ご飯を食べて寝る前に熱い勝負!
今回はゲームで対戦です!
お風呂を終えた好夜達は女性陣が出てくるのを気楽に卓球をしながら待っていた
「あれ?もう上がってたの?・・・てか倒れるそいつはどうしたのよ?」
女子の中で一番最初に女湯から出てきたのは
敬子で倒れている慶太に何があったのか尋ねる
「まぁ・・・温泉は気楽に入りたいと思うと同時に
我慢してまで入るものではないなと・・・」
何を言っているのか理解できなかったが敬子はとりあえずのぼせた事だけは理解できた
「馬鹿な事をしたって事だけは理解できたわ・・・他のみんなもすぐに出てくるだろうし
それまでにこいつをどうにかしないといけないわね」
敬子はこれからご飯を食べるのだからどうにかして慶太を起こさなくてはいけないと告げる
「確かにな・・・でも起こすにしてもどうすればいいんだ?
悪いけどもう体は完全に冷めてるだろうから後は自発的に目覚めさせるだけだぞ?」
どうやらすでに氷などで体を冷やしたりなどは終わらせているようで
起きるかどうかは本人の意思次第だと晃平が告げると敬子はそんなの簡単だと告げる
そして静かに慶太の側まで行くと彼の耳元でこう告げるのだった
「今・・・お風呂から上がってきた浴衣がはだけているお姉さんがいるわよ?」
それを聞いた瞬間に慶太は驚くべきスピードで飛び起きたかと思えば
明らかに目が血走った様子でいるわけがないそのお姉さんを探していた
「そんな人がいるわけないだろうが・・・現実を見ろよ・・・」
好夜の言葉を聞いてようやく自分が騙されたのだと理解した慶太はその張本人を睨みつけた
「ふざけんなよ!純情な男の子の気持ちを弄びやがって!」
色欲に塗れている感情のどこに純情があるかは分からないが
とにかく慶太が怒っている事だけは理解できた
「こうでもしないとあんたは起きないでしょうが
その怒りはこれから食べるご飯で忘れなさい」
しかし敬子は謝るどころかご飯を食べる為だと言って起こした事を正当化していた
「えっ!もう直ぐご飯なのか?!だったら早く部屋に戻らないと!!」
((・・・単純だな〜・・・))
さすがに怒ると思っていたのにご飯と聞いて直ぐに怒りを忘れるあたり
本当に傷ついていたというわけではないのだろうが
好夜と晃平はこんなに単純でいいのかと呆れていた
「みんな何してるの?もう私達もお風呂から上がったんだし部屋に戻りましょ?」
そこへ着替えを終えた香野達も合流し一行は部屋へと戻る事にした
部屋に戻ってみるとすでにご飯の用意は出来ているようで仲居さん達が運んできた
「おぉ!正直ここまで豪華な食事が用意されてるなんて思ってなかったわ!」
香野もここまで豪華な料理を用意されているとは思っていなかったようで
正直な話、これをすべて残さずに食べれるかどうか不安でもあった
「ああ・・・だがこれだけあればこいつらには十分じゃないのか?」
会長の言葉を聞いて香野は向かい側を見ると
そこにはすでに料理を食べ始めている慶太の姿があった
「・・・むしろ自分達の分が残るかどうかの心配をした方が良さそうね」
ここでようやく香野は自分が食べきれる心配ではなく
食べられる心配をした方がいいという事に気がついた
「てかそんなに急いで食べたらどう考えても喉に詰まると思うんだけど」
敬子の言う通りそれからすぐに慶太は喉に詰まらせて水を欲する事になった
言わんこっちゃないと呆れながら敬子は水を差す出すと慶太は勢いよくそれを飲んだ
しかしそれからすぐに全く懲りない様子で再び料理を食べ始めるのだった
「この男・・・全くと言っていいほど学ばないわね・・・」
さすがの敬子もこれ以上は知らないと言わんばかりに自分も食事を始めた
そんな中ですごく静かに食べているのは他でもない命だった
真向かいにいた好夜は自分も食事をしながらその光景に思わず見とれていた
「どっどうしたの?たっ食べないとなっ無くなっちゃうよ?」
それに気がついた命に言われて好夜は急いで自分の食事に戻った
(・・・なんか・・・いつも俺達と同じ料理しか食べてなかったから分からなかったけど
命もやっぱりお嬢様なんだって思い知らされたな・・・ビックリして箸が止まってた)
「そういえば明日はどこに体験しに行くんだったっけ?」
ここで慶太は明日の予定が和菓子作りの体験だった事を思い出しどこに行くのかを尋ねる
「そっ祖母の知り合いがこっこちらで和菓子の店をひっ開いているので
そっその人にお願いしておっ教えてもらうつもりです」
どうやら命の祖母である蓮花さんの知り合いがこちらの方で営んでいる和菓子店があるようで
明日はその人に教えてもらいながら和菓子作りをする事になっているそうだ
「でもいいのか?店をやってるって事は普通に邪魔になっちゃうんじゃ」
ここで気になっていたのがお店をやっているのに
自分達の体験に付き合ってもらっていいのかどうかだった
確かに体験はしたいと思っていたがさすがに迷惑を掛けてまでしたいとは思っていなかったので
どうなっているのかその辺についてを確認すると
「だっ大丈夫です・・・そっそのお店はふっ普段からたっ体験をやっているので
そっその空いている時間をおっ教えてもらってよっ予約を入れたんです」
どうやら元からそのお店はちゃんと和菓子の体験をしているそうで
今回は空いている日を特別に教えてもらいそこに予約を入れただけだそうだ
「そうだったんだ?なら何の心配もしないで済みそうだな?」
好夜はそれならば問題はないと安心しながら再び食事を続けた
「てか忘れてたけどさ?ご飯を食べ終わった後ってどうするんだ?
