親しみがあるほどプレゼントを選べない?!
今回は晃平と明希音のクリスマスプレゼントを選ぶ話です
好夜が命に対してのクリスマスプレゼントを選んでいる頃、
晃平も明希音を呼び出してプレゼント交換に出す物を選んでいた
「・・・なんというか・・・本当にどれを選べばいいのか分からないな」
みんなの事を理解しているからこそ晃平はプレゼントを選ぶのに悩んでいた
と言うのもみんなの欲しい物があまりにも違いすぎるのだ
これでは誰にでも喜んでもらえるプレゼントを渡せる訳が無い
「気心知れている仲だからこその悩みですよね〜・・・
私はとりあえず手作りのお菓子にしましたけど晃平くんはそうはいかないですもんね?」
明希音は誰でも食べられるお菓子をプレゼントにしたようなのだが
残念ながら晃平にそんな物を作る力はないので市販の物を買うしかない
しかし明希音がプレゼントするのならば自分も同じ物にするわけにはいかない
(それに命も和菓子とかにする可能性が高いから尚更な・・・
そしておそらく敬子や好夜は日常でも使えるような物のはず・・・
慶太に関しては何を考えているか分からないからやはりクリスマスみたいな小物か)
ここは無難にクリスマスを模したプレゼントにした方がいいだろうと思ったのだが
問題は出来るだけ邪魔にならないプレゼントを買う必要があると言う事だ
そしてその結果として今まさにその商品を見て何にすればいいのかを選んでいるのだが
「なんと言いますか・・・どれもユニークな商品ですね?」
おそらく明希音は気を遣って言葉を濁しているのだろうが
晃平としてはそんな事をしなくても既に分かりきっていた
(これは・・・ジョークグッズがほとんどじゃないか?)
店先に並んでいたのはほとんどがパーティーなどで使うジョークグッズで
おそらくは一回きりの物がほとんどだった
つまりはまともな小物などの商品は置かれていないという事だ
これには流石の晃平も困ってしまいどうすればいいのかを悩んでいる様子だった
(流石にこれをプレゼントするわけにもいかない・・・他に何か・・・)
「そうだ!それなら晃平くんが何かを作るのはどうですか?!」
「俺が?手作りのプレゼントを作るって事か?」
明希音の案を聞いた時に晃平は正直な話、乗り気ではなかった
確かに手作りのプレゼントはいい思いつきなのだがそれは食品や身の回りで着ける物に関しての話だ
今回の場合は自作のクリスマスを模した何かを作って渡すという事なので
おそらくもらった方としてはかなり重いプレゼントになってしまうだろう
おまけにそれが誰にいくのか分からないのならば尚更、プレゼントするわけにもいかない
「・・・やっぱり市販の物を買った方がいいんじゃないか?」
晃平は諦めてやはり市販の物を買おうとしたのだが
「でも・・・他のお店も同じようなものしかないみたいですけど・・・」
残念ながら明希音の言う通り他のお店を見たとしてもあまりいい商品はないので
こればかりは諦めて彼女の言う通り手作りの何かを作った方がいいみたいだ
「しかし何を作ったもんか・・・あまり大きいものにしても意味がないからな
明希音は何か作って欲しいという物はあるか?それを参考にしたいんだが」
自分では何を作ればいいのか分からないので
晃平はどんな物を作ればいいのか明希音に尋ねてみる事にした
「そうですね〜・・・やっぱりここは小棚なんかがいいんじゃないですか?
それくらいなら邪魔にならないと思いますし意外と欲しい物に入りますから」
明希音の言葉を聞いて晃平は確かにその通りだと納得していた
小棚は教科書などや文房具などを入れるのにも丁度いいし邪魔にもならない
おまけにクリスマス仕様の物にするのならばやりやすいはず
「小棚か・・・なら次はデザインを何にするか・・・雪だるまにツリー・・・
どれにすればいいのか悩むな・・・しかも今から作るのか・・・」
クリスマスまではあと二週間ほどしかなく今から凝ったデザインの物を作るのは無理だろう
となると簡単なデザインの物にしなくてはいけないのだが
簡単なデザインは驚くほどに多いのでそこから選ぶのは難しい
「・・・・やっぱりここは無難なクリスマスツリーにするか」
晃平は急いで作る為に材料を買ってそのまま家へと帰った
「さてと・・・それじゃあ早速、作ってみるとするか・・・」
流石は建築業の父を持つだけあるのか晃平は手際よく小棚を作っていく
しかし一から作っているので材料を切るだけでもかなりの時間が必要で
組み立てる部品を作り終える頃には既に昼食の時間になろうとしていた
「お待たせしました!お昼ご飯を作ったので休憩にしましょう」
すると明希音がお昼ご飯を作ってくれたようで晃平は作業をやめてリビングに向かう
「ごめんなさい・・・私の所為で苦労させちゃって・・・」
明希音は自分が余計な事を言わなければこんな苦労はさせずに済んだと後悔しているようだが
「いや・・・どっちにしても苦労する事には変わりなかったんだ
むしろ早めに答えを出してくれて感謝しているくらいだ」
