言葉を聞いて三人は自分達がこれからどんな作業をする事になるのかを大いに気にしていた

「あえてぶっちゃけよう・・・めちゃくちゃキツイ・・・体育祭当日も・・・」

去年の体育祭を思い出して好夜はどれだけキツかったのかを思い出しなんとも言えない顔をしていた

それを見ていた後輩達もそれほどまでに凄いのかと改めて恐怖を覚えていると好夜は話を続ける

「と言ってもそれは翌月からの話になるから今日の仕事は普通に書類にまとめとかになるかな

 会計は新しい部活の部費整理とかになるけど大丈夫かな?もしも困ったら遠慮なく聞いてほしい」

こうして真司達の初めての生徒会活動は幕を開けたのだが思っていた以上に仕事は忙しくなかった

というのも実を言うと昨日の時点で既に好夜達が半分ほどの書類を書き終えており

残っているのはその残っていた半分の資料だけでありこれならば真司達でも終わらせる事が出来た

「遅れてごめんなさい!思った以上にクラスでの話し合いが長引いちゃって!」

そこへようやく修学旅行の会議を終わらせた足立がやってきて生徒会の役員が全員集合する事になった

「お疲れ様でした・・・でも今日の作業はもう終わらせちゃいましたよ?」

しかし来てくれた足立には申し訳なかったのだが思った以上に後輩達が優秀で仕事は終わってしまっていた

「・・・えっと・・・もしかして私・・・やってしまったというやつ?」

それに対して二人が頷いて返事を返すと足立はまたやってしまったと膝から崩れ落ちた

「気にしないで・・・この先輩は意外としっかりしてるようで失敗するのが常だから・・・」

慌てる後輩達に対して好夜はこれが足立の日常なので気にしないように告げると

本当に大丈夫なのかと思いながらも後輩達はなんとか納得したような顔をしていた

「よし!それじゃあ本日の仕事も終了したし命の家で歓迎会だ!!」

そして好夜は生徒会の仕事も終えて後は帰るだけなので命の家で彼らの歓迎会をすると発表した

もちろんサプライズなので三人は完全に虚を突かれて驚いておりそれでも嬉しいと思っているのは間違いなかった



「・・・えっと・・・それでどうして他の皆さんも一緒なんですか?」

真司達は命の家に連れて来られたのだが何故かそこには晃平達の姿もあった

しかもそれだけではなく野球部に新しく入った伊勢谷まで命の家に来ていた

「今回は歓迎会も含めて新入生でも交流会もした方がいいと思ったからな

 本当はもっと来てもらうつもりだったんだが流石にこれ以上は多いし・・・

 てか慶太・・・お前のところからも後輩を連れてくるって言ってなかったか?」

どうやらコミュ障の真司の事を考えて少しでも一年生の知り合いを増やして欲しいと好夜は考えたようだ

だからこそ伊勢谷を誘ってもらいここまで連れてきてもらったのだがここで問題が発生した

野球部に入ってきた一年生は伊勢谷の他は用事があったようで連れてくる事が出来ず

そして同じくサッカー部からも後輩を連れてくると言っていた慶太は誰も連れて来てはいなかったのだ

「しょうがねぇだろ?!なんか知らねぇけどみんな苦笑いしながら断ってきたんだよ!!」

どうやら慶太の後輩達は急に誘われた事で何かあるのではないかと疑ってしまったらしい

「・・・お前・・・人望ないな・・・」

好夜の言葉が直撃した慶太は何も言い返す事が出来ずそのまま地面に倒れ込んだ

「だから言ったのに・・・私が後輩を連れて来た方が早いって」

敬子もこうなる事は予測していたようで後輩を呼んでくればよかったと後悔していた

「まぁまぁ・・・晃平くんが伊勢谷くんを連れて来てくれた事ですし

 これで新入生も四人になったので話しやすくなったのも事実なので十分だと思います

 とにかく今日はみんなの仲を深める為に楽しみましょう!」

明希音の言う通りこれは仲を深める為の歓迎会なのでこんな喧嘩をしている場合ではなく

今はみんなで大いに盛り上がって場を和ませようとする事にした

「それじゃあ最初は罰ゲームとして慶太が何かしろよ!」

それに対して慶太は文句を言いながらも渋々と芸のようなものをして

最終的には敬子がツッコむというまさに夫婦漫才のような感じだっただろう

一年生達もこれによって笑顔になってくれたようで歓迎会は大いに盛り上がったのだった


次回は真司達の視点でお送りします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