餅つき大会
年が明ければやっぱりお餅!
神社でのお参りを済ませた翌日、好夜達は再び命の家に集まっていた
と言うのも実は正月にやらなくてはいけない事をやっていなかったと実吉が思い出したようで
今日はその正月にやるはずだった事をやろうとみんなで集まっていたのだ
「・・・で・・・そのやらなくちゃいけなかった事が餅つきってわけか・・・」
好夜達の目の前には既に臼がありそして好夜の手には杵が握られていた
「そういえば昔は確かに正月には命の家でやってたな・・・今回は普通に忘れてたが」
実は昔から命の家での餅つきは恒例行事だったのだが忙しすぎて完全に忘れていたのだ
「後一つ聞きたいんだけどさ・・・あいつは来ても良かったのか?」
そしてもう一つの疑問としてあったのは宿題で忙しいはずの慶太がいてもいいのかと事だった
「別に構わないんじゃないか?会長も来ているから勉強を見てもらっているし
そのお守りで敬子が参加出来ないのも流石に可哀想だからな・・・慶太は参加させないが」
どうやら晃平の話では慶太を呼んだのではなく本当に招待したのはその勉強を見ていた敬子だった
流石に宿題を見なくてはいけないから餅つきに参加出来ないと言うのはあまりにも可哀想なので
慶太も一緒に呼ぶ事によって敬子を参加させようと考えたらしい
「なるほどな・・・会長には慶太の勉強を見てもらう分、迷惑は掛けてしまうけど
それなら敬子が参加しても問題はなさそうだな・・・
てかそれくらいしないとあいつの頭の方が持たないか・・・」
先ほどの晃平の話を聞いて好夜はおそらく本当に晃平がしたかったのは敬子を休ませる事だと考えていた
いくら毎回の事だとは言っても慶太に勉強を教えるのはかなりの労力が必要になる
しかもそれを冬休み中ほとんど毎日やってきた敬子はかなり疲れているはず
だからこそこの餅つきに参加させて少しでもいいから休ませようと考えたのだ
「ああ・・・てか・・・随分と容赦無く教えてるな・・・会長・・・」
もはや教え方はロボットがただひたすらに解き方を教えて答え合わせをしている感じになっており
その一切の容赦も無い姿を見て好夜と晃平は慶太に餅つきが終わるまでの無事を祈るのだった
「後は餅が来るまで待つだけか・・・てか・・・久しぶりに持ったけどやっぱり大きいな」
子供の頃に持って以来なので好夜は杵の大きさを改めて実感していた
「だな・・・俺も臼を持ってきたがここまで重いとは・・・
準備をしていた大人の人達は苦労していたんだな」
晃平も先ほど持ってきた臼の重さを実感しており昔の事を思い出して大人の苦労を知った
「お待たせしました〜!餅米を持ってきましたよ〜!」
するとそこへ餅米の準備が出来たようで命と明希音がそれぞれ一個ずつ持ってきた
「よし!それじゃあ始めるとするか!まずは誰からやる?」
臼と杵はそれぞれ二つずつあるので好夜はまず誰からやるのかを聞く
「それなら私がやってもいいかな?久しぶりに餅をついてみたいし」
するとまず手を挙げたのは敬子でどうやら久しぶりに餅をつきたくなったらしい
そして残りの人はどうなのか確認するが香野と足立は餅つきをしている写真を撮りたいようで
餅つきをするつもりはないようだった
「それじゃあ一つは敬子に任せるとして・・・もう一つは俺か晃平のどっちかだな」
返す役に関しては命と明希音に任せているので残りの餅をつく役は好夜か晃平のどちらかだった
「それなら俺よりも好夜がやった方がいいな・・・身長的に」
実は臼の大きさはそんなに大きいと言うわけではなく身長の高い晃平が着くには
かなりしゃがんで餅をつかなくてはいけないのだがそれでは力がうまく伝わらないので
ここはそこまでしゃがまなくてもいいであろう好夜に任せる事になった
「それじゃあ好夜くんの方は命ちゃんが敬子ちゃんの方は私が返し役になりますね」
それぞれのペアも決まったので早速ではあるが餅つきを始める事にした
「よいしょっと!ふぅ〜・・・久しぶりにやるけどやっぱり重いわよね〜・・・」
敬子は久しぶりに持ったせいなのか杵が前よりも重くなっているように感じた
「それに比べて・・・あっちは息が合いすぎでしょ・・・」
そして隣を見るとまるで往年のコンビかの如く凄まじいスピードで好夜達の方は餅をついていた
「いや〜・・・俺も子供達と一緒にやった事があったけどあれは子供用だったからな〜・・・
初めて大人用のを持つと加減とかそう言うのが分かんなくて難しいな〜・・・」
しかし当の本人は大人用の杵を持つのは初めてだったようでその重さに苦戦している様子だった
「はぁ〜・・・ちょっと疲れちゃた・・・誰か交代してくれない?」
しばらく餅をついていると敬子が疲れてしまったようで交代を求める
「それじゃあ私が体験させてもらってもいいですか?」
すると先ほどまで写真を撮っていた足立が自分も体験したいと挙手をする
好夜が写真についてを尋ねるとどうやら十分に資料用とたくさん撮ったらしいので
今度は実際に体験してそれを脚本などに活かしたいようだ
