生徒会勧誘
今回は新キャラが三人登場!
部活での勧誘を終えて一日を過ごし終えた好夜達は生徒会室に集まっていた
「それじゃあこれより・・・生徒会会議を始めます・・・”議題は新入生の勧誘をどうするか?”」
確かに明日はそれぞれの委員会でどんな仕事をするのかを説明する日となっており
その最初を彩るのは他でもない生徒会でありここが最大の勧誘チャンスなのだ
それを最大限に活かすためにどんな事をすればいいのだろうと提案するのが今回の議題である
「とりあえずの資料は作りましたけど残る工夫はナレーションですよね・・・どんな感じですか?」
好夜の言う通り既にステージで見せる資料は完成しているので残された工夫はナレーションだけ
そしてそれを担当しているのは他でもない生徒会長になった足立でありその内容はどうなのかを尋ねる
「そうですね・・・正直な話をするのならば不安が残る出来上がりと言ってもいいかもしれません
これで新入生が入ってくれるかどうかは微妙なところですね」
どうやら足立の完成自体はしているのだがこれで本当に人が引き込めるのか微妙に思っているようで
好夜達もその用紙を見せてもらうのだが確かに引き込まれるかどうかと言われるとかなり微妙な感じだった
と言うのも内容が完全に人の領域を超えた作業量をこなしているという話になっており
これで入ってくれるかどうかと聞かれるとおそらくはハードルが高すぎて入ってもらえないだろう
「これじゃあ逆に入ってくれなくなりますよ・・・もっとフランクな感じに・・・出来ないですよね」
しかし足立がこんな文章にしてしまうのは仕方がないほどに資料の内容が酷かったのだ
前会長である菓家の偉業ばかりが写されており言葉でなくてもその凄さが分かってしまうようになっていた
これではむしろフランクになるように書けという方が無理だと言ってもいいだろう
「どうしますかね?今から資料を作り直すわけにもいかないですし・・・
やっぱりナレーションを変えてもっとこう・・・生徒会に入りやすい内容にするしか・・・」
このままでは絶対に入ってもらえるわけがないと思い好夜達は必死で文章を考える事にした
しかし前会長の印象が強すぎる所為で思った以上に難航してしまい放課後ギリギリまで残る事になってしまった
それでもその苦労の甲斐もあってなのかようやくまともな文章が書けたような気がしており
これならば明日の発表会でもきっといい結果が出てくれるのではないかと思っていた
「よぉ〜し!明日も全力で頑張るぞ〜!!」
だがこの時の好夜達は知らなかった・・・この苦労をしなくても新入生が入ってくれるという事を・・・
そして翌日になり好夜達は朝から準備を行っているとボランティアで参加する明希音の姿があった
「やっぱり生徒会の皆さんは早いですね?新入生は入ってきそうですか?」
それを聞いて三人が苦い顔をすると明希音も察したようで苦笑いしながら場を流した
それから準備が終わっていよいよ発表会が始まり足立が壇上に立って生徒会の説明をする
その姿を下から見ていたのは黒谷真司という一年生の男の子だった
彼は男ながらも低身長であり童顔というなんとも特徴的な見た目をしているのだが
それ以上に問題だったのは彼は命以上にコミュ障であり他人との関わりが苦手だという事だった
そんな彼はどうしても高校に入ってこんな自分を変えたいと思っていたのだが
やはり入学して早々でもそれは変わらずそんな時に好夜達、生徒会が活動している姿を見た
とても堂々としておりまさに真司がなろうと思っていた人間そのものであった
真司はそんな人達のようになりたいと再び強く思うようになりそしてステージに立つ彼らの姿を見て決意した
(決めた・・・!やっぱり僕は生徒会に入る・・・!少しでも皆さんに近づくんだ!!)
