冬といえばやっぱり?
今回は冬にやった事があるなという回です
楽しい旅行が終わり好夜達はそれぞれの冬休みを過ごしていた
もちろん慶太は宿題があるので全く休みになってはいないが
それ以外の五人はちゃんと楽しい冬休みを過ごしているようにも思えたが
「・・・まぁ・・・何もない日はマジで暇なんだよな・・・」
今日一日だけ好夜は家で暇を持て余していた
宿題も終わらせバイトもなくやりたい事も全て終わらせてしまっており
もはや彼にとって暇こそが最大の難問となってしまった
「外に出かけるとしてもな〜・・・どこに行こうかな〜・・・」
暇を潰す為に外に出ようとも考えたがどこに行こうかも決めておらず
どうしようかと考えていた時だった
「好夜〜!ちょっとおつかいしてきてほしいんだけど〜!!」
母親に呼ばれて好夜は何を買ってきてほしいのかを尋ねてから
どうせ暇なのでそのままおつかいをしに商店街まで向かうのだった
「えっと・・・とりあえずはこれで買い物は終わらせたけど・・・
全然時間潰れてないしやっぱりどこか行こうかな〜」
好夜は買った物を持ち歩きながらどこで時間潰そうかと思っていると
「そういえばこの近くに命がたまに手伝ってる和菓子屋があったな〜・・・
どうせ時間も余ってるんだし寄ってみるか」
時間が余っていた好夜はそのまま命が手伝っているであろう和菓子屋に向かった
するとそこには何故かとんでもないほどの行列が出来上がっていた
「・・・人気はあったけど・・・
流石にここまですごい感じではなかったと思うんだが・・・何かあったのか?」
最初に来た時から確かに混むほど人気はあったのだがここまで露骨ではなかった
なのでもしかしたら新しい商品などが出たのではないかと思っていると
「あれ?あんたもここの和菓子食べに来たの?」
聞き慣れた声がして振り返るとそこには敬子の姿があった
「へぇ〜それじゃこんなに混んでるのは冬限定の和菓子があるからだったのか」
敬子からどうしてこんなに混んでいるのかその理由を聞いた好夜は納得した
どうやらみんなはこの時期限定の和菓子を食べに来たそうで
そして敬子もそれを食べに来たらしいのだが
「やっぱり朝イチで来た方がよかったかもな〜・・・こんなに並んでるなんて」
敬子はこの並んでいる行列を見てもっと早くに並べばよかったと後悔していた
「別に急いでるわけじゃないしいいんじゃないか?それに売り切れはないんだろ?」
実はこの和菓子の一番の特徴は数量限定というわけではなく
ちゃんと最後までやってくれるという部分だった
なのでそこまで急がなくてもいいのだが流石に閉店時間というものもある
しかし昼前から並んでいる好夜達は閉店時間よりも前に食べられるだろう
「そうなんだけどさ〜・・・やっぱり早めに食べたいじゃん」
確かに敬子の言う通り早めに食べたいというのには同意するが
食べれる事に変わりはないので好夜は特に気にする事はなかった
そんなこんなでしゃべっている間にいよいよ好夜と敬子が入れた
「えっと・・・確かこれが限定のやつみたいだけど・・・二種類あるぞ?」
メニュー表を見るとそこには二種類の和菓子の名前が書いており
どうやら新しい和菓子は二つもあったようだ
「あぁ〜・・・流石に二つも食べられないよな〜・・・」
それを知って敬子は流石に昼前で二つも食べれるわけもなくどうしようかと悩んでいると
「それなら俺がもう一つのを頼むから二人で分ければいいんじゃないのか?」
特に何も気にしていなかった好夜は二人で分け合えばいいと提案する
それを聞いて敬子はそれもいいかもと思った時に背中に殺気を感じて振り返ると
そこには偶然にもここを手伝いに来ていた命が厨房からこちらを見ていた
(・・・あれ・・・絶対に勘違いしてる気がするんだけど・・・どうしよう・・・)
そこから敬子は命の誤解を解く事も考えなくてはいけなくなったのだった
「そういえば今日は命が手伝いに来てるわけじゃないのか?」
すると好夜が思い出したかのように命の姿が見えない事に気がつき
もしかしたら今日は手伝いにきていなかったのではないかと思っていると
「・・・それならさっき厨房で和菓子作ってるのが見えたわよ」
あえて自分が睨まれていた事は教えず敬子は命が厨房にいる事を教える
「そうだったのか?それじゃあ流石に呼ぶのは無理だな」
それを聞いて好夜は迷惑をかける訳にはいかないと呼ぶのをやめたのだが
「あっあの・・・いっ一緒していっいいですか?」
既に命は休憩をもらって好夜達の席まで来ていた
そのまま命と一緒に好夜と敬子は期間限定の和菓子を頂く事にした
「へぇ〜・・・雪うさぎにこっちは雪だるまの形をしてるのか
確かにこれは冬には丁度いいし可愛いから女性には大人気だろうな」
運ばれてきた和菓子を見て好夜は確かにこれならば人気があるのもおかしくはないと告げる
「本当ね!これで味も美味しいんだから並ぶだけはあるわよ」
そしてそれを食べた敬子は絶賛するほどの味をしておりとても喜んでいた
好夜もこれならば並んでよかった本当に思えるほど美味しいと感じていた
