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冬が始まる前に地獄と向き合え

今回は二話に分けてお届けします!

雪が降り始めていよいよ季節は冬となった

そしてもちろん雪が降ってきたという事は冬休みが始まる前兆でもある

しかしそんな嬉しいイベントの前には必ずと言っていいほど

やらなくてはいけない悪魔のようなイベントが待っているのだ

「いや・・・悪魔とか地獄とか思ってるのはお前だけだからな?

 普通に期末テストが待ってるだけだからな?」

残念ながら悪魔のようなという風に言っているのは慶太だけであり

他の五人は別に期末テストをそこまで恐れているようではなかった

「舐めんなよ!俺にとっては冬休みがあるかどうかが掛かってくるほどヤバイんだよ!!」

どうやら慶太にとっては冬休みの運命が決まってしまうほど

今回の期末テストが怖いもののようだ

どうしてそんな風に思うのか本人に聞いても理解できなさそうなので

同じクラスである敬子の方を見てどういう意味なのか確認する

「・・・そいつ・・・この前のテストも悪かったから担当教師から怒られたのよ

 それにも関わらず冬休みの計画なんかを笑顔で喋ってたから・・・

 担当教師の怒りが爆発して今回のテストで赤点だったら

 冬休みは一人で勉強合宿をする事になったのよ」

その言葉を聞いて命は可哀想だと思っていたが好夜と晃平に関しては自業自得だと思っていた

「でも私も今回は不安かな〜・・・部活ばっかりでそこまで勉強に身が入ってなかったし」

どうやら敬子も期末テストが不安なようで同じようにため息を吐いていた

「ならまた命の家で勉強会でもするか?てかやらないと敬子はともかく

 そこのバカは絶対サボるぞ・・・確信を持って言える」

そんな風に思っているともはや悟りを開いて諦めきっている慶太の姿が見えた

「そっそれなんですけど・・・じっ実は今日はおっお祖父様がお客様をつっ連れてくるので

 ざっ残念ながらいっ家でのべっ勉強会はむっ無理なんです・・・!」

しかし今日は命の家でも用事があるようで集まって勉強会をするのは難しいそうだ



「そうなのか・・・それじゃあ勉強会は諦めるしかないか?」



「別に命の家じゃなければいいんじゃない?誰か別の家に集まれば」

敬子は命の家がダメならば別の誰かの家に集まればいいのではないかと告げる

「そうだな・・・命の次に大きい家となると明希音の家になるか?」

命の次に大きい家なのは明希音であり本人にどうなのか確認する

「う〜ん・・・私の方も今日は町内会の会議があるらしくて

 残念ですけど集まれるような感じではないんですよね〜・・・」

しかし明希音の家でも同じように会議が行われるので人が集まり

会議を行えるような感じではないらしい

「となると必然的に次の家は俺って事になるのか・・・まぁ何もなかったはずだけど

 さすがに確認してみないと何とも言えないからな?」

そう言って好夜は自分の母親に電話を掛けてみんなと勉強会をしたいのだと説明する

『ちょうど良かったじゃない!実は今日から母さん達も旅行に出かけるのよね〜!』

全く聞いていなかった話をされて好夜は大きな声で驚いていた

「そんな話を全く聞いてないけど?!それっていつまでなんだよ?!」

好夜はいつまで旅行するつもりなのか確認すると

『とりあえずは二泊三日だけど〜・・・もしかしたら遅くなるかな?』

完全に浮かれている自分の母親の言葉を聞いて好夜は頭を抱えてしまう

「・・・もう好きにしてくれ・・・それじゃあ・・・」

好夜は電話を切った後で先ほどの話をみんなにすると苦笑いされた

「なんというか・・・本当に自由だなあの人は・・・

 だがまぁ一応は了承をもらったという事で勉強会は出来そうだな」

これで何の憂いもなく勉強会は行える事になったが問題が残ったのは好夜だった

「ハァ・・・これからしばらくはコンビニとかで飯を買わなくちゃいけないのか・・・

 全く・・・こんな事なら最初から言っておいてくれよな・・・

 そしたらもうちょっと色々と買っておいたのに・・・」

好夜はこれから母親が帰ってくるまでの間、自分でご飯を用意しなくてはいけないのだが



「あっあの!・・・そっそれならわっ私がつっ作りにいっ言ってもいいかな?」



「・・・えっ?・・・」

思わぬ提案に好夜は完全に頭が停止してしまい考える事を放棄していた

そしてしばらくして意識を取り戻すと先ほどの命の発言に対して考える

(いやいやいや・・・命は別に俺の事を気にかけて言ってくれたのであって

 そんなやましい気持ちとか打算的な考えとかは一切ないはずだ!

 絶対に勘違いするなよ!俺!)