そんな男子生徒がいるとは知らずに生徒会の発表は終わりを迎えてそれぞれの委員会が説明を始めていく
こうして今日の発表会は終わりを迎えて放課後になり真司は意を決して生徒会室の前まで来ていたのだが
「いっ行くぞ・・・!きょっ今日から僕は生まれ変わるんだ・・・!頑張れ・・・!」
まさかの生徒会室を前にして真司は尻込みをしてしまって何とか勇気を振り絞ろうと必死になっていた
するとステージの片付けを終えた好夜が生徒会室の前までやってきてその真司を目撃した
「えっと・・・アレは一体・・・一応は生徒会に入りたい新入生って事で良いんだろうか・・・」
生徒会室の前でまさに右往左往している真司を前にして流石の好夜も対応に困ってしまった
しかしここでこの新入生を逃してしまってはいけないと思って意を決して話しかける事にした
「あの〜・・・もしかして生徒会に加入したいのかな?」
その声を聞いて真司はまるでブリキのおもちゃのように首を動かして好夜の方に振り向いた
そして彼の顔を見た瞬間にまるで魂が抜けたように気絶してしまい好夜は慌てて生徒会室の中へと入れるのだった
「すっすいません・・・!緊張しすぎてつい・・・ごっご迷惑をお掛けしました・・・!」
それから数分して真司は目を覚ましてくれて好夜達は彼から全ての事情を聞く事が出来た
彼がどんな人物なのかそしてどうして生徒会に入ろうと思ったのかその全てを・・・
「なるほど・・・それで生徒会に入って自分を変えようと思って・・・いいんじゃないかな?」
好夜はその思いを否定せずむしろ前向きになって生徒会に入ろうとしてくれた事を嬉しく思っていた
「生徒会長・・・俺はこの子が生徒会に入るのを支持します・・・ダメですかね?」
そして真司が生徒会に入ってくれるように足立に対して願い出ると
「もちろん・・・大歓迎です!むしろ一人でも多く欲しいので是非とも入ってください!」
もはや足立は恥も外聞も捨て去っておりもう何が何でも入ってもらおうと言う野生的な目をしていた
「ちょっと?!もう見た目と言動が一致してないですからね?!少しは落ち着いてください!!」
なんとか足立を落ち着かせて好夜達は改めて真司に生徒会の仕事についてを教え始めた
「そう言うわけで真司の役職としては庶務かな?生徒会全体の手伝いをしてもらいたいんだ」
真面目な彼ならばどんな仕事をさせても十分に役目を果たしてくれるだろうと考えて
好夜達は彼に専門職を与えるのではなく全体の手伝いをしてもらおう庶務という職を与えた
「はっはい!皆さんの期待に応えられるように全力で頑張りたいと思います!」
やる気を出す真司の姿を見て好夜はまるで昔の命を見ているようだと思って笑っていたのだが
「・・・しかしアレだけの勧誘をして一人だけですか・・・参りましたね・・・」
すぐに足立の現実的な言葉で引き戻されて再び生徒会室に思い雰囲気に包み込まれた
「はぁ〜・・・えっと黒谷くん・・・一年生の中で優秀そうな人材っていないかな?」
好夜は唯一の一年生である真司に他に優秀な一年生はいないかと確認をとってみるのだが
「しっ真司で大丈夫です!それと・・・すっすいません・・・クラスメイトとあまり喋った事がなくて・・・」
残念ながらコミュ障の真司にそんな事を聞いたところでいい返事が返ってくる訳もなく
再び事態は振り出しに戻ってしまったのだと思いながら好夜達は再びため息を吐くのだった
「・・・とりあえず真司に生徒会での仕事を色々と教えて今日は終わりにしますか?」
そして今日はこれ以上、何も出来る事はないので好夜達は真司に仕事を教えて解散する事にした
その帰り道で好夜は命と一緒に帰りながら今日の事についてを話し合っていた
「くっ黒谷くん・・・!すっすごい仕事を丁寧にこなしてくれて・・・よっよかったです!」
好夜達から見た真司の評価はすごい高いものでありとても優秀だと言っても十分だった
仕事のスピードはそれなりだがとても丁寧で教えた事を一つ一つちゃんと出来るほど優秀だった
「これなら・・・生徒会の仕事を任せても大丈夫そうだ・・・」
翌日になり真司はこの前話していた好夜達の言葉を思い出していた
(ぼっ僕が・・・先輩達の為にも働かないと・・・!)
少しでも彼らの役に立ちたいと思った真司はどうにか優秀な人材を探して生徒会に勧誘したいと思っていたが
やはり緊張してしまって誰にも話かける事が出来ずにどうしようかとパニックになっていた時だった
「あれ〜?黒谷くんどうしたの?もしかして具合でも悪い?」
ギャルのような格好をしたその女の子は千羽千鶴という名前で
既に一年生の中で可愛い女子ランキングで一位に輝いているほどの有名人だった
もちろんそんな女性に話しかけられれば真司がどうな反応を示してしまうかなど目に見えていた
「じじじじ実は!せっ生徒会にははは入ったんだけど人手不足で!!」
あまりに支離滅裂に話す真司を千鶴は大丈夫だと言って落ち着かせようとする
しかしこの彼女・・・実は心の中では全く別の事を考えていた・・・それは・・・
(やばいやばいやばい!慌てる真司くんも超可愛いんですけど〜!!)
そう・・・実はこの千羽千鶴という少女はいわゆるショタコンと呼ばれている人種であり
小柄で童顔である真司はまさに彼女のドストライクであり本心では下心丸出しの状態だったのだ
(それにしても・・・今、真司くん生徒会に入ったって言ってたわよね?
それってもしかして・・・真司くんと急接近するチャンス?!これは是が非でも物にしないと!)
「はい!それなら私が生徒会に立候補します!」
「えっえぇ〜?!!」
「というわけでお世話になります!千羽千鶴です!」
まさかの新人二人目登場に好夜達は作業する手を忘れるほどに驚いていた
そしてなんとか正気に戻って千鶴が入ってくれた事に歓迎していたのだが
「まぁ・・・どう考えても人数少ないですよね・・・やっぱり・・・」
残念ながら二人が入ってくれても戦力が埋まってくれたわけではないので
やはりもっと人手が必要だと考えていた時、再び生徒会の扉が開かれた
「あの〜・・・一年の雅浩介って言うんですけど・・・」
「「「「・・・新入生キタァァァアア??!!」」」」
ようやく揃った生徒会!そして初の業務が待っていた!
 