晃平の方はむしろ感謝しており悩んでいた時間を考えるのならば
今のように何をプレゼントするのかを決めて作業する方が苦にはならなかった
「それにこうして飯も作ってもらえるから感謝しかないんだが・・・
まぁ今日に関しては後は色を塗るだけだからこれ以上、作業はしないからあまり心配するな」
既に基本の形は切り終えたので後は色を付けて丸一日放置するだけ
なのでそこまで心配する必要は無いことを告げると
「それなら私、今日から晃平くんの作業が終わるまでお昼とかを作りに来ますね!」
責任を感じていた明希音はこれから晃平のプレゼントが出来るまでお昼などをお世話をする事を決めた
「・・・頼むから学校に変な噂だけは流させないでくれよ・・・」
正直な話を言うのならば晃平としては
いい歳の女の子が一人暮らしの男の部屋に来るのはどうかと思っていた
この島は知り合いが多いので特にそう言った噂などを心配する必要はないが
やはり全員の事を知っている訳では無いので不安がない訳ではなかった
(・・・そう考えるとこれまでの事もかなり危険な部類に入るな・・・)
今更ながらに自分達のやってきた事を不安に思いながら晃平は作業に戻るのだった
次の日も晃平は朝早く起きて作業をするのだが宣言通りに明希音がやってきた
部屋に上げて明希音が昼の準備をしている間に晃平は作業を進めていく
「・・・しまった・・・ネジが足りない」
しかし家にあったネジが足りない事に気づいてしまい新しく買いにいこうと立ち上がる
「それなら私も付いて行っていいですか?お昼の材料が足りないので」
すると明希音も料理を作るのに材料が足りなかったようで一緒に買いに行く事になった
ネジも食材も近くのお店で買えたのでよかったのだが帰りに問題が起こった
何故か道端で龍間と真島がおかしな戦いを繰り広げていたのだ
「・・・あの人達は高校生を卒業して大学生になる自覚はあるのか・・・?」
正直な話、こんな場所で勝負を繰り広げるなどもはや迷惑行為でしかない
そしてそんな事は高校生はおろか大学生になろうとしている二人が分からない訳もなく
それにも関わらず勝負をしている二人に晃平は頭を痛めるのだった
「それよりもどうしますか?早めに止めないと人が集まっていますよ?」
二人とも大声を上げながら凄まじい勝負を繰り広げているので注目を集めてしまい
いつの間にか周りには野次馬が集まってきていた
晃平としては面倒に巻き込まれたくないので他人のフリをしたいのだが
どうせ後でバレる事になるだろうと思ったのかやはり勝負を止める事にした
「二人とも・・・勝負するのなら別の場所にしてもらえませんか?ここだと迷惑です」
晃平がそう告げると二人は勝負を中断して近づいていく
「残念だが津城よ・・・俺達は勝敗が着くまでは勝負を止めるつもりはない!」
龍間は自分達が勝敗が付くまでは絶対にここを退いたりはしないと告げる
何故かいつもは喧嘩をしている真島も頷いていた
「でも・・・お二人の勝負って勝敗がつくものなんですか?」
明希音に確信を突かれてしまったのは二人は一気に黙り込んでしまう
そしてお互いを見て勝敗など付きそうにそうにない勝負をどうしようかと考えていると
「それなら商店街へのお詫びも含めて売上で勝負したらどうですか?」
「「そっそれだ!!」」
「・・・随分とうまくいったが・・・あれで大丈夫なのか?」
家に帰ってきた晃平は迷惑にならない勝負でどうにかはなったが
本当にあれでよかったのだろうかと今更になって不安に思っていた
「多分大丈夫だと思いますよ?それよりも完成したんですね?」
そんな話をしながらも晃平は作業を進めておりようやく小棚が完成した
「ああ・・・後はニスとかを塗って表面を加工するだけだ
今日の作業はそれをすればもう終わりだな」
そう言いながら晃平は思い出したかのようにとある物を明希音に渡した
それは余っていた木材で作ったクリスマスツリーのストラップだった
「お前にも助けられたからな・・・これはそのお礼なんだが・・・流石に見窄らしかったか?」
晃平としてはあまりいい物ではないので渡すのを戸惑っていたのだが
「ありがとうございます!無くさないように鞄につけますね!」
本当に明希音は嬉しそうな笑顔でそれを受け取ってくれたので晃平は安心していた
「それじゃあ私の方も出来たので一緒に食べましょう?」
そして二人は一緒にお昼を食べてクリスマスプレゼント作りは幕を閉じた
そんな中で明希音は家に帰る道中で晃平が作ってくれたストラップを見ていた
「・・・私も渡そうと思ってたのに・・・先にもらっちゃった・・・」
実は明希音も晃平にプレゼントを渡そうと思っていたのだがまだ出来ておらず
意図しないで先にプレゼントをもらってしまい少しだけ悔しいと思っていた
「・・・これは当日に渡すプレゼントは頑張らないといけないですね」
そう言いながら明希音は嬉しそうに家へと帰っていくのだった
次回はどうなる?!慶太と敬子のペア回です!
 




