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それぞれに考えるサプライズ

今回は特に何もないほのぼの回です

学校側から卒業生に向けての出し物をする事になった在校生はその準備の為に新学期を過ごしていた

「・・・とは言ってもさ・・・流石に授業時間を削ってまでやる事なのか?」

そんな中で好夜が気になっていたのは授業時間を削ってまでも準備をする事だった

確かに卒業生を送るのは大切な事ではあるがそれで自分達の学力が落ちてしまっては

卒業生が罪悪感を覚えてしまいとてもではないが快く送る事は出来ないかもしれないと思っていたが

「安心しろ!その為に冬休みの宿題を多めに出していたからな!出し物に使う時間の分は

 既に自分達の冬休み中に補習していたという訳だ!」

どうやら先生達はこの時間を使う事を見越して既に冬休みの宿題という形で補習をさせていたようで

そうとは知らず真面目に宿題をやっていた好夜達はあの努力はなんだったのだと嘆いていた

「まぁなんの憂いもなく準備を進められるという事で今回は見逃すとしよう・・・俺達の為にも」

晃平の言う通りこれ以上は単純に自分達を傷つける結果しか待っていなさそうなので

今は前向きに宿題を終わらせてよかったと受け止めて作業を進める事にした

「それにしても・・・こんなに出し物をして大丈夫なのか?これって学校祭の時みたいに

 予算が決まっていてそれを稼ぐというわけでもないんだろ?」

確かに晃平の言う通り今回の出し物はお金を稼ぐ為ではなく卒業生を送る為の出し物であり

消費した分を稼ぐ方法はないので実質的に学校側にとっては赤字にも等しい行事なのだ

それにも関わらずどうして実行しようと思ったのか不思議に思っていると

「それに関しては大丈夫だぜ?てか今回のこの行事を起こそうとした目的だって

 あまりに多い学校の資金をどう使うかで会議した結果のものだしな」

実は今回の行事を起こそうとした理由は学校側があまりにも多く残ってしまっている学校の資金を

どうにかして消費したいと思った結果として提案されたものだったのだ

別にそれほど多く儲けているわけではないのだがマイナスよりもプラスの方が多く

学校側の資金がかなり増えてきてしまっており学校側もこれには悩んでいたのだ

あまりに大きすぎる額はそれこそ癒着などの疑心を招きかねないのでここで消費をする事にした結果

卒業生の為に在校生が出し物をするその資金として使う事にしたというわけだった

「・・・とりあえず納得はしたんだが・・・この学校ってそんなに儲けていたのか?」



「・・・まぁ・・・たまに命の祖父さんが無茶するからそんな風に思えないよな・・・」



「えっえっと・・・じっ実はそのお祖父ちゃんがこっ今回の問題だったんです・・・」

すると一緒に作業をしていた命が実はその祖父こそがこの結果を引き起こした張本人だと告げる

「あの人が?!むしろあの人は学校側に無茶を言ってお金を使わせる人間だろ?

 それなのにどうして学校側が消費するんじゃなくて増える方になってるんだ?」

好夜の疑問はもっともでありどうして消費するはずの学校の資金が増える理由が分からないと考えていると

「おっお祖父ちゃんのむっ無茶は基本的にじっ自分のお金をつっ使っていて

 学校のはてっ手をつけていないんです・・・だっだから余ってしまって・・・」

命の説明を聞いてようやく好夜と晃平は納得がいったと同時に呆れてため息を吐いていた

確かに命の言う通り学校側がお金を使う行事には必ずと言っていいほど命の祖父が関わっており

しかも学校側の意見を聞いていない事が多いので自分で勝手にやっていると考えるべきだろう

となれば学校側としてもそれで資金を使うわけにもいかないので実質的に支払いは命の祖父というわけだ

((・・・この事実・・・多分、蓮花さんが知ったら怖い事になりそうだな・・・))

二人はそんな不安を抱いていたが実は既に蓮花もこの行事を学校側から説明されており

その時にどうしてやる事になったのかその経緯も聞いていた為、今まさに折檻している真っ最中だった

「しかし・・・話を聞くと恐ろしいほどの豪遊しているのによく金が無くならないな・・・」

晃平の言う通りここまで無茶苦茶にお金を使っているにも

関わらず命の祖父がお金を使い切った瞬間を見た事がない一体どれほどの資産家なのだと二人は恐怖する

「・・・あの人の事は考えるだけ無駄な気がする・・・とりあえずはいくら使っても問題ないって事で

 お金の心配をしなくていいってプラス思考で考えよう・・・余計な事は気にせずにな・・・」

好夜は謎の多い命の祖父についてを考えても無駄になるだけだと判断しており

それならば今はお金の心配をせずに出し物の準備が出来ると現実逃避をする事にしたのだった

「そういえばもう一つ気になっていたんだが今回の一件は生徒会が管理するんだったよな?