「それじゃあ渡しますけど結構重いので気をつけてくださいね」
そう言って敬子が足立に杵を渡すと確かに重くて足立は一瞬ではあるが落としそうになってしまう
「重っ?!二人ともこんなに重いのを扱っていたんですね・・・敬子さんも十分にすごいですよ」
足立はその杵を持ってみて初めて二人がどれだけの作業をしているのか実感できた
特に敬子に関しては自分と同じ女性であるにも関わらず普通に扱っていたのでとてもすごいと感心していた
「えっと・・・結構重そうなので少しだけ私も手伝いますね?」
敬子は流石に今の足立では不安なので少しの間だけ自分が手伝う事にした
支えてもらいながらも足立はゆっくりと餅をついていき最後の方は自分一人だけでつけるようになった
「・・・よし!俺らの方はもう良さそうだな」
どうやら好夜達の方は既に出来たようで命が餅をトレイに移して家の中に運ぶ
「後は餅を好きなようにちぎって自分の好きに食べるのがいいんだよな!」
そして出来上がった餅をそれぞれ適当にちぎっていろんな風に食べていこうと思ったのだが
「・・・それなんだけど・・・今日は各々でちぎるんじゃないくてこっちで切り分けるわ」
敬子が今までのようにはやらずちゃんと均等に分けてそこから取っていくように告げる
一体どうしてなのだろうと好夜達が疑問に思っていると敬子がその理由を教えてくれた
「あんたらは知らないけどそれで一回、自分の拳よりも大きく餅をちぎって食べようとして
食べきれなくて窒息し掛けた馬鹿がいるから今回から均等にするのよ・・・」
言わずもがなその誰かと言うのには全員、分かってしまったようでその本人に冷たい視線を送る
しかし当の本人はそんな事を気にしている余裕もなくとにかく宿題と向き合っていた
「それじゃあ切り分けるのは頼むわ・・・俺達は足立先輩の手伝いでもしに行こっと」
こうしてみんなでの楽しい餅つきは終わり後は均等に分けられた餅をみんなで食べる
「はぁ〜・・・やっぱり自分でついた餅はうまいな〜・・・」
好夜は餅を食べながら自分でついたからこそこれだけ美味しいのだろうなと思っていた
「まぁ苦労したらそれだけ美味しいと思うのは納得できるな・・・だが本当に美味しいと思うのは
命や明希音達が美味しくなるように調理してくれたからと言うのが大きいがな」
確かに晃平の言う通りいくら苦労したとしても素人が作ればここまで美味しくはならない
好夜が美味しいと思うのはちゃんと命達が調理をしてくれたからである
「だよな〜・・・てか忘れてたけど慶太の宿題は進んだのか?」
慶太の進行状況がどうなっているのか気になって好夜達が様子を見にいくと
そこには既に魂が抜けようとしている慶太の姿とそれを気にもしない会長の姿があった
「・・・こことこことここが間違っているな・・・やり直しだ」
会長の言葉を聞いた瞬間に慶太の抜けていた魂は完全に飛んでいき抜け殻として宿題をするのだった
「・・・後で差し入れでも持っていくか・・・」
好夜達は何も見なかった事にした後で差し入れを持っていく事を考えながらみんなの元に戻った
「さてと・・・それじゃあ餅も食べ終わったしそろそろ片付けするか」
餅つきも終えて餅も食べ終わったので好夜達は臼と杵を片付ける
「いや〜・・・今年最初のイベントが餅つきとはな〜・・・
終わってみるとなんか懐かしい気持ちでいっぱいになるよな〜・・・」
そんな中で好夜は終わって何やら懐かしい気持ちで終わったと思っていた
「だな・・・俺も向こうにいる時はやってなかったから本当に懐かしかったよ
まだ終わってすぐなのにもう来年が待ちきれなくなってるな」
どうやらそれは晃平も同じように思っているようで
終わったばかりなのにもう来年の餅つきを楽しみにしていた
「・・・来年も慶太が参加できるかどうかは心配だけどな・・・」
二人が一番不安に思っていたのは来年こそ慶太が参加できるかどうかだった
しかし先ほどの慶太の姿を見てしまってはその望みはかなり低いと言っていいだろう
((それ以前に会長がいなくなったら教える役目に俺達が回らなくちゃいけないんだけどな・・・))
片付けを終えて好夜達は一息ついた後でそれぞれ家へと帰っていく
「はぁ〜・・・今年も始まったばっかりだけど幸先は不安だな〜・・・」
帰りながら好夜は始まったばかりの今年をかなり心配している様子だった
「・・・でもそれ以上に楽しみでもあるんだろ?新学期がどうなるのか」
晃平にそう言われると好夜は当てられたからなのか笑っていた
「そりゃあどんな後輩が入ってくるのかめちゃくちゃ楽しみじゃん!
それに俺にとっては初めての後輩だからな!楽しみじゃないわけないじゃん!」
それを聞いて晃平はやはりどんなの時が経ったとしても好夜は好夜なのだと安心していた
「てかお前の方こそ大丈夫なのか?来年は野球部も新しく作り直すんだろ?」
「ああ・・・来年こそは大会でリベンジだ・・・!」
因みに作者はきな粉が大好きでした!