さすがに寝るにしても早すぎるよな?」
ここで慶太がこの後の予定についてを訪ねてきた
確かにご飯を食べ終わったとしてもおそらくはまだ7時にもならないだろう
ならばもう少しどこかで時間を潰さなくてはいけないと思ったのだ
「なら一階にあったゲームセンターでも見てくるか?
懐かしいアーケードゲームなんかもいっぱいあったぞ?」
晃平の話では彼らが子供の頃にあったようなゲームがたくさん並んでいたようで
それを聞いた慶太は目を輝かせて食べ終わった後はそこに行く事にした
「おぉ!本当に昔の頃に遊んだゲームが並んでるぜ!ひゃっほう!!」
慶太はまさか自分が子供の頃に遊んでいたゲームに巡り会えるとは思っておらず
それを見つけた瞬間にまるで当時の自分に戻ったかのように走り出していた
「確かに懐かしいけど・・・そこまで興奮するほどか?」
これにはさすがの好夜達も引いているようで懐かしさがどこかにいってしまった
「なるほどな・・・確かに懐かしいが・・・これは今でも動くのか?」
なんと会長も同じく懐かしさを感じているようで当時のように動くのか心配もしていた
「意外ですね?会長もゲームセンターとかで遊んでたんですか?」
好夜はみんなが思ったであろう疑問を普通にぶつけてみると
「まぁ親が忙しくて勉強をしていたんだがやる事も無くなってしまってな
気分転換も兼ねて何度か足を運んだ事があるんだ」
なにやらかなり高尚的な感じの発言を聞いて好夜はやはりかという顔をしていた
「気にしなくてもいいわよ?こう見えてもかなり通ってた部類の人だから」
しかし香野の話ではどうやら息抜きと言いながらも結構な頻度で通っていたそうで
今更かっこよく言ったとしても嘘にしか聞こえないらしい
「いやでも・・・あれよりは随分とマシなんじゃないですか?」
そう言って敬子が指を差した方向には明らかにハシャギ過ぎな慶太の姿があった
「・・・とりあえず私達も何かして遊びましょうか?」
とりあえず香野達も何かをして遊ぶ事に中を見ていくとレースゲームがあり
最初はそれで遊ぼうとまずは命を抜いた女性陣だけでレースを始める
「足立先輩?!バックしてます!アクセルのペダル間違えてますよ!」
始まってすぐに足立がアクセルとバックのペダルを間違えて踏んでおり
完全に最下位が決まってしまった瞬間だった
勝負は香野と敬子の二人になり少しの差ではあったか香野が勝利を収めた
「私・・・もしかしてですけど車に乗らない方がいいんじゃないですかね?」
ゲームではあるのだが確かにこれならば乗らない方が身の為ではないかとみんなは思った
その後、男性陣もレースゲームで戦う事になったのだが
「どけどけどけ!俺の前を通る奴はみんな吹っ飛ばしてやる!」
明らかに早さを競うレースじゃなくバトルをするレースをしている人物がいた
もちろんそんなのに絡みたいとは思うず他のみんなは離れて運転していると
勝負を決めようとした慶太が思い切り突っ込んできた
「まずは好夜!お前からリタイアさせてやるぜ!」
しかし好夜は加速を決めて慶太の突進を華麗に躱し慶太の車は完全に壁にぶつかって壊れた
「・・・自分が自滅してたら意味ないわね・・・」
香野の言葉がトドメとなり慶太の最下位が確定したのだった
その後はまさしく機械のように正確な運転で会長が優勝を飾った
「・・・なんか会長の運転見てたら滅多の事でもない限り事故らないなって思いました」
会長の華麗な運転を見て敬子は会長の運転ならば安心して乗れると言っていた
「てか俺としてはゲームも強いってのが納得出来ないんですが・・・弱点とかないんですか?」
実際に戦っていた好夜からしてみればゲームでも圧倒的な強さを見せられ
この人には弱点という弱点はないのかと思っていた
「まぁこの人の弱点なんてむっつりスケベってところしかないんじゃない?」
確かに香野の言う通り会長はむっつりスケベではあるが
それを何に活かせばいいのだと好夜は心の中でつぶやくのだった
「それでは先ほどお前達が興奮していたゲームで対戦でもするか?
これでもそれなりにやり込んでいるから楽しめるはずだ」
もはや会長の言う事など信用できない好夜達は普通に辞退し
唯一興奮しっぱなしの慶太だけではその対戦を受け入れる
そして結果は・・・言わずもなが慶太の惨敗だった
「なんか・・・当時の俺ですら知らなかったコマンドとかあったんですけど・・・」
もはやゲームの達人レベルではないのかと思う好夜達をよそに本人はまだ遊び足りないらしく
「次は誰がやるんだ?よかったら俺が教えてもいいんだが」
「「「遠慮します!」」」
次回は旅行二日目になるよ!