 しかも三年生である会長と香野先輩が手を出さない状態で・・・大丈夫なのか?」

黙々と作業をしていると晃平が思い出したかのように二人の生徒会でも仕事は大丈夫なのかを聞く

ここまで行事が重なり三年生である二人が活動できないとなれば負担はかなり大きいだろうと心配していた

「・・・正直な話・・・全然大丈夫ではないな・・・マジで・・・」



放課後になると好夜と命は出し物の事をクラスのみんなに任して生徒会の仕事に戻った

そして生徒会室に入るとそこには机には収まらないほどの書類が溜まっていた

「はぁ・・・これを全部一人で捌いてたとかやっぱり会長は超人か何かだわ・・・」

実はその机の上に並べられていた書類とは他でもない会長達がやっていた書類だったのだ

もちろんこの後でちゃんと会長達は来るのだがその前に終わらせておきたかったというのが本音だった

何故ならば好夜達は今のまま会長を頼っていると今のように

会長のやっていた仕事の量を引き受けた時に対処できない可能性が大いにあったからだ

実際に今は会長の持ってきた書類に対して一日で終わる事はおろか新学期中に終わるのかという不安すらあった

そして同時にこれほどの仕事を平然とこなしていた会長はどれだけすごいのだと感心してもいた

「って感心してる場合じゃねぇや・・・早く終わらせて出し物の点検に行かないとな」

しかも好夜達は在校生の出し物がどんなものなのか確認しにも行かなくてはいけないので

目の前にある書類だけにかまけている場合ではないのだ

すると好夜はもう一人の在校生で唯一の二年生である足立はどこに行ったのだろうと探していると

何やら書類の中から声が聞こえてきて二人はもしかしてと思いながら書類を退けていくと

なんと中からその探していた二年生の足立が見つかったのだ

「・・・何してるんですか・・・まぁ言わなくても大体分かりますけど・・・」

おそらくは好夜達も早めに来ていた足立が先に書類を終わらせようと考えて作業しようとした時に

運悪く書類の山が倒れてきて彼女はその下敷きになったのだろうと好夜は予想していた

そして彼女からの話を聞くとまさにその通りであり若干ではあるが二人は呆れていた

「先輩・・・流石にこの量を一人でやるのは無理がありますよ・・・」

好夜の言う通りこれはもはや一人でどうにかなるような書類の量ではなかった

それは具体的な内容だけではなく物理的な数の多さでも同じような事が言えるだろう

「その通りですね・・・すいません・・・少しだけプレッシャーになっていたのかもしれません」

その言葉を聞いて好夜は足立が次期生徒会長になる事を焦っていたのだとようやく悟った

それがプレッシャーとなってしまいこのようなドジを引き起こしたのだと

(・・・いや?そういえば足立先輩は前からドジだったな)



とりあえず三人はどうにかこうにか三分の一ほどの書類を終わらせる事が出来た

そして時間もいい具合になったので休憩がてらそれぞれの学年の出し物を確認しにいく事にした

「ウチの出し物はもう何をするのか分かっているから後にするとして・・・まずは慶太達のところか」

好夜達が最初に向かったのは慶太達のクラスでクラス委員にどんな出し物なのかを確認した

確認が終わると材料費や危険物を取り扱ってないかと確認し終わったのだが

「・・・そういえば三人の姿が見えないな?敬子と明希音は部活のお別れ会の準備だろうけど

 慶太はどうしたんだ?あいつはそう言うのを面倒だってサボるだろ?」

ここでようやく好夜は慶太達がいない事に気がついた

敬子と明希音はおそらくもう一つの部活で開くはずのお別れ会の手伝いをしているのだと分かるが

問題なのは絶対にそう言うのは面倒だと言って手伝おうとしない慶太の姿が見えない事だった

もしかしたらサボっているのではないかと思って心配していたのだが

「それなら大丈夫だよ

 さっきクラスの女子がうまく言い包めて買い出しに向かってもらっただけだから」

どうやら慶太は慶太でいいように使われているようで好夜はそれを聞いて安心すると同時に

それはそれでいいのかと慶太の将来を不安に思うのだった

こうしてとりあえず出し物の確認を終えた好夜達は足立と合流して生徒会室に戻った

すると中には会長達が待っておりまだ手をつけていない書類を見ていた

「お前達か?いない間に書類を終わらせてしまったが問題なかったか?」

それを聞いて好夜達は先ほどまでの自分達の苦労は一体なんだったのだろうと項垂れる

しかし会長はそんな事は全く分からなかったようで何をそんなに落ち込んでいるのだと首を傾げていた

「まぁこいつに人の常識がわかるわけないって・・・それよりも出し物の確認をしてきたんでしょ?

 私達はこの書類を先生達に渡してくるからその間に確認を終わらせなさいね?」

すると香野が助け舟を出すように書類を提出してくるのでその間に出し物の確認書類を終わらせるように告げる

おそらくは自分達が卒業生だから気を遣ってくれたのだろう

三人はその言葉に甘えて会長達が生徒会室を後にしてから出し物の確認書類を埋めていった

(・・・後でこっそり三人の書いた書類の中身を覗いちゃおっと・・・!)

次回は慶太達の視点でお送りしたいと思います

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