「そっそういえばどっどうして二人がいっ一緒にいるんですか?」
ここでようやく命がどうして二人が一緒にいるのかを聞いてきた
「実は母親からのおつかいから帰る時に時間があったから命が手伝ってるここに来ようと思って
そしたら限定メニューが目当てだった恵子とばったり遭遇したんだよ」
その言葉を聞いてようやく安心したような表情を浮かべる命
それと同じく誤解が解けたとホッとしながらも呆れる敬子の二人がおり
好夜はなんで二人がそんなに安心したような感じになっているのかと思いながら
出された和菓子を食べ進めるのだった
「それにしてもどうすっかな〜・・・この後も何もやる事ないんだよな〜・・・」
好夜はこの後に予定について何をしようかと真剣に考えていると
「そっそれならてっ手伝ってほしいこっ事があっあります・・・!」
昼を過ぎ好夜は命との約束の場所へと向かった
そこでは色んな人が雪像を作っており中にはかなりの大作もあった
好夜はここで何をしなくてはいけないのだろうと思っていると
「おっおまかせしっしました・・・!」
既に完全防備の格好をした命がおりスコップなどを持っていた
「じっ実はこっここでかっかまくらをつっ作る事になっなってたんですけど
きっ急にたっ担当の人がかっ風邪でやっ休んじゃって・・・」
どうやら命の話ではこのかまくらには明日来るであろう幼稚園の子供達が入るそうで
それまでにはどうにか人数分を作っておきたいそうなのだが
「・・・ちなみに聞くけど・・・そのかまくらって何個作ればいいの?」
その前に好夜は本当に自分達だけで作れる数なのだろうかと思って尋ねると
「・・・はっ八個・・・くっくらい・・・です・・・」
まさかの数に好夜は絶対に無理じゃないかと思うのだった
「明日までに八個はな〜・・・夜中まで作業しても無理じゃないか?」
確かに好夜の言う通り只でさえ一個が大きいかまくらを作らなくてはいけないのに
それを八個も作るとなると流石に今日中に二人で完成させるのは無理だろう
どうしようかと二人が悩んでいると遠くの方から声が聞こえてきた
「あれ?晃平に明希音?おまけに会長と香野先輩までどうして?」
その声がした方を振り返るとそこには何故か晃平達の姿があった
「俺と明希音は商店街の手伝いで会長と香野先輩はボランティアでの参加だ」
どうやら晃平達もこのかまくらを作るのに呼ばれていたようで
この人数ならばもしかしたら今日中には終わるのではないかと思い始めた
「話は聞かせてもらった・・・流石に全員で一個ずつ作っていても時間が掛かってしまう
ここは三人ずつに分かれてそれぞれ四つをノルマに作るぞ」
それからは見事に会長がその場を仕切り始めて二組に別れた晃平達は作業を始める
(でも・・・結局大変な事には変わりないんだよな〜・・・)
こうしてなんとか作業を進めていきどうにか四つまでは完成させる事が出来た
「ハァ・・・ハァ・・・かまくらって・・・こんなに・・・疲れたっけ?」
しかし半分を作り終えて会長以外の五人は既に体力が限界に来ていた
「半分まで終えたし少しだけ休むとしよう・・・体も少し冷えたしな」
会長の言葉に少しだけかよと思う五人だったがもはやツッコむほどの気力はなかった
みんなが休んでいると商店街の人が暖かいおしるこを持ってきてくれた
「はぁ〜・・・生き返る〜・・・そしてどれだけ手が冷えてたのか分かるわ〜・・・」
普段ならそうでもないような温度なのが持っていてかなり暑いと思えるほど
好夜達の手は完全に冷え切っていた
「でもさっきの好夜くんが言ってたように
昔ってあれを作るのに全然疲れませんでしたよね〜・・・」
そのもらったおしるこを飲みながら明希音は先ほど好夜の言葉についてを考えていた
どうやらそれほどまでにかまくら作りに疲れていたようだ
「でも子供の頃って無限の体力を持ってた気がするわよね〜・・・
私も一日中外で遊んでた記憶しかないしむしろ疲れた記憶の方がないかも」
その言葉に香野は同意し自分が子供だった時は疲れた事すらなかったように思えていた
「まぁ楽しいと疲れてる事を忘れてしまいますからね・・・
むしろ俺はこのかまくら作る時になんで楽しかったんだろうって今更ながらに思ってますよ」
冷静に考えれば晃平の言う通りかまくらを作るのはかなり大変な作業のはずで
何をあんなに楽しく疲れすらも忘れる事が出来るほどに作れたのだろうと思っていた
「今となってはいい思い出というやつだ・・・
こんな風に昔を思い出しながら作れるんだからな・・・
・・・俺の場合は自分で作ろうとしていたというよりも作らされたがな・・・」
どうやら会長は自分で自発的にかまくらを作ったというよりも
香野に言われて作らされた事の方が多いそうだ
((((さっき疲れた記憶がないって・・・・単純に自分でやってないからじゃ・・・))))
こうしてどうにかかまくら作りは終わり翌日の子供達にとても喜んでもらえたのだった
ちなみに作者はかまくらが崩れてその下敷きになった経験があります・・・
良い子はちゃんと親と一緒に作ってね!
親御さんは子供と一緒に作るかちゃんと見ててあげてね!
 