何故か他の色恋には鋭い好夜なのだが自分の事になるとどうしてここまで鈍感になれるのか

本当は命も勇気を振り絞り打算的な考えてご飯を作りに行くと言ったにも関わらず

その言葉を聞いた本人には届かないのだった

しかしさすがの命も毎日ご飯を作りに行くのは緊張してしまうのか

言った後でどうしようかを必死で頭を悩ませていた時だった

「そうだ!それならいっその事さ好夜のお母さんが帰ってくるまで

 毎日テスト勉強会を開けばいいんじゃない?!」

その様子に感づいたのか敬子が好夜の母親が帰ってくるまで毎日勉強会をしようと提案する

「・・・お前・・・ただでさえ冬休みがなくなりそうな俺にそれを言うか?」

この言葉にいち早く反応したのは先ほどまで悟りを開いていた慶太だった

「その冬休みを手入れる為に勉強会をしようって言ってるんじゃん

 さすがに私も今回は一日でどうにかできるとは思えないし

 だったらいっその事、今日からテストまでの期間を勉強会にすればいいって考えたわけよ」

確かに勉強をするのであればテストまでみんなで教えあうのが一番だろう

特に勉強のできない慶太に関しては丸ごと詰め込むいい機会でもある

しかし当の本人はやはり勉強が嫌いなので嫌そうに否定しているのだが

「いいのか?俺達の力を借りないでテストの赤点を回避できるとは思えないが?」

晃平に真正面から事実を突きつけられて慶太は膝から崩れ落ちて真っ白になった

「それじゃあ決定って事で今日は学校が終わったらすぐに好夜ん家に集合ね!」

こうしてみんなで楽しい勉強会が決まったのだった



「いやまぁ・・・勉強会はいいんだけどさ・・・お前らの飯代も俺が払うの?」



そして好夜達は学校が終わってすぐに自宅へと向かった

「命達は晩御飯の買い物をしてから帰ってくるって話してたから

 俺達は先にこのバカの勉強でを始めるとするか・・・」

そう言って好夜が見つめた先には縄で縛られて晃平に引き摺られていた慶太の姿があった

「お前な・・・せっかく人が冬休みを手に入れさせてやると言っているのに

 どうして逃げようとするんだ・・・てか逃げられると思ったのか?」

往生際の悪い慶太は授業が終わってすぐに逃げようとしたのだが

事情を聞いていた担任の先生に捕まってしまいそしてその後に来た敬子が縄で縛ったのだ

「だって勉強したくねぇんだもん!てか友達なら少しは遠慮してくれよ!!」

どうやら慶太は意地でも勉強したくないようで縄で縛られていても脱出しようと必死でもがく

しかし敬子が縛った縄はかなりきつくなっているようで全く外れる気配がなかった

「とりあえずもう家に着いたんだから諦める事だな

 てか自分の家でやられる身にもなれよ・・・俺は逃げるって選択肢すらないぞ?」

元々逃げる気もないのだが確かに好夜は逃げるなどという選択肢はなかった

「おまけに晩御飯の代金まで俺持ちって・・・なんかテストの方がまだ優しいわ・・・」

さらには先ほど財布を命に渡しているので晩御飯の代金は好夜持ち

この時点で好夜はもはやテストを受ける方が楽だと思うのだった

「まぁなんだ・・・今度うちに来た時は奢ってやる・・・」

さすがに可哀想だと思ったのか晃平は今度、好夜に奢ってやろうと思ったのだった



一方その頃、好夜の財布を受け取った命達は晩御飯の材料を買いに来ていた

「・・・なんだけど・・・別に私はいらなかったんじゃないの?」

料理ができない自分がいるのは意味がないのではないかと敬子が告げると

「そんなことないですよ?敬子ちゃんがいないと重いものが持てませんから」

明希音は六人分の食材を買わなくてはいけないので荷物持ちが必要だと告げる

(・・・それ・・・女子じゃなくて男子に言うセリフよね・・・)

しかしそれは同時に女子に言っていいセリフではないと敬子は思うのだった

「それにしてもどうしましょうか?好夜くんのお母様がいつ帰ってくるか分からないし

 同じようなものを作っても仕方ないですよね?」

ここで悩むのが献立を一体何にするかだった

これからテストまでの間、毎日勉強会をするとなると同じような物を作るわけにもいかず

何を作ればいいのか悩んでいるとすでに命は献立を決めているようで食材を選んでいた

「・・・どうやら私達が考えなくても未来のお嫁さんがすでに決めてるみたいですね?」

その様子を見てまさしくお嫁さんのようだと明希音が揶揄うと命は顔を真っ赤にしていた

「はいはい二人とも遊んでないで早く材料を買って帰るわよ」

そんな二人を敬子が治めて三人は晩御飯の材料を買っていく

そしてお会計になり命が自分の財布を出すか好夜の財布を出すか悩んでいた

「・・・思ったんだけどさ?材料費はみんなで回して出せばいいんじゃない?」

するとここで敬子がさすがに申し訳なく思ったのか材料費をみんなで回して出そうと提案する

「そうですね!それなら私達も気兼ねなく晩御飯を食べれそうです!」

明希音もその案に賛成し二人の様子を見て命もそれがいいと想い

今回は好夜の財布から出せてもらう事にした

そして三人はここから始まる地獄の会場へと足を進めていくのだった

次回は勉強会という名の地獄が始まる・・・!

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