隙あらば自分語り
書き出しから思いつかない。
書こうかと思ってもう十五分は経ったはずだ。もう今の状態を書いてしまえばいいのでは? そう思いたった今この始まりにした。
これは只の独白、応援と恐喝の話。
小説を書きたい。
そんな想いは昔からあったはずだ。こと創作するに関しては病気を患ったころからずっと燻っていた。
病気? 厨二病の事だ。今でも治りきらない難病だ、きっと死ぬまで治ることは無い。
もしかしたら歳がバレるかも知れないが俺が正に中学二年生の頃というのはライトノベル全盛期だった。
『涼宮ハルヒの憂鬱』、『灼眼のシャナ』、『ゼロの使い魔』……そんな化け物どもが日本を割拠している時に厨二病を拗らせてしまった。症状は寝る前の妄想、中世への憧れ、デカルトの勉強……。
イラストにも手をつけ授業中にお絵かき。もう手に負えない問題児だ。
特にお気に入りは『phantom』というゲームのノベライズだ。銃器を使った妄想も捗った。
その時は素人ながらに小説も書いたんだ。何を書いたかは忘れた。残ってすらない。
一部を友人に見せた時は悪いことは言われなかったと思う。キャラクターの設定資料を女子に見せたときは「女子はこんなに背が高くない」と言われた。俺は童貞だった。
だがしかし俺は書き切ったことがない。全て中途半端に消えていた。
飽きたのもある。戦争を書くには政治を知らなくてはならない、宗教を知らなくてはならないと書き始めず消えた物もある。
結局情熱がなかったのかも知れない。
そんな俺が何故、小説を書こうと思ったのか。見てる人が居るかは知らないが言っておくべきだ。
これは俺の自分語りだ。
投稿サイトには若い人ばかりだろうか。俺はもうおっさんだろう三十が近づいてきた。
感覚としてはついこの前に学校を卒業し仕事を始めたばかりだ。実際はもう一人で仕事を任されるくらいにはなっている、未だに下っ端ではあるが。
そんな俺は人生で何ができる、何をしてきただろうかと三十を前に、ふと考えてしまった。
俺より年下は結婚した、友人は貯金がかなりの額らしい。
俺は? 告白してしまうが彼女なんていない、貯金なんて多くない、スポーツもやってなければ特技もない。
俺はこれからどうなる? このまま一人で死んでいくのか? いやそれはいい。
だけど誰が知っていてくれる? 死んだら残るものは?
怖くなったんだ多分。
何かを残したいと思った。
誰かに影響されたと言うのは何だか気恥ずかしいが、実はきっかけがある。
今や大人気の『米津玄師』さんだ。『ハチ』名義だったころからファンだった。
前に『砂の惑星』という曲を聴いた。俺は製作者、創作者に向けられたメッセージがあると解釈しているがその中の歌詞が心に刺さった。
歌詞の一部でも書きたいが引用の定義が怖いから止める。
厨二病の妄想はまだ続いている。最近は作曲にも興味が出てきた。
この俺が思いついたものは一体何になるんだろう、何処に消えていくんだろう。
前も運転中にいい曲を思いついた。だけどこれを書いてる今はもう思い出せない。
残したいな、と思った。
俺がこんなふざけた自分語りをぶち込んだのはきっかけを作る為だ。
何かを書きたいという思いはあったがずっと踏み出せなかった、歩いて行けなかった。
だから最初に書いたんだ。これは只の独白、応援と恐喝の話だって。
投稿サイト登録して、こんな自慰の駄文を書いて、他人に見せようとするんだから、これをきっかけに思いついたものを形にしていこうと。
自分を変えようと、何かを残そうと、歩いて行こうと。
俺は今まで捨てていったものが多すぎる。最近になってネタをメモ帳に書き始めたがまともだと思えるのは四つだけだ。
戦記物が一つとスポーツ物が二つ、SFかどうか分からないし話も決まってないがラストだけ考えている物。
いつか形になるだろうか、形にしたい。
ここまでしても俺が続けられるか怪しい。投稿サイトに登録しようと決めてもうすぐ1年経つくらいだから。
家に帰ればゲーム実況動画を視聴し、外に出ればゲームセンターに籠り閉店まで音ゲーをする毎日。
だけど変わりたい、何とか妄想を形にしたい。
これは只の独白、俺への応援と恐喝の話。
俺に小説を書かせてくれ。
俺に小説を書かせてくれ。
ありがとうございました。